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第42回伊方原発再稼働を止めよう! 4月26日報告

みなさま

4月26日(土)チェルノブイリ・デー
第42回 広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
伊方原発再稼働反対ウォークの報告をさせていただきます。

▼第42回チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140426.pdf

この日は、7名が参加しました。
参加者のスピーチの中から、一部をご紹介します。

◆重広さん

皆さん今日は何の日かご存じでしょうか?
ちょうど28年前、チェルノブイリ原発事故が起こった日です。
チェルノブイリ事故から28年経ちましたが、チェルノブイリ原発から30キロ圏内はいまだに人が入ることができない地域になっています。

28年も経ちましたが、健康被害は年々深刻になっていっています。
ウクライナ政府は被曝対策を行ってやっと人口減少に歯止めがかかっています。
医療費が財政を圧迫しています。

チェルノブイリ事故はほぼ収束していますが、福島第一原発事故はいまだに収束していません。
福島第一原発事故は、収束するめどすら、3年経ってもいまだに立っていません。
今もなお放射性物質は放出され続けています。
そして事故が収束していない中で、今日本の原発はすべて止まっていますが、再稼動が進められています。

皆さん、広島市から一番近い原子力発電所は、どこにある原子力発電所か、ご存じでしょうか?
広島市から約100キロの位置にある、四国の愛媛にある伊方原子力発電所が、広島から最も近い原発です。
瀬戸内海に向かって建っています。
風の流れも潮の流れも広島市に向かって流れています。

伊方原発で、もし福島第一原発並みの苛酷事故が起これば、広島市内は、一時移転対象区域となります。
伊方原発は今止まっていますが、再稼動が進められています。
再稼動のための新しい規制基準は、原発は事故を起こすもの、ということが前提で作られた基準です。
新しい規制基準に適合しているからといって、決して事故を起こさない安全な原発ではありません。
事故を起こす可能性を持ったまま再稼動が行われます。
事故が起これば、私たちは広島市に住めなくなってしまいます。
事故が起こった際の放射能拡散シミュレーションと避難基準を照らし合わせれば、伊方原発で事故が起これば、広島市内は一時移転対象区域となります。
一時移転とありますが、避難すれば、私たちは広島市には帰って来れなくなります。
それほどの放射能汚染区域となります。

事故を起こす可能性があるのなら、再稼動しないでくださいというのが、私たちの訴えです。

去年の9月に広島市議会に伊方原子力発電所再稼動反対の決議を求める請願を提出しました。
広島市は、広島市民を守るために、伊方原発の再稼動に反対するという意志表示をしてくださいという内容のお願いです。
広島市は、原発の再稼動問題はエネルギー問題であり、エネルギー問題は国の管轄であり、伊方原発の再稼動に関しては国の指針に従うという見解を示しました。
国が伊方原子力発電所の再稼動を進めると言うのなら、それに従うという見解です。

伊方原子力発電所再稼動反対の決議を求める請願の共同請願人を募っています。
現在、2170人の人が共同請願人になってくれました。
署名することで、共同請願人となることができます。

伊方原子力発電所再稼動反対の決議を求める請願の共同請願人となってくださる方がいらっしゃいましたら、署名のご協力をよろしくお願いいたします。

◆ツナさん

皆さん、楽しい週末の昼下がりを、ぶしつけなデモ隊が通ります。
大変恐縮でございますが、我々の生存権―当たり前のようにここで生きていく権利の大きな問題ですので、どうぞご理解いただき、ぜひ耳を傾けていただきたいと思います。

本日4月26日は、チェルノブイリ原子力発電所が爆発事故を起こしてから、ちょうど28年目になります。

私たちの国では、3年前の3月11日に、大きな地震を引き金に、福島第一原子力発電所が事故を起こし、大量の放射性物質が、空気中に放出されてしまいました。

その福島の放射能汚染地域ですが、よく、原爆で焼け野原になってしまった広島も復興したんだから、福島も復興するはずだと言われます。
では、なぜ、同じ原発事故が起きたチェルノブイリが復興したから、福島も復興するはずだとは言わないんでしょうか?
答えは、チェルノブイリは復興していないからです。

それは、決して、復興するお金がないからでも、チェルノブイリの事故が福島第一の事故よりも大きかったからというわけでもありません。
チェルノブイリ原子力発電所から半径30kmは、24年間、立ち入り禁止でした。
ウクライナ政府の許可なく立ち入ることはできません。
今でも、居住地域として町が再生しているわけではありません。
そこは人間が日常生活を営むには、あまりにも苛酷な量の放射線があるからです。
原爆には、ご存じのとおり、何千度という熱と、建物などを一瞬で吹き飛ばす風があります。
原発事故には、私たちの直接の被害の中には、それはありません。
両者に共通するのは、放射能、ただその一点のみです。

しかし、広島の放射能は、1945年の9月に、枕崎台風で吹き飛ばされてしまうくらいのものでした。
もちろんそれでも、私たちは原爆ぶらぶら病、白内障、白血病、癌、多くの原爆症に苦しんできました。
今でもそうです。

それが、原発事故では100倍、1000倍、10000倍、そんな単位で放射能の量が違うんです。
福島はたまにテレビでも放映されますが、いまだに3年前に地震で崩れかけた家屋が、傾いたまま残っていたりします。
亀裂の入った道路、信号の消えた交差点、建物はそのまま、野生化した犬たちが歩く町並み、広島の焼け野原とはえらい違いです。

広島と福島を重ね合わせる幻想にだまされないでください。
原発苛酷事故に復興はありえません。

では、福島はどうなってしまうのか。
チェルノブイリでは、世代を越えて、健康障害が起きています。
放射能の被害が世代を越えるということは、聞いたことがあると思います。
現に広島でも、被爆者二世の健康診断は実施されています。
しかし実際にどの程度その被害が出ているのかは、広島からは、決してわかりません。

チェルノブイリでは、1992年以降、被曝した両親から生まれた子どもの慢性疾患の割合が、2008年では、約80%になっています。
私たちひとりひとりに未来を守る責任があるのなら、放射能問題は、真っ先に考え、取り組まなければならない問題だということが、これでよくわかります。

そしてもちろん、今現在生きている私たちがどうなるのかというのも重要なことです。
2010年のウクライナの死因別割合というものがあります。
1位は心筋梗塞や狭心症などの、いわゆる冠動脈性心疾患と呼ばれるものです。
かなりくだけた言い方をしたら、心臓麻痺と言うと、実感が湧いていただけるでしょうか。
これが、死因の49.36%、ほぼ2人に1人の亡くなられた方が、心臓の異常で亡くなられています。

どう考えても、これはおかしいです。

ちなみに日本では、同じく2010年の死因別割合、これは福島第一が起こる前ですね、厚生労働省によると、1位は癌、29.5%、2位が心疾患、15.8%です。
ここには33.5%以上の差。
これを、国の違い、地域の違い、生活様式の違いだけで語れるでしょうか?
そこには確実に放射性物質、特にここではセシウム137の影響が出ているものと思われます。
「影響が出ている」というのは、それが原因で死んでいるということです。

ウクライナの総人口が最も多かったのは、チェルノブイリ事故の7年後、ソ連崩壊を経ての、独立から2年後の1993年でした。
この年、5218万人、このときはすでに出生数の低下が見えていましたが、死亡の増加はまだ顕著ではありませんでした。
事故後7年間、死者はまだ強烈には増えていなかったんです。

この死亡の増加が、1993年から始まります。
すでに出生数の低下を見せていたので、死亡数の激増と合わせて、ウクライナの総人口は、激減します。
1951年以来、一度も人口減少を見せたことがなかったウクライナが、1993年から2010年までの間に、約650万人、人口が減少します。
チェルノブイリ事故20年間で、ウクライナは人口の12.1%を失ったんです。
もちろんこれはたあの統計学上の数字です。
私たちは、統計学上には上らない、ひとりひとりの人生を生きています。
原発事故は、それを失わせるのです。

ではどうしたらいいか。

ウクライナの人口推移から、もう一つ見えてくるものがあります。
ウクライナは、1997年6月、根本的な食品の放射能汚染への制限を設けています。
具体的には、飲料水を1リットルあたり2ベクレル、乳児用食品に1kgあたり40ベクレルなどです。
人口減には歯止めがかかっていません。
減少には歯止めがかかっていませんが、出生数は、2003年には、わずかではありますが上昇に転じています。
死亡数も、2010年には、はじめて70万人を割るようになってきています。

つまり、放射能汚染されていない食品を確保し、それらを摂取することが、悲劇を最小限に食い止める方法の一つだと言うことができます。

そして、そのように当たり前に生きることを脅かす原子力発電所は、閉鎖し、廃炉にしなければなりません。
私たちの住むここ、広島市から100kmのところに、四国電力の伊方原発という原子力発電所があります。

これは、私たちに最も近いところにある原子力発電所です。
私たちは、これをやめない限り、常に、加害者の立場にもなります。
私たちには、これをやめてくれという意志表示をする責任があります。

ただいま伊方原発廃炉の請願書を集めています。
署名を集めています。
あなたがウクライナの放射能による人口減少を他人事と思えないなら、あるいは、これを他山の石としてでも、自分たちの当たり前に生きる権利を守らなければならないと思うなら、
ぜひ、伊方原発廃炉の、再稼動反対の請願署名、ご協力よろしくお願いします。

◆大歳さん

ほんとうに、苛酷事故というものが起こりうるのか?
苛酷事故は起こりうるものです。
南海トラフ大地震というものが来れば、大地震だけでなく、津波に襲われる可能性もあります。
実際に200年前の江戸時代には、南海トラフが動いて、大地震が起きました。
そして瀬戸内海でも、津波が起きてます。
伊予市であるとか、広島市でも、津波の被害に遭っています。
広島市の己斐あたりというのは、昔は埋め立てがなかったので、浜辺だったそうです。
南海トラフで江戸時代に大地震が起きたとき、津波にさらわれて、己斐の浜辺にあった漁船は、ほとんど流されてしまった。
その津波の後に、生存された方々は、家を山の高い所に移しています。
こういった記憶が残っているそうです。

瀬戸内海でも、津波というのは起こりうる。
伊方原発も、津波に襲われる可能性は十分にあるということです。
伊方原発は、通常運転でも、大量のトリチウムという危険な物質を排出します。
このような危険な原発を再稼動させてはいけません。

皆さんの中には、こう思っている方、いらっしゃるんじゃないですかね。
「原発はいやだけど、電気代が高くなるのもちょっと困るよ」と。
こうした意見は当然あると思います。

新聞なんかを読んでいますと、「原発を止めて、火力だけに頼っていると、電力会社が電気代を値上げしなくてはいけなくなる」と、新聞社はどこも書いていますが、電気代が上げられてしまうというのは、これはトリックがあります。

私たちは、世界一高いと言われている電気料金を支払い続けてきました。
これを可能にしたのは、「総括原価方式」というぼったくりシステムです。
この「総括原価方式」というのは、どれだけ電力にコストをかけても、これを電気料金に反映させることができる、大雑把に言えばこういうしくみです。

だから、原発を何基も作ろうが、石炭や石油、天然ガスを割高に購入しようが、電力会社は儲け続けることができます。
負担させられているのは私たちです。
だから、原発を止められると電気料金が高くなるというのは、これはトリックがあるとお考えください。
実際には火力発電というのはとても技術革新が進んで、低コストな発電方法になっています。
皆さんどうか騙されずに、原発なしでも電気は足りる、原発には私たちの生存権を奪う恐ろしい力がある、放射能というやっかいな物質を出し続けるという致命的なデメリットがあるということを、どうか頭に入れておいてほしいと思います。

今私たちは、伊方原発の再稼動に対して反対の請願書を広島市議会に提出しています。
ご協力をお願いしたいと思います。

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「広島市議会に伊方原発3号機再稼動反対決議を求める」請願活動は、現在も継続中です。
現在、広島市在住の方の請願署名数は、2170筆です。
広島市在住の皆様、ぜひご共同請願人になってください!


広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会
http://hiroshima-net.org/yui/1man/