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第53回伊方原発再稼働を止めよう!2014年11月1日報告

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▼第53回
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141101.pdf

第53回伊方原発再稼働を止めよう!
2014年11月1日(土)15:00~16:00

みなさま

11月1日(土)第53回伊方原発再稼働を止めよう!
元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

▽チラシは、こちらです。
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141101.pdf

チラシのタイトルは、「伊方原発再稼動は四国電力経営問題 広島市民は四電と心中するわけにはいかないのです」。
「原発がないと電気が足りない」というのも、「原発の電気が安い」というのも、真っ赤な嘘であり、原発再稼働問題は電力会社の経営問題だということを、データに基づいて示しています。
今回のチラシでは、愛媛県銀行協会元常務理事の宮内一彦氏の勇気ある発言も紹介しています。
ぜひお読みください。

6名が参加。4名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

▽原田

伊方原発で苛酷事故が起これば広島市はゴーストタウンに
広島市から100キロのところに伊方原発という原子力発電所があります。
四国電力の原子力発電所です。
ここには、狭い敷地の中に現在も、600トン以上の核物質が溜め込まれています。
広島原爆のおよそ1万倍くらいの量です。
しかも、この伊方原発が建っているところは、巨大地震に襲われる可能性が非常に高いところです。

伊方原発で事故が起こった場合には、海を渡って放射能が広島に押し寄せて来る、まあ、当然のことです。
この前の福島原発事故のときも、谷沿いに放射能がどんどん流れていきましたけれども、瀬戸内海というのは大きな谷と言ってもいいですね。
伊方原発が巨大事故を起こし、この広島市を人の住めない町に変えてしまう、この可能性は、決して小さなものではないです。
そういうことがもうわかっています。
しかし、今、伊方原発は、再稼働に向けて準備が進められています。

なぜ、こんな危ない原発を動かそうとするのか。
動かさなければいけない理由があるのだろうか。
原発がなければほんとに電気が足りないのだろうか。
ということなんですが、
それについて、今日は、調べたチラシをお配りしております。

◆原発がなくても電力供給は十分

伊方原発を再稼働するのは、原発を動かさないと電力が足りないからではありません。
2013年度、四国電力は311億kWhの電気を供給しています。
しかし、四国電力が自分の会社の設備で発電している発電量というのは、実は199億kWhでしかないんです。
じゃあ、残りはどうやって調達しているのかということなんですけれども、これは、実は、四国電力管内の、四国電力以外の、発電を行っている会社、例えば電源開発とか、そういう会社から買い取って売っている電力、これで十分に電力が賄えている。
それがおよそ、四国電力が供給した電力の36%、40%に近い量になっています。
実はもう、電力の供給を行っているのは、四国電力だとか中国電力だとかいった電力会社だけではなく、それ以外の発電事業を行っている会社が非常に大きな割合を占めてて、それで十分に電力の供給が足りている。

◆原発で安い電力が供給できるというのも真っ赤な嘘

しかも、そうして電力会社以外の事業者が発電している電気のほうが実は、安いんです。
四国電力は、電源開発などから、大体単価1kWhあたり7円くらいで仕入れて、それを20何円で売っている。
そういう状況です。
ですから、原発がなければ電力が足りないということはまったくなく、また、原発がないと電気が高くなる、これもまったくの嘘だということがわかります。
今お配りしているチラシに、データにもとづいてそこがきちんと説明してありますので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

◆原発再稼働は四国電力の経営問題

じゃあ、なぜ四国電力がそんなに、広島市民にとって大きなリスクでしかない伊方原発を再稼働させたいのかということですが、これは、原発を再稼働しないと、四国電力の経営にとっては非常にまずいことが起こってしまうわけです。
四国電力の現在の純資産は、2874億円です。
ところが、それに対して、四国電力の原発固定資産が占めているのが1079億円、また、なんと、使用済み核燃料というのも資産に計上されていて、これが1396億円。
つまり、四国電力の純資産2874億円に対して、原発固定資産と使用済み核燃料だけで2475億円、非常に大きな部分を原発の施設と使用済み核燃料が占めている。
だから、原発をやめてしまうと、これが資産でなくなってしまう。
そうなると、どういうことが起こるかというと、四国電力は一気に、債務超過に陥ってしまう、ということです。
これはまあ、四国電力にとっては、倒産ということを意味してしまうということです。
だから、四国電力にとっては、原発は再稼働してもらわなくてはならない、そうしないと、まあ、四国電力の死活問題になるということです。

だけど、私たちが、その四国電力の倒産を避けるために、すべてを失わされていまうなんて、ちょっと冗談じゃないです。
四国電力の経営問題と私たちの生存権問題を同列に並べるなんて、冗談じゃないと思います。
皆さんはいかがお考えでしょうか?

▽じゃけえさん

◆ 「原子力災害緊急事態」下で進められる原発再稼動

3・11まで、原発は事故を起こさない安全でクリーンな発電方法ですと謳い、原発は稼働されてきました。
そんな中で、福島第一原発事故は起こりました。
そしてその福島第一原発事故は、今も収束していません。
日本は現在、2011年3月11日から、「原子力災害緊急事態宣言」発令中です。
日本は、原子力災害の緊急事態宣言の中にあります。
今も放射能が放出され続けています。
通常だったら漏れてはいけない量の放射能が今も放出され続けています。
そんな中で、福島第一原発事故の収束のないまま、再稼働が進められています。
今の日本では、原子力規制委員会が作った規制基準に適合していればその原発の再稼働を進めるとしています。

◆「規制基準」は安全を保証するものではない

私たちが住む広島市から一番近い、100キロの位置にある伊方原発も、再稼働が進められています。
3・11以降作られた、原発再稼動のための新しい規制基準は、「原発は事故を起こす」ことが想定されて作られた基準です。
規制基準に適合しているからといって、けっして「事故を起こさない安全な原発」ではありません。
「事故を起こさない」と、誰も保証してくれてはいません。
「原発は事故を起こす」ものです。

◆ 伊方原発で苛酷事故が起これば広島市は「避難」

伊方原発で事故が起これば、どうなるのか?
原子力規制委員会が、日本全国にある各原発で、福島第一原発並みの苛酷事故が起こった際、放射性物質がどのように拡散するのか、シミュレーションを公表しています。
そのシミュレーション結果によると、もし伊方原発で福島第一原発並みの苛酷事故が起こった際、広島市は1週間で4ミリシーベルトの実効線量になります。
1週間広島市に滞在し続けると、4ミリシーベルト被曝するということです。
とても人が住める線量ではありません。
1週間4ミリシーベルト、現在の福島第一原発敷地内の線量に相当する線量です。
伊方原発がもし再稼働されて、もし福島第一原発事故並みの苛酷事故が起これば、私たちは、広島市から避難しなくてはならなくなります。
避難して、もう帰って来ることができなくなってしまいます。

◆黙っていることは再稼働・避難を認すること

3・11以降、日本では、「原発は事故を起こすもの」になりました。
現在の法体系では、「原発地元の住民の理解と賛同が得られなければ、その原発の再稼働は認められない」ということになっています。
福島第一原発事故で、「原発は事故を起こすもの」ということが明白になってしまったからです。

では、「原発立地地元」とは、どこを指すのでしょうか?
その原発事故によって被害を被ることが予測できる地域の地元を、「原発立地地元」と言います。
広島市から一番近い、四国の愛媛にある伊方原発で苛酷事故が起これば、私たちは広島市内で生活することができなくなります。
ということは、つまり、広島市は、伊方原発の立地地元です。

その伊方原発の再稼動を、反対の声を挙げずに、黙って容認するということは、「伊方原発で事故が起こってもかまいません。伊方原発で事故が起これば、私たちはおとなしく広島市内を去ります」と言っていることと同じになってしまいます。

◆広島市議会が伊方原発再稼働反対を決議することの意味

去年の9月に、広島市議会に、伊方原発再稼働反対の決議を求める請願を提出しました。
「広島市議会は、広島市民を守るために、伊方原発再稼働の反対の意思表示をしてください」というお願いの内容です。
「伊方原発再稼働問題は、広島市民の生存権問題である」という訴えに対し、広島市当局は、「伊方原発再稼働問題は、エネルギー問題であり、エネルギー問題は国の管轄であり、広島市は国の動向を注視する」という姿勢を見せています。
伊方原発再稼働反対の決議を求める請願は、現在、継続審議中となっており、否決も可決もされていません。
この請願に賛同してくださる方を募集したところ、現在、集計しているだけで、約4900人の方が、この請願に賛同してくださいました。

広島市が伊方原発再稼働反対の意思表示をすることは、大きな影響力があります。
最終的に原発の再稼働の判断をするのは、内閣になりますが、地方自治体の反対の意見を無視することはできません。
もし、地方自治体の反対の意思表示を無視して再稼働を強行するとなれば、これは、明らかな「独裁」になるからです。
私たち一人一人が反対の意思表示をすることで、伊方原発の再稼働は、止めることができます。

◆事実を知り、考えることが一人一人に求められている

私たちは伊方原発の再稼働に反対ですが、それを皆さんに押し付けようとは思いません。
ただ、原発問題について、私たちには「知らないこと」が多すぎると思います。
原発問題を考える際、ぜひいろんな情報を知ってもらって、原発問題を考えてもらいたいというのが、私たちの主な訴えです。
ぜひ知っておいてもらいたいのは、広島市から一番近い原発は伊方原発であるということ、伊方原発で苛酷事故が起これば、広島市内には人が住めなくなるような線量になるということ、原子力規制委員会が作成した再稼働のための規制基準に適合しているからといって、その原発は事故を起こさないわけではないということを、ぜひ知っておいてもらいたいと思います。

原発問題は、私たちの問題です。
そして伊方原発再稼働問題は、より身近な、私たちの生存権問題です。
伊方原発を再稼働して、もし伊方原発で苛酷事故が起これば、私たちは広島市内に住めなくなってしまいます。
これはあまり表立って報道されないことですが、事実です。
公表されている情報です。
ただ、テレビや新聞を見ているだけでは、知りえないというだけで、公表されている情報です。
ですから、伊方原発が再稼働されても、伊方原発が再稼働されて事故が起こっても、「知らなかった」では済まされません。

▽哲野

◆愛媛県銀行協会元常務理事 宮内一彦氏の発言

広島から最も近い原発が四国電力伊方原発。
わずか100キロのところ。
これが危険な原発であるということ。
このことを皆さんにお伝えしながら歩いてるんですが、100km離れた広島の我々がこうやって大騒ぎしているわけですけど、愛媛の人はいったいどうなんだろうか。
例えば人口50万人の松山市は、伊方原発から大体50km圏です。

で、今プラカードにご案内してますけども、愛媛県銀行協会元常務理事だった宮内さんという人が、『愛媛経済レポート』、これは広島で言うと、ご存知の方、いらっしゃるかどうかわかりませんが、『広島経済レポート』という業界紙、経済紙、経済界の人が目を通すような週刊雑誌があります。

そこに、宮内さんが一文を書いてます。
元銀行家、伊予銀行の出身ですから、やっぱり四国電力や地元経済界、1年間に28億円も交付金がやってくる伊方町、ここらへんにも十分な理解をした上で、宮内さんは、「命は金では買えん」その文章の最後に、「遅きに失しているが、原発は、即刻すべて廃炉にすべきである」。
これ、反原発の人が言っても、何の効き目もありませんが、元銀行家の宮内さん、しかも、伊予銀行出身。
伊予銀行と言えば、広島で言えば、広島銀行です。
そこの経営幹部の一人だった人が、「やっぱり原発は即刻廃炉にすべきだ。人間の命は金では買えない」、こういう主張を、これは今年の7月に公表された記事ですけれども、今お配りしてるチラシに記事を引用していますし、ご覧いただいているプラカードにも一言書いておりますが、元銀行家、地元の有力銀行、伊予銀行出身の宮内さんが、「やっぱり、命は金では買えない。原発は、即刻、すべて廃炉にすべきである」。
こういうことを、地元経済界の人たちも言い始めた。
おそらく、宮内さんは、この文章を公表するに当たっては、相当な勇気と覚悟を持ってやったと思います。

私たちに、なかなか、地元の「本音」は伝わってきませんが、宮内さんがこういうことを言い出したという以上、やはり、愛媛の人たちも、本気で心配をし始めた。
私たちが、100km離れた私たちが大騒ぎをしている以上に、愛媛の人たちは、深刻に、伊方原発の再稼働を心配し始めている。
こういうことだと思います。

今、愛媛の人たちの話をご紹介いたしましたが、実は、広島の経済界、もののわかった人たちの中にも、「原発はいかんなあ。これは廃炉にせんにゃいかんなあ」という声があるのも知っております。
ただ、これを言うには、社会的に影響力があればあるほど、相当、覚悟と勇気が要る。
もののわかった人たちの間では、「原発はやっぱり廃炉だ」ということは、今、共通認識になりつつあるのではないかと思います。
どうか皆さんも、もののわかった人間の一人になっていただきたい。

愛媛の現地でも、そろそろ、「原発は廃炉。伊方原発再稼働などもってのほか。廃炉にしなきゃいかん」という声が挙がり始めていることを、どうか、頭の片隅に留めておいてください。

▽佐藤

◆伊方原発からのトリチウムによる瀬戸内海汚染

伊方原発をはじめとして、原発というのは、事故を起こさなければ放射能を出さないとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんけれども、実は、原発は、事故を起こさなくても、大量の放射能を放出し続けます。
特に、広島市から100キロの伊方原子力発電所、愛媛県の佐田岬半島に、瀬戸内海に向かって建てられている原発ですが、伊方原子力発電所は、トリチウムという放謝性物質を、非常に大量に放出し続けて来ました。

今、福島原発事故からのトリチウムの放出が問題になっていますけれども、伊方原発は、今、稼働を停止していますけれども、稼働していたときは、毎年だいたい50兆ベクレルのトリチウムを瀬戸内海に放出し続けてきました。
しかし、2011年度に運転を停止して、その翌年の2012年度の放出は、年間18兆ベクレルくらいに減っています。
稼働していたときに比べると、半分以下に減っています。
この減った量というのが、だいたい事故を起こした福島原発が、27ヶ月で放出したトリチウムが40兆ベクレルですから、だいたい、事故を起こした福島原発並みの放出量に減っています。
ということは、広島から100キロの伊方原発、ふだんの運転をしているときは、今、事故を起こした福島原発から出ているトリチウムの倍以上のトリチウムを、毎年、瀬戸内海に放出し続けているということです。

トリチウムというのは、「微弱な放射線なので、人体への影響はない」というふうに、電力会社、推進する方々は、これまで説明してきましたけれども、これには大きな疑いがあります。
トリチウムを大量に放出する重水炉という型の原発を持っているカナダやイギリスでは、原発周辺で、多くの健康被害が起こっております。
子どもの白血病の増加や、新生児の死亡率の増加など、いろいろな現象が起こっております。

それについての研究も、実は、進んでおります。
トリチウムは、放射線としては微弱かもしれませんけれども、水素の同位体ですので、水素と同じように、人間の細胞の中に摂り込まれて、そこでいろいろな害をもたらします。
ですから、瀬戸内海の環境を守るためには、伊方原発は、稼働させてはいけないということになると思います。

▽網野

◆原発問題に無関係な人は誰一人いない

広島から一番近いのは、島根原発ではありません。
島根原発までは135キロです。
広島から一番近い原発は、100キロの位置にある、四国電力の伊方原発です。
愛媛県の佐田岬半島、四国の西側にちょっと突き出た半島があります。
その付け根にあります。
まだ島根原発のほうは中国山地があって屏風になりますから、放射性物質が拡散しても、まだ、山で防げますが、伊方の場合は、まったく遮るものがありません。
こないだの土砂災害、豊後水道のほうからやってきた雲が、広島に雨を降らせましたけれども、あのコースで来られると、伊方原発から放出された放射能を含んで広島に雨が降るという、こういう位置関係にあります。
で、瀬戸内海に向かって建っていますんで、ここから放出された、液体で放出された放射能も、半閉鎖水域である瀬戸内海に流れます。

広島から一番近い原発でもし苛酷事故が起こったら、私たちはどういうふうになるのかというのが、調べてまとめたチラシをお配りしておりますので、もしよろしければお手に取ってご覧になってみてください。
伊方原発がもし再稼働して、もし苛酷事故を起こしたら、どうなるのか、というシミュレーションを、ほかならぬ原子力規制委員会が公表しています。
皆さんもインターネットで検索をすれば、原文をご覧いただけます。
それによると、広島は4.32ミリシーベルト、1週間でですね。
1週間で4.32ミリシーベルトというすごい高線量の被曝をすることになり、当然これは「避難」です。
「避難」の対象になっております。
私たちはたかだか一電力会社の四国電力のために、ふるさとを捨て、生活を捨て、財産を捨て、逃げなきゃいけないということになっています。

「避難」の対象になるという可能性が示された上で再稼働を認めるかどうかというのが、今広島市に突き付けられている課題です。
それでいいのかというのが、みなさんの一人一人に問われております。
残念ながら、今そういう状態だということも、ぜひ認識しておいていただければと思います。
「知らなかった」は残念ながら通用しません。
この資料は公表されています。
そのことについて私どもなりに調べたチラシをお配りしております。
よかったら、私どもの配っているチラシも、判断材料の一つにしていただければと思います。

無関心でいることはできますけれども、無関係な人は誰一人としておりません。
残念ながら、原発の問題は私たちの生存権問題にかかわりますんで、誰も無関係ではいられません。
一人一人の社会人が、一人一人が社会人として考えるべき問題になっちゃったっていう、非常に残念ですけど、遊んで暮らしたいのは山々なんですが、残念ながら私たちは政治に無関心でいるということはできなくなりました。
ぜひ皆さん、皆さんがどうするのかというのは、皆さんが決める問題で、誰かが決めていい問題ではありません。
私たち一人一人が、どういうふうな世界にするか、どういう日本にするかっていうのを考える中で、これは決められる問題で、どうか、考える材料の一つにしていただければと思います。