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1/11 伊方原発再稼働反対ウォーク 報告と次回ウォークのお知らせ

1月11日(土)第35回 の 広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース 伊方原発再稼働反対ウォークの報告と、
第36回のウォークの予告をさせていただきます。

1月11日のウォークには、4人が参加、
「広島2人デモ」の「トリチウム特集その2」のチラシと、「伊方原発再稼働に反対し広島市民の生存権を守る1万人委員会」の発足会の案内と呼びかけチラシを配布しました。

▼トリチウム特集その2
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103_tori_A4.pdf

▼「伊方原発再稼働に反対し広島市民の生存権を守る1万人委員会」の発足会の案内と呼びかけチラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20130118.pdf

参加者それぞれが次のようなスピーチを行いました。その内容は、下に貼り付けます。

・伊方原発から大量に放出されるトリチウムの危険性

・原子力規制委員会が審査しているのは「安全性」ではない

・黙っていることは「原発のためにすべてを失ってもかまわない」と言っているのと同じこと

・広島を追われることに「賛成」することはできません

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第36回のウォークは、
1月25日(土)15:30~16:30
元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
という予定です。
よろしかったらご参加ください!

伊方原発は、事故を起こさなくても、通常の運転でも大量のトリチウムを環境中に放出します。

伊方原発が放出したトリチウムは、2001年から2010年までの10年間に海水中に放出したものだけで、552兆ベクレルにのぼります。

トリチウムは水素の同位体で放射性物質です。

電力会社などは、トリチウムは微弱な放射線しか出さない、だから人体には無害だという宣伝を行い続けてきました。

また、最近も、大手のマスコミが、「専門家」の談話をあげて、「トリチウムは水の形で存在するので、簡単に体外に排出され、害はない」といった説明を繰り返しています。

しかし、トリチウムは決して人体に無害な物質ではありません。

水素は、人間の細胞を構成する重要な元素です。

水素の同位体であるトリチウムは、水蒸気の形で大気中にも広がっていき、雨となって地上に降り注ぎ、土に浸み入り、それを作物が吸収し、炭素と結合して有機結合型トリチウムとなって、それを食べる人間の体の中にも摂り入れられていきます。

そして、細胞の中に摂り込まれることによって、DNAなどの重要な細胞内の器官にダメージを与えます。

また、トリチウムが壊変を起こしてヘリウムに変わってしまうことによって、細胞を構成している高分子化合物の結合が切断されてしまい、細胞が壊されてしまいます。

このようなしくみが、最近の分子生物学の発達によって明らかになってきています。

伊方原発は加圧水型原発ですが、日本の加圧水型原発は、どこも大量のトリチウムを放出しています。

特にひどいのが、九州の佐賀県にある玄海原発です。

この玄海原発の近くで、白血病で亡くなる人の数が有意に増えているという、人口統計に基づいた調査をした人がいます。

これは、玄海原発から大量に放出される、トリチウムを含む放射性物質が原因ではないかと考えられます。

イギリスのウィンズケールという核施設で、1957年に、大事故が起こったことがありました。

そこから大量の放射性物質が放出されましたが、その影響が、海をはさんで100キロ以上離れた対岸のアイルランドで顕著になったという調査があります。

伊方原発から広島市まではちょうど100キロ、間にあるのは瀬戸内海です。

伊方原発から放出される放射性物質の影響は、対岸の広島で顕著になる、あるいは、もう、なっているのかもしれません。

皆さんにお伝えしたいことは、広島から最も近い原発は、100キロ離れた、四国電力の伊方原発であること、そして、伊方原発が、再稼動を申請した9原発16原子炉の中で最も突出して審査が進んでいて、この3月までには審査合格になりそうだ、ということです。

それでは、原子力規制委員会は、何を審査しているのでしょうか?

多くの人は、「安全を審査している」と誤解していると思います。

原子力規制委員会は、割とこまめに、議論の内容・会合の中身を公開しています。

インターネットで「原子力規制委員会」と検索してみてください。

規制委員会は、「安全性」を審査しているのではありません。

原発再稼動にあたっての最低限の標準性能を決めた中身が「規制基準」です。

原子力規制委員会は、この「規制基準」に合致しているかどうかを審査しています。

決して「安全性」を審査しているわけではありません。

原子力規制委員会の基準で「安全」が審査できない理由は、原子力規制委員会の田中委員長が自ら説明しているとおりです。

田中委員長はこう言っています。

「原発に、リスク・ゼロはない。絶対に安全な原発というのはないのだ。

 だから、規制委員会の『規制基準』というのは、事故が起こったときにできるだけその事故の影響を小さくする性能標準だ。

 どの原発だって福島並みの苛酷事故は起こし得る。

 要は、そうしてリスクを社会(=われわれ)がどれだけ許容してくれるか、その範囲を探りながら審査しているんだ。」

それでは、原発の安全性はどうやって担保されるのか?

今の原子力規制委員会の考え方では、原発の安全性は、原発を運営する電力会社が独自に安全目標を持って、その安全目標に向かって一歩一歩手を打って、その安全性について自ら評価をして、できるだけ事故が起こっても影響を小さくすることに向かって努力を重ね、安全に少しでも近づけていく、ということです。

だから、原発の再稼動の基準に適合しているからと言って、これは、原子力規制委員会が「安全性を担保したのではない」ということです。

ここで考えていただきたいと思います。

広島からわずか100キロの伊方原発も、同じ考え方で審査され、同じ考え方で稼働します。

原子力規制委員会にとっては、例えばもし事故が起こっても環境に放出する放射能はセシウム137で100兆ベクレルまではOKだと言っているわけだけれども、広島に住んでいる我々からしたら、100兆ベクレル出されては困ります。

例えば、原子力規制委員会自身が行ったシミュレーションでは、もし伊方原発で福島並みの事故が起こったら、広島市は1週間で4ミリシーベルトの被曝をして、我々は広島市に住み続けるわけにはいかなくなる。

それでも、原子力規制委員会は、「ま、そういうリスクは付き物なのだから、皆さんちょっと我慢して原発再稼動を認めてやってちょうだいね。その代わり、できるだけ被害は小さくするようにしますよ」と言うわけです。

こう言われてもまったく納得できません。

事故が起こるものだったら動かすな。これが、私たち広島で生活している生活者の立場です。

原子力規制委員会にとっては、広島は、100万年に1回や10万年に1回は事故はどこかで起こる、そのどこかのうちの1つに過ぎません。

しかし、広島に住んでいる我々からすれば、ここはかけがえのないところなんです。

皆さんはどうお考えになりますか?

ご存じでしたでしょうか?

福島で事故が起こるまでは、日本の原発は事故を起こさないとうたって稼働してきましたが、事故は起こってしまいました。私たちはだまされていました。

福島で事故が起こってから、再稼動するための新しい規制基準が作られましたが、その基準に見合った原発だからと言って、事故を起こさないわけではありません。

事故を起こす可能性が十分にあることが前提で、原発は再稼動されます。

皆さんご存じでしょうか?

四国の愛媛にある伊方原子力発電所が今、再稼動有力候補となっています。

もし伊方原発で事故が起これば、私たちは広島に住めなくなってしまいます。

事故を起こすことが前提で再稼動されますので、事故が起こったら逃げなさいと言われています。

事故が起こって責任をとってくれる人はいません。私たちの今まで営んできた生活を補償してくれる人は誰もいません。

事故を起こす可能性が少しでもあるのなら、伊方原発を再稼動しないでくださいというのが、私たちの訴えです。

広島市議会に伊方原発再稼動反対の意志表示を求める請願を出しました。

請願に、ぜひご参加ください。

伊方原発再稼動を黙って容認するということは、伊方原発で事故が起こってもかまわないと言っているのと同じです。

事故が起これば、広島で築き上げてきたものすべてを捨てて避難してもかまわないと言っているのと同じことです。

黙っているのは、再稼動賛成と同じです。

今、多くの人でにぎわっているこのアーケードが、双葉町のようなゴーストタウンになってしまうかもしれない、そのことをぜひ想像してみてください。

伊方原発で事故が起これば、その可能性があるということです。

そうなってしまうということです。

事故を起こさない安全な原発は、世界中どこにも存在しません。


広島から一番近い愛媛県の伊方原発でもし福島並みの事故が起これば、100キロ離れた私たちの広島市は、実効線量で4ミリシーベルト、これは「一時移転」の対象区域となります。

そういうシミュレーションが、原子力規制委員会から出ています。

これに黙っていると、賛成したことになります。

私は賛成していません。

広島を追われる筋合いはありません。

今、広島市議会に伊方原発再稼動反対の決議を求める請願を上げていますが、請願に参加している方の中には、原発賛成の方もいらっしゃいます。

当然です。自分の家を追われて「いいよ」と言う人はいません。

なので、私たちの請願は、原発反対ではありません。再稼動の反対です。

私たちの生活や生存を脅かすような再稼動は認められないというのが、私たちの考えです。

皆さんはどうお考えになるでしょうか?

自分の生活をすべて投げ出して、お金を出してもいい、原発は好きだという方もあるいはいらっしゃるかもしれません。

ですが、私は、自分の生活、おじいちゃんやおばあちゃんが守ってきた土地、原爆の後苦しみながらも一生懸命耕し守ってきた田畑を差し出してまで、原発に賛成することはできません。

それから皆さん、今、原子力規制委員会が審査しているのは「安全性」を審査しているのだと誤解している方もいるかと思います。

違います。

これは、苛酷事故になるべくならないように、機器や施設の性能の目標値を決めましょう、それに適合しているかどうかを審査しましょうというのが今の審査であって、重大事故は起こる前提です。

そして、安全性というのは、それぞれの事業者が安全文化を育てていく中ではぐくまれるものであって、安全性は事業者が各自評価していくものであるというのが原子力規制委員会の考え方であり、これはまあ当然であると思います。

なので、原発の「安全性」は誰も審査していません。

だから、この審査を通ったからと言って、原発の安全が保証されたわけでもありません。

なので余計に、広島から100キロの伊方原発で福島並みの事故が起こったら、広島は「一時移転」の対象区域になる、ゴーストタウンになるということが現実味を帯びて迫ってきていますので、私たちはこうやって歩いています。

こういう事態になっているということを皆さんどうか知っておいてください。

よろしくお願いします。