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第48回伊方原発再稼働を止めよう! 8月9日報告

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▼第48回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20140809.pdf

みなさま

8月9日(土)第48回 広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。
チラシは、こちらでご覧ください。
 ↓
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20140809.pdf

「避難基準がどんどん苛酷に…チェルノブイリ事故からフクシマ事故、そして原子力災害対策指針」
「再稼動を阻止する力は市民の明確な政治意思表示」
などの記事があります。
6ページには、今年7月17日に全会一致で採択された、姶良市議会の
「川内原発1号機2号機の再稼動に反対し廃炉を求める意見書」も紹介されています。

台風が接近しており、前日に、「警報が出たら中止します」というメールを流したので、
中止だと思われた方、申し訳ございません。
広島市は「警報」にはならなかったので、強行いたしました。

4名が参加。15:00に、本通りのアーケードの西端から出発しました。
さすがに天候のせいか、本通りの人出はいつもほど多くありませんでした。
また、お盆休みのはじまりのせいか、歩いている人が普段と違う感じでした。里帰りの人が多かったのかもしれません。

プラカードを見る人は多いのに、チラシを差し出すと手を引っ込める、という反応が、いつになく多いと感じました。
けれど、一ノ瀬さんは1人で20枚くらい配ってくださいました。
参加者のスピーチを次に貼り付けます。

なお、次回の第49回ウォークは、

 日時:8月23日(土) 15:00~16:00
 コース:元安端東詰―本通り―金座街(往復)

の予定です。

原田

▼以下参加者のスピーチ
〈原田〉

毎度お騒がせいたしております。
お盆休みの始まりの土曜日の午後、野暮な話でお騒がせいたします。
皆様に、広島から一番近い原発、伊方原発の、この広島市への影響について、
ぜひとも知っていただきたく、お話しして、こうやって、月2回歩いております。

広島から100キロのところ、愛媛県の佐田岬半島の付け根に、
伊方原子力発電所という原子力発電所があります。
広島から一番近い原子力発電所です。

皆さんに知っていただきたいのは、もしこの伊方原発で福島並みの苛酷事故が起こった場合、
広島市はどのような状態になるかということです。
これは、私たちが勝手に考えていることではありません。
伊方原発の再稼動に向けての審査を行っている原子力規制委員会という国の機関が、シミュレーションを行っています。
そのシミュレーションに基づくと、伊方原発で福島原発並みの事故が起こった場合、
この広島市の被曝線量は、1週間で4ミリシーベルトになるであろうという予測をしています。

もちろん、そうしたことは、大きく報道はされません。
しかし、原子力規制委員会のこのシミュレーションは、ちゃんとHPなどで公開されています。
どなたでも見ることができます。

このことについて、どうか皆様、リアルに考えていただきたいと思います。
そんなこと言っても、大地震がそうそう起こるものではない、
原発苛酷事故が起こったら大変なことになるといっても、
原発苛酷事故なんてそうそう滅多に起こるものではないと、多くの人が考えているのかもしれません。
だけどそれは、非常に甘い思い込みだと思います。

思い出していただきたいと思います。
1995年の1月に、阪神淡路大震災がありました。
想定外の地震だと、その時に言われました。
それから16年、2011年3月11日に、東日本大震災が起こりました。
この震災も、想定外だと言われました。
わずか16年の間に、2度も、想定外の大地震が起こったということになります。
人間が「想定している」ということは、その程度だということを、
自覚したほうがいいのではないでしょうか?

原発が日本でどんどん建設され、高速道路や新幹線なんかもできていった
1950年代~80年代は、地震の少ない時期でした。
この比較的静かな時代に、ちょうど高度経済成長の時期が重なりました。
しかし、1995年の阪神淡路大震災、その後も、それまで経験しなかったような地震、
災害があい続くようになっているということに皆さんお気づきではないでしょうか?
大地は、揺れ動く周期に入っています。

伊方原発は、南海トラフ巨大地震の震源域に建っています。
そして、巨大活断層、中央構造線の真上に建っています。
そこで、多くの人が、あり得ないだろうと希望的観測をしているような
大地震が起こる可能性は、実際には、けっこう高いと思います。
そしてその場合に、その災害が苛酷事故に結びついていく可能性、これもかなり高いと思います。

1週間で4ミリシーベルトというのは、どれくらいの被曝線量なのか?
これを計算すると、この被曝線量がずっと続けば、1年間の被曝線量は、およそ200ミリシーベルトとなります。
今一方で、一般の人が1年間に被曝してもいい(?)線量は、1年間で1ミリシーベルトだと決められています。
それに比べると、それがどれだけとてつもない量か、お分かりかと思います。

ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所事故の後、ロシアでは、
年間5ミリシーベルト以上の汚染のある地域では、居住が禁止されています。
それに比べると、およそ40倍の被曝線量です。

そして、その時、避難しなければばらない人の数はどれほどなのか?
広島市がそのような被曝線量になる時、沿岸部の呉市や、廿日市市や、大竹市や、江田島市、
これらの都市もまた、広島市以上の放射線量になっています。
ですから、伊方原発で福島原発並みの事故が起こったら、広島県西部沿岸地域のおよそ200万の人が、
避難しなければならなくなるというシミュレーション、これを、国の機関は行っています。

しかし、現実問題、避難せよと言っても、200万の人が、どこに避難できるでしょうか?
おそらくその時は、広島市民の多くが、1週間で4ミリシーベルト、1時間あたりに直せば
40マイクロシーベルト―これは今事故を起こした福島原発のサイト内で観測されるような
放射線量ですが―その中に留まっていざるを得ない、逃げたいけれどもどこにも逃げることができない、
そうした状態に放置されることが目に見えています。
また、たとえ避難したとしても、そこでは、どのような暮らしが待っているのでしょうか?
そういうことをよく考えていただきたいと思います。

このようなことを予測しながら、原発の再稼動が進められようとしている、
これは、おかしいとはお思いになりませんか?
とんでもなく理不尽なことではないでしょうか?
理不尽なことに対しては、そんな理不尽なことは受け入れられない、と言わなければいけないと思います。
自分が人間である、そのことの尊厳を忘れてはいけないと思います。
そして、今行われようとしていることは、そういう、私たちの人間としての尊厳を、
どうしようもなく踏みにじろうとしていることではないでしょうか?

今、九州電力の川内原発の審査書について、了承されたということが伝えられ、
今にも、川内原発の再稼動が進められるかのような報道もなされましたけれども、
実は、原発の再稼動を最終的に決めるのは、内閣の政治判断です。
伊方原発についても同様です。

原子力規制委員会が、規制基準に適合しているかどうかという、法律上の審査を行い、
で、それに適合しているという結論が出たとしても、それで再稼動が即、決められるわけではありません。
なぜなら、規制委員会の委員長が自ら言っていますけれども、規制委員会が行うのは、「安全審査」ではありません。

ですから、周辺の自治体の賛同がなければ、原発の再稼動は難しいということを、
原子力規制委員会の委員長自らが言っています。
なぜなら、苛酷事故は起こる可能性があり、そのときには、
周辺の人々の生活、生命、財産、これが根こそぎ奪われてしまうということが、予測されているわけです。
ですから、周辺の人たちが賛成しなければ、原発が再稼動できないのは、当たり前のことです。
それ以前に、そんなものを、再稼動してはいけないのではないかと、私は思いますけれども…
お騒がせいたしました。

〈哲野〉

土曜日の午後を、お邪魔いたします。
こうやって歩いていると、皆さんの目がおもしろい。
こいつらいったい何なんだろうっていう目でご覧になってますね。
我々、普通の、当たり前の市民です。
市民ですけども、やっぱり原発は再稼動したくない、動いてほしくない。
で、これをアピールせにゃいかんだろうということで、広島県公安委員会に許可を取って、歩いております。
これでもデモ行進です。

今日皆さんにお伝えしたいことは、3つあります。
今お配りしているチラシや、私が背負ってるプラカードに書いてありますように、広島から最も近い原発は、四国電力伊方原発、このことを、まず、皆さんに知っておいていただきたい。
直線でわずか100kmしかありません。
広島から100kmのところに、しかも、遮るものもない瀬戸内海の真上に、原発がある。
このことを知っていらっしゃる広島市民の方は、まだまだ非常に少ない。
これが第1点です。

第2番目は、この伊方原発が、現在、再稼動に向けて審査中であるということ。
かなり難航はしているようですが、再稼動に向けて審査中であるということ。
このことが2点目、皆さんに知っておいていただきたいこと。

3点目。この伊方原発は、特に、今、審査が進んでいる3号機は、プルトニウムを燃料とする、いわゆるプルサーマル炉。
ウランを使うよりも、さらに危険な原発であるということ。

それから、原発災害時の避難基準についても、皆さんに、ちょっと理解しておいて欲しいです。
1986年、チェルノブイリ事故が起こりました。
放射能が一瞬にあふれ出しました。
放射能に触れると、人間は、残念ながら、生命と健康に大きな被害を被ります。
当然、避難をしなければなりません。
チェルノブイリ事故が起こったその時点で、避難の基準は、実は、年間1ミリシーベルトでした。
それが、それまでの避難基準でした。

ところが、IAEA国際原子力機関と相談した旧ソ連政府は、5ミリシーベルトを基準といたしました。
1ミリシーベルトの避難では、とてもではないですが、
膨大な人間を避難させなければならない、ということで、5ミリシーベルトを避難基準としました。
チェルノブイリ事故での避難基準は、5ミリシーベルトでした。

2011年3月、福島原発事故が起きました。
当然、避難をしなければなりません。
このときの避難基準は、実は、20ミリシーベルトが採用されました。
本来であれば、5ミリシーベルト、これが採用されなければならないんですが、
20ミリシーベルトの避難基準が採用されました。

これは、チェルノブイリ事故で、避難のためにかかる費用、避難者への補償、
避難者への医療サービス、膨大なお金が、旧ソ連政府に対してのしかかり、
これが、旧ソ連政府の崩壊を早めた一因だと言われています。
言い換えれば、避難の数を増やせば増やすほど、費用がかかる。
政府の負担が増える。
ですから、この政府の負担を減らすためには、避難の基準を上げればよろしい。
こういうことが、ICRPという、国際放射線防護に関する委員会から、
2007年と2009年に勧告されて、20ミリシーベルトということになりました。

もし、福島原発事故で、チェルノブイリ並みの避難基準を適用するとしたら、
福島県の西半分、茨城県の北部、宮城県の最南部、半径50~60kmの部分が避難対象になったはずですが、
現実には、20ミリシーベルトと引き上げられましたので、避難対象地区は狭められました。
日本政府は、これでもって、原発災害対策費を安く値切ることができたわけです。

さて、今現在、新聞紙上でいろいろ騒がれております「広域避難計画」。
これは、法令の元をただせば、「原子力災害対策指針」が、法令の元となる法律です。
原子力規制委員会が策定し、公布した日本の法律です。
「原子力災害対策指針」では、各原発から半径30km圏を、
「原子力災害対策重点区域」として、ほぼ30km圏の避難を義務付けています。
それに基づいて、各自治体は、避難計画を作らなければならないことになっております。
これは、法律で定められております。

しかし、「30km圏が避難地区」というわけではありません。
30km圏というのは、1週間の被曝線量が、ほぼ50ミリシーベルト、
これはもうほとんど人間が存在できないような高い線量ですから、
これは、「避難」ではなくて、「即時避難」の対象です。
それでは、避難基準そのものは、どう変わったかというと、「原子力災害対策指針」の言葉では、
「一時移転」という、こういうちょっとわかりにくい表現に変わっていますが、
この「一時移転」が、いわゆる「避難」の基準です。
それでは、避難基準はどれくらいかというと、いわゆる空間線量率で20マイクロシーベルト/時です。
非常にわかりにくい表現に変わっていますが、これは、年間積算被曝線量に換算すると、
「原子力災害対策指針」による避難基準は、年間100ミリシーベルトということになります。
お配りしているチラシに、その換算式も入れておきました。

整理して申し上げます。
1986年、チェルノブイリ事故が起こったとき、それまでは、放射線被曝の避難は、1ミリシーベルト以上でした。
チェルノブイリ事故のときには、実際には、5ミリシーベルト以上が適用されました。
そして、2011年の福島事故では、20ミリシーベルトが基準となりました。
福島原発事故の後を受けた「原子力災害対策指針」では、避難基準は、
一挙に5倍に引き上げられて、年間100ミリシーベルトが避難基準だと、こういう話になってきています。
つまり、原発が重大事故を起こすたびに、避難基準は、5倍、4倍、5倍と、上がっていったわけです。

つまり、私たちが今、避難、避難と言っているのは、そうやって定められた新しい、
より苛酷になった基準に基づく避難のことを言っているわけです。
なぜ、原発重大事故のたび毎に、避難基準が上がっていくのか。
これは、皆さん、すぐ想像がつかれます。
避難基準を上げれば、避難者の数は少なくなります。
避難者の数が少なくなれば、それだけ、負担は、費用負担は少なくなる。
すべてが、経済効率で決まっていく。

しかし、実際に「避難」と言っても、これは簡単ではありません。
住む所、例えば、今の避難基準で言えば、島根県も愛媛県もそうですけれども、
避難した場合、2㎡が、1人あたりの面積として割り当てられています。
ですから、1000㎡の体育館には、500人の人を押し込むことができる。
2㎡で1人が暮らすことはできません。
つまり、避難計画とは、非人間的な暮らしを強いることを前提にしている。
それでなければ、現在立てている避難計画はできません。

もし、伊方原発が稼働を開始して、福島事故並みの苛酷事故を起こせば、
100kmしか離れていない広島は、1週間で4ミリシーベルト以上の被曝をする、
こういう結果が、原子力規制委員会の予測で出ています。
問題は、こういう、私たちを取り巻く環境に、どう対応するか、これを考えていただきたいと思います。
考える材料としては、お配りしているチラシなどが適切かと思います。
私からは以上です。

〈網野〉

本通り商店街の皆様、ご通行中の皆様、お騒がせいたします。
月2回、伊方原発のことを知ってもらうために歩いております。
普通の市民です。
もしよかったら、チラシをお配りしていますので、ご覧になってみてください。

広島市から一番近い原発は、伊方原発です。
四国の愛媛県にあります。
四国電力の原発で、伊方原子力発電所というのがありますが、
それが広島から一番近い原発だということを、皆さんどうか知っておいてください。
それだけでも十分です。

で、もしここで苛酷事故が起こったら、私たちは、「一時移転」という名の避難の対象になります。

今問題になっているのは、これを今黙っていると、
黙っていること自体が原発再稼動賛成の意志表示になる。
皆さんが黙っていると、賛成したという意志表示になるということです。
「反対」と言わないと、これは「反対」の意志表示になりません。
「もし何かあったら、私は、生活を捨て、財産を捨て、
原発のために被害を受けないように逃げてもいいです」と言っているのと変わらないことになる。
これが、一番の問題です。

私たちは、「それはやめてくれ」と、
「なんで私たちの生活や財産が命が脅かされることを前提にして、
しかも、補償も賠償もなく、自分で勝手に逃げなさいと、
なんで言われなきゃならないのか」と、私たちは反対しています。

皆さんには発言権があります。
なぜなら、広島は、避難の対象だからです。
私たち広島市民も、残念ながら、伊方原発の立派な地元になってしまいます。

で、ひとりひとりが皆さん反対の意志表示をしなければ、
当然のことながら、「賛成」の意志表示になります。

小学校で習うんですけど、会議のときに、「反対の人は手を挙げてください」と言われたときに、
黙っていると賛成したことになるのと一緒で、反対の人は「反対です」と手を挙げないと反対の意志表示になりません。

ちなみに、この日本で一番偉いのは私たち国民ひとりひとりですからね、政府じゃないです。
で、そういったことを、ちゃんと自分の命や財産を守るために、ひとりひとりが、どうぞ、考えてみてください。
もしよかったら、私たちのチラシも、その考える材料にしていただければ幸いです。

これは別に、原発の賛成とか反対っていうのとは関係ありません。
原発に賛成の人も、賛成の人も、一緒に考えるべき問題です。
ちゃんと情報を知ってから、きちんと考えないといけないと思います。
賛成の人も、なかなかこういったことは知らされてないっていうか、
勉強されてないんで、わかってないまま賛成されてる方、非常に多いです。
まず、何が行われ、どう動いて、どんなことになるのか、
私たちにどんな被害があり、どんなメリット/デメリットがあるのかということを、しっかり考えておきましょう。
まずそれが第一です。
それもなしに再稼動賛成とか反対とか言っていても意味がありません。
そういったことを、どうか、皆さん真剣に考えていただきたいと思います。
これ、もう、地元広島の問題ですんで、私たちに関係ないわという顔は、もうすでにできません。
お騒がせいたしました。

ありがとうございました。