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広島市議会12月議会で請願を採決へ

広島市議会12月議会で請願を採決へ

みなさま

みなさまにご協力いただきました、広島市議会に伊方原発再稼働反対決議を求める請願について、広島市12月議会の「経済観光環境委員会」において、月村俊雄さんから採決の提案がされますので、ぜひ傍聴においでください。


日時:2014年12月16日(火) 午前10時~
議場:広島市役所議会棟(本庁南側の4階建ての建物)4階 全員協議会室

直接議場に行けば、傍聴席が用意してあります。
何かあれば、議会棟1階の市議会事務局でお尋ねになると、案内してもらえると思います。

【請願について】
この請願は、昨年(2013年)9月17日、広島市議会に広島市在住者1542名の連名で提出した「四国電力伊方原発3号機再稼働に反対する広島市議会決議を求めることについて」(受理番号36)です。

この請願の趣旨は、ひとことで言えば、「広島市民の生存権を守るために伊方原発3号機再稼動に反対してください」というものです。
その根拠として、伊方原発の危険を示す資料「伊方原発危険報告」を、ともに提出しました。
請願の内容は、広島市議会市議会のHPでご覧になることができます。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1000000000002/1380682161092/index.html

紹介議員は、田尾健一さん(安佐南区/市民連合)、山本誠さん(西区/市政改革ネットワーク→地域デザイン)、馬庭恭子さん(中区/市政改革ネットワーク)、清水良三さん(佐伯区/市民連合)、山内正晃さん(安佐北区/市民連合)、月村俊雄さん(西区/市政改革ネットワーク)です。
また、現在、共産党の3名の議員さんが、紹介議員に加わるという意思表示をしてくださっています。
「経済観光環境委員会」に付託されました。

【これまでの経過】
2013年9月26日の「経済観光環境委員会」でこの請願の審査がされました。
請願者が趣旨説明を行い、馬庭恭子さんが質問を行ってくださいましたが、この問題については、専門的知識・知見を含めて幅広い視点から論議する必要があるということで、
請願については「継続審査」ということになりました。

この「経済観光環境委員会」に先立って、当時の委員長の豊島岩白さんが、広島市当局の見解を求めました。
それに対して、広島市の「環境局温暖化対策課」が資料を提出しました。
そこに示されていたのは「本市としては、原子力発電の再稼働については、国及び関係当事者において判断されるものと考えています」という、当事者意識のまったくない、広島市の見解でした。

その後、2013年10月16日の広島市議会決算特別委員会で、田尾健一さんが、原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」を踏まえて、四国電力伊方原発が苛酷事故を起こした場合の広島市への影響について、市当局の認識を質しました。

これに対して、市当局(環境局温暖化対策課)は、「広島市は即時避難や一時移転対象区域に含まれていない」という、明らかに重大な誤りを含んだ回答をしました。
(原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」では、伊方原発で福島原発事故並みの苛酷事故が起こった場合の100キロ地点の予想被曝線量は、めやすとして、1週間で約4ミリシーベルト〈遮蔽効果を計算に入れ、1時間あたりの空間線量率に直すと、約40マイクロシーベルト/時〉となります。

一方、「原子力災害対策指針」では、空間線量率20マイクロシーベルト/時が1週間継続すれば、「一時移転」〈=避難。おそらく帰還は無理〉の対象、と定めています。)

さらに、2014年3月7日の広島市議会予算特別委員会で、田尾健一さんは、エネルギー基本計画の政府案提示を受けて、「原発ゼロ社会実現に向けて、広島市は国への積極的提言をすべきではないか」と市長の考えを質しました。
これに対して、市長に代わって答弁した環境局温暖化対策課長は、「エネルギー政策は国が決定すべきもの。広島市は国の議論を注視したい」と答えました。

さらに、2014年6月26日の広島市定例市議会一般質問で、田尾健一さんは、大飯原発運転差止命令判決を受けて、「広島市は、明確に原発再稼働反対の表明をすべきではないか」と市長の見解をただしました。

これに対して、市長に代わって答弁した環境局長は、「1.福井地裁判決に関しては、国の対応を見守りたい。2.判決の中の人格権についての記述はしっかりと受け止めていただきながら、国民の暮らしと安全を最優先した、責任あるエネルギー政策の立案・実行を国に求め続ける」と答えました。

一方、当初、広島市在住者1542名の連名で請願を提出しましたが、現在、この請願への参加者数は、約4900名(広島市在住の人の数。重複は除いている)となっています。

【現在の広島市の姿勢の問題点】
この請願に関連したこれまでの市議会でのやり取りで明らかになってきたのは、
国の原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」に照らせば、広島市は「一時移転」の対象区域になっているにもかかわらず、
また、政府の「エネルギー基本計画」によれば、原子力災害に対する防災計画の立案・実施は、地方自治体が第一義的に責任を持つべきもの、となっているにもかからわず、
広島市が、原子力災害から市民を守るという責務について、当事者意識を完全に欠いているということです。

ただし、私たちが望むのは、広島市による伊方原発3号機苛酷事故に対する防災計画立案ではありません。

伊方原発3号機再稼動に対する明確な反対の意思表示です。
原発苛酷事故に対する有効な「防災計画」など存在し得ません。
伊方原発で苛酷事故が発生するということは、その時点で、広島市の都市としての生命が終わるということです。
その時点で、広島市民はすべてを失ってしまいます。


【12月議会での採決提案へ】
この請願は「継続審査」となっています。
一方、来年には広島市議会の解散・議員選挙が予定されています。
このまま採決を求めないままでいくと、この請願は結局、市議会解散とともに取り下げを求められることになります。

そこで、解散になる前に、広島市12月議会でこの請願について採決を行っていただきたいという私たちの意向を紹介議員さんにお伝えしました。
これを受けて、12月議会の「経済観光環境委員会」で、紹介議員で経済観光環境委員会所属の月村俊雄さんが、この請願について、採決の提案を行ってくださることになったわけです。

現在の広島市議会においてこの請願が採択される可能性―それ以前に、採決を行うことになるという可能性は、残念ながらあまり高いとは言えませんが、
ぜひ、多数で傍聴に行き、月村俊雄さんの採決動議に、経済観光環境委員会所属の議員さんたちがどう答えるのかを見極めたいと思います。
広島市議会の姿勢も、これまでの広島市当局の姿勢と同様のものなのか?
それとも、広島市議会は、広島市民の生存権を守ろうとする姿勢を示してくれるのか?

ちなみに、現在、経済観光環境委員会に所属している議員さんは、次の方々です。(敬称略)

竹田 康律(委員長)(安佐南区/市政改革ネットワーク)
山路 英男(副委員長)(東区/自民党)
宮崎 誠克(佐伯区/自民党)
豊島 岩白(西区/自民党・保守クラブ)
安達 千代美(安佐南区/公明党)
熊本 憲三(安芸区/自民党)
佐々木 壽吉(東区/自民党・保守クラブ)
酒入 忠昭(南区/市民連合)
月村 俊雄(西区/市政改革ネットワーク)

第53回伊方原発再稼働を止めよう!2014年11月1日報告

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▼第53回
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141101.pdf

第53回伊方原発再稼働を止めよう!
2014年11月1日(土)15:00~16:00

みなさま

11月1日(土)第53回伊方原発再稼働を止めよう!
元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

▽チラシは、こちらです。
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141101.pdf

チラシのタイトルは、「伊方原発再稼動は四国電力経営問題 広島市民は四電と心中するわけにはいかないのです」。
「原発がないと電気が足りない」というのも、「原発の電気が安い」というのも、真っ赤な嘘であり、原発再稼働問題は電力会社の経営問題だということを、データに基づいて示しています。
今回のチラシでは、愛媛県銀行協会元常務理事の宮内一彦氏の勇気ある発言も紹介しています。
ぜひお読みください。

6名が参加。4名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

▽原田

伊方原発で苛酷事故が起これば広島市はゴーストタウンに
広島市から100キロのところに伊方原発という原子力発電所があります。
四国電力の原子力発電所です。
ここには、狭い敷地の中に現在も、600トン以上の核物質が溜め込まれています。
広島原爆のおよそ1万倍くらいの量です。
しかも、この伊方原発が建っているところは、巨大地震に襲われる可能性が非常に高いところです。

伊方原発で事故が起こった場合には、海を渡って放射能が広島に押し寄せて来る、まあ、当然のことです。
この前の福島原発事故のときも、谷沿いに放射能がどんどん流れていきましたけれども、瀬戸内海というのは大きな谷と言ってもいいですね。
伊方原発が巨大事故を起こし、この広島市を人の住めない町に変えてしまう、この可能性は、決して小さなものではないです。
そういうことがもうわかっています。
しかし、今、伊方原発は、再稼働に向けて準備が進められています。

なぜ、こんな危ない原発を動かそうとするのか。
動かさなければいけない理由があるのだろうか。
原発がなければほんとに電気が足りないのだろうか。
ということなんですが、
それについて、今日は、調べたチラシをお配りしております。

◆原発がなくても電力供給は十分

伊方原発を再稼働するのは、原発を動かさないと電力が足りないからではありません。
2013年度、四国電力は311億kWhの電気を供給しています。
しかし、四国電力が自分の会社の設備で発電している発電量というのは、実は199億kWhでしかないんです。
じゃあ、残りはどうやって調達しているのかということなんですけれども、これは、実は、四国電力管内の、四国電力以外の、発電を行っている会社、例えば電源開発とか、そういう会社から買い取って売っている電力、これで十分に電力が賄えている。
それがおよそ、四国電力が供給した電力の36%、40%に近い量になっています。
実はもう、電力の供給を行っているのは、四国電力だとか中国電力だとかいった電力会社だけではなく、それ以外の発電事業を行っている会社が非常に大きな割合を占めてて、それで十分に電力の供給が足りている。

◆原発で安い電力が供給できるというのも真っ赤な嘘

しかも、そうして電力会社以外の事業者が発電している電気のほうが実は、安いんです。
四国電力は、電源開発などから、大体単価1kWhあたり7円くらいで仕入れて、それを20何円で売っている。
そういう状況です。
ですから、原発がなければ電力が足りないということはまったくなく、また、原発がないと電気が高くなる、これもまったくの嘘だということがわかります。
今お配りしているチラシに、データにもとづいてそこがきちんと説明してありますので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

◆原発再稼働は四国電力の経営問題

じゃあ、なぜ四国電力がそんなに、広島市民にとって大きなリスクでしかない伊方原発を再稼働させたいのかということですが、これは、原発を再稼働しないと、四国電力の経営にとっては非常にまずいことが起こってしまうわけです。
四国電力の現在の純資産は、2874億円です。
ところが、それに対して、四国電力の原発固定資産が占めているのが1079億円、また、なんと、使用済み核燃料というのも資産に計上されていて、これが1396億円。
つまり、四国電力の純資産2874億円に対して、原発固定資産と使用済み核燃料だけで2475億円、非常に大きな部分を原発の施設と使用済み核燃料が占めている。
だから、原発をやめてしまうと、これが資産でなくなってしまう。
そうなると、どういうことが起こるかというと、四国電力は一気に、債務超過に陥ってしまう、ということです。
これはまあ、四国電力にとっては、倒産ということを意味してしまうということです。
だから、四国電力にとっては、原発は再稼働してもらわなくてはならない、そうしないと、まあ、四国電力の死活問題になるということです。

だけど、私たちが、その四国電力の倒産を避けるために、すべてを失わされていまうなんて、ちょっと冗談じゃないです。
四国電力の経営問題と私たちの生存権問題を同列に並べるなんて、冗談じゃないと思います。
皆さんはいかがお考えでしょうか?

▽じゃけえさん

◆ 「原子力災害緊急事態」下で進められる原発再稼動

3・11まで、原発は事故を起こさない安全でクリーンな発電方法ですと謳い、原発は稼働されてきました。
そんな中で、福島第一原発事故は起こりました。
そしてその福島第一原発事故は、今も収束していません。
日本は現在、2011年3月11日から、「原子力災害緊急事態宣言」発令中です。
日本は、原子力災害の緊急事態宣言の中にあります。
今も放射能が放出され続けています。
通常だったら漏れてはいけない量の放射能が今も放出され続けています。
そんな中で、福島第一原発事故の収束のないまま、再稼働が進められています。
今の日本では、原子力規制委員会が作った規制基準に適合していればその原発の再稼働を進めるとしています。

◆「規制基準」は安全を保証するものではない

私たちが住む広島市から一番近い、100キロの位置にある伊方原発も、再稼働が進められています。
3・11以降作られた、原発再稼動のための新しい規制基準は、「原発は事故を起こす」ことが想定されて作られた基準です。
規制基準に適合しているからといって、けっして「事故を起こさない安全な原発」ではありません。
「事故を起こさない」と、誰も保証してくれてはいません。
「原発は事故を起こす」ものです。

◆ 伊方原発で苛酷事故が起これば広島市は「避難」

伊方原発で事故が起これば、どうなるのか?
原子力規制委員会が、日本全国にある各原発で、福島第一原発並みの苛酷事故が起こった際、放射性物質がどのように拡散するのか、シミュレーションを公表しています。
そのシミュレーション結果によると、もし伊方原発で福島第一原発並みの苛酷事故が起こった際、広島市は1週間で4ミリシーベルトの実効線量になります。
1週間広島市に滞在し続けると、4ミリシーベルト被曝するということです。
とても人が住める線量ではありません。
1週間4ミリシーベルト、現在の福島第一原発敷地内の線量に相当する線量です。
伊方原発がもし再稼働されて、もし福島第一原発事故並みの苛酷事故が起これば、私たちは、広島市から避難しなくてはならなくなります。
避難して、もう帰って来ることができなくなってしまいます。

◆黙っていることは再稼働・避難を認すること

3・11以降、日本では、「原発は事故を起こすもの」になりました。
現在の法体系では、「原発地元の住民の理解と賛同が得られなければ、その原発の再稼働は認められない」ということになっています。
福島第一原発事故で、「原発は事故を起こすもの」ということが明白になってしまったからです。

では、「原発立地地元」とは、どこを指すのでしょうか?
その原発事故によって被害を被ることが予測できる地域の地元を、「原発立地地元」と言います。
広島市から一番近い、四国の愛媛にある伊方原発で苛酷事故が起これば、私たちは広島市内で生活することができなくなります。
ということは、つまり、広島市は、伊方原発の立地地元です。

その伊方原発の再稼動を、反対の声を挙げずに、黙って容認するということは、「伊方原発で事故が起こってもかまいません。伊方原発で事故が起これば、私たちはおとなしく広島市内を去ります」と言っていることと同じになってしまいます。

◆広島市議会が伊方原発再稼働反対を決議することの意味

去年の9月に、広島市議会に、伊方原発再稼働反対の決議を求める請願を提出しました。
「広島市議会は、広島市民を守るために、伊方原発再稼働の反対の意思表示をしてください」というお願いの内容です。
「伊方原発再稼働問題は、広島市民の生存権問題である」という訴えに対し、広島市当局は、「伊方原発再稼働問題は、エネルギー問題であり、エネルギー問題は国の管轄であり、広島市は国の動向を注視する」という姿勢を見せています。
伊方原発再稼働反対の決議を求める請願は、現在、継続審議中となっており、否決も可決もされていません。
この請願に賛同してくださる方を募集したところ、現在、集計しているだけで、約4900人の方が、この請願に賛同してくださいました。

広島市が伊方原発再稼働反対の意思表示をすることは、大きな影響力があります。
最終的に原発の再稼働の判断をするのは、内閣になりますが、地方自治体の反対の意見を無視することはできません。
もし、地方自治体の反対の意思表示を無視して再稼働を強行するとなれば、これは、明らかな「独裁」になるからです。
私たち一人一人が反対の意思表示をすることで、伊方原発の再稼働は、止めることができます。

◆事実を知り、考えることが一人一人に求められている

私たちは伊方原発の再稼働に反対ですが、それを皆さんに押し付けようとは思いません。
ただ、原発問題について、私たちには「知らないこと」が多すぎると思います。
原発問題を考える際、ぜひいろんな情報を知ってもらって、原発問題を考えてもらいたいというのが、私たちの主な訴えです。
ぜひ知っておいてもらいたいのは、広島市から一番近い原発は伊方原発であるということ、伊方原発で苛酷事故が起これば、広島市内には人が住めなくなるような線量になるということ、原子力規制委員会が作成した再稼働のための規制基準に適合しているからといって、その原発は事故を起こさないわけではないということを、ぜひ知っておいてもらいたいと思います。

原発問題は、私たちの問題です。
そして伊方原発再稼働問題は、より身近な、私たちの生存権問題です。
伊方原発を再稼働して、もし伊方原発で苛酷事故が起これば、私たちは広島市内に住めなくなってしまいます。
これはあまり表立って報道されないことですが、事実です。
公表されている情報です。
ただ、テレビや新聞を見ているだけでは、知りえないというだけで、公表されている情報です。
ですから、伊方原発が再稼働されても、伊方原発が再稼働されて事故が起こっても、「知らなかった」では済まされません。

▽哲野

◆愛媛県銀行協会元常務理事 宮内一彦氏の発言

広島から最も近い原発が四国電力伊方原発。
わずか100キロのところ。
これが危険な原発であるということ。
このことを皆さんにお伝えしながら歩いてるんですが、100km離れた広島の我々がこうやって大騒ぎしているわけですけど、愛媛の人はいったいどうなんだろうか。
例えば人口50万人の松山市は、伊方原発から大体50km圏です。

で、今プラカードにご案内してますけども、愛媛県銀行協会元常務理事だった宮内さんという人が、『愛媛経済レポート』、これは広島で言うと、ご存知の方、いらっしゃるかどうかわかりませんが、『広島経済レポート』という業界紙、経済紙、経済界の人が目を通すような週刊雑誌があります。

そこに、宮内さんが一文を書いてます。
元銀行家、伊予銀行の出身ですから、やっぱり四国電力や地元経済界、1年間に28億円も交付金がやってくる伊方町、ここらへんにも十分な理解をした上で、宮内さんは、「命は金では買えん」その文章の最後に、「遅きに失しているが、原発は、即刻すべて廃炉にすべきである」。
これ、反原発の人が言っても、何の効き目もありませんが、元銀行家の宮内さん、しかも、伊予銀行出身。
伊予銀行と言えば、広島で言えば、広島銀行です。
そこの経営幹部の一人だった人が、「やっぱり原発は即刻廃炉にすべきだ。人間の命は金では買えない」、こういう主張を、これは今年の7月に公表された記事ですけれども、今お配りしてるチラシに記事を引用していますし、ご覧いただいているプラカードにも一言書いておりますが、元銀行家、地元の有力銀行、伊予銀行出身の宮内さんが、「やっぱり、命は金では買えない。原発は、即刻、すべて廃炉にすべきである」。
こういうことを、地元経済界の人たちも言い始めた。
おそらく、宮内さんは、この文章を公表するに当たっては、相当な勇気と覚悟を持ってやったと思います。

私たちに、なかなか、地元の「本音」は伝わってきませんが、宮内さんがこういうことを言い出したという以上、やはり、愛媛の人たちも、本気で心配をし始めた。
私たちが、100km離れた私たちが大騒ぎをしている以上に、愛媛の人たちは、深刻に、伊方原発の再稼働を心配し始めている。
こういうことだと思います。

今、愛媛の人たちの話をご紹介いたしましたが、実は、広島の経済界、もののわかった人たちの中にも、「原発はいかんなあ。これは廃炉にせんにゃいかんなあ」という声があるのも知っております。
ただ、これを言うには、社会的に影響力があればあるほど、相当、覚悟と勇気が要る。
もののわかった人たちの間では、「原発はやっぱり廃炉だ」ということは、今、共通認識になりつつあるのではないかと思います。
どうか皆さんも、もののわかった人間の一人になっていただきたい。

愛媛の現地でも、そろそろ、「原発は廃炉。伊方原発再稼働などもってのほか。廃炉にしなきゃいかん」という声が挙がり始めていることを、どうか、頭の片隅に留めておいてください。

▽佐藤

◆伊方原発からのトリチウムによる瀬戸内海汚染

伊方原発をはじめとして、原発というのは、事故を起こさなければ放射能を出さないとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんけれども、実は、原発は、事故を起こさなくても、大量の放射能を放出し続けます。
特に、広島市から100キロの伊方原子力発電所、愛媛県の佐田岬半島に、瀬戸内海に向かって建てられている原発ですが、伊方原子力発電所は、トリチウムという放謝性物質を、非常に大量に放出し続けて来ました。

今、福島原発事故からのトリチウムの放出が問題になっていますけれども、伊方原発は、今、稼働を停止していますけれども、稼働していたときは、毎年だいたい50兆ベクレルのトリチウムを瀬戸内海に放出し続けてきました。
しかし、2011年度に運転を停止して、その翌年の2012年度の放出は、年間18兆ベクレルくらいに減っています。
稼働していたときに比べると、半分以下に減っています。
この減った量というのが、だいたい事故を起こした福島原発が、27ヶ月で放出したトリチウムが40兆ベクレルですから、だいたい、事故を起こした福島原発並みの放出量に減っています。
ということは、広島から100キロの伊方原発、ふだんの運転をしているときは、今、事故を起こした福島原発から出ているトリチウムの倍以上のトリチウムを、毎年、瀬戸内海に放出し続けているということです。

トリチウムというのは、「微弱な放射線なので、人体への影響はない」というふうに、電力会社、推進する方々は、これまで説明してきましたけれども、これには大きな疑いがあります。
トリチウムを大量に放出する重水炉という型の原発を持っているカナダやイギリスでは、原発周辺で、多くの健康被害が起こっております。
子どもの白血病の増加や、新生児の死亡率の増加など、いろいろな現象が起こっております。

それについての研究も、実は、進んでおります。
トリチウムは、放射線としては微弱かもしれませんけれども、水素の同位体ですので、水素と同じように、人間の細胞の中に摂り込まれて、そこでいろいろな害をもたらします。
ですから、瀬戸内海の環境を守るためには、伊方原発は、稼働させてはいけないということになると思います。

▽網野

◆原発問題に無関係な人は誰一人いない

広島から一番近いのは、島根原発ではありません。
島根原発までは135キロです。
広島から一番近い原発は、100キロの位置にある、四国電力の伊方原発です。
愛媛県の佐田岬半島、四国の西側にちょっと突き出た半島があります。
その付け根にあります。
まだ島根原発のほうは中国山地があって屏風になりますから、放射性物質が拡散しても、まだ、山で防げますが、伊方の場合は、まったく遮るものがありません。
こないだの土砂災害、豊後水道のほうからやってきた雲が、広島に雨を降らせましたけれども、あのコースで来られると、伊方原発から放出された放射能を含んで広島に雨が降るという、こういう位置関係にあります。
で、瀬戸内海に向かって建っていますんで、ここから放出された、液体で放出された放射能も、半閉鎖水域である瀬戸内海に流れます。

広島から一番近い原発でもし苛酷事故が起こったら、私たちはどういうふうになるのかというのが、調べてまとめたチラシをお配りしておりますので、もしよろしければお手に取ってご覧になってみてください。
伊方原発がもし再稼働して、もし苛酷事故を起こしたら、どうなるのか、というシミュレーションを、ほかならぬ原子力規制委員会が公表しています。
皆さんもインターネットで検索をすれば、原文をご覧いただけます。
それによると、広島は4.32ミリシーベルト、1週間でですね。
1週間で4.32ミリシーベルトというすごい高線量の被曝をすることになり、当然これは「避難」です。
「避難」の対象になっております。
私たちはたかだか一電力会社の四国電力のために、ふるさとを捨て、生活を捨て、財産を捨て、逃げなきゃいけないということになっています。

「避難」の対象になるという可能性が示された上で再稼働を認めるかどうかというのが、今広島市に突き付けられている課題です。
それでいいのかというのが、みなさんの一人一人に問われております。
残念ながら、今そういう状態だということも、ぜひ認識しておいていただければと思います。
「知らなかった」は残念ながら通用しません。
この資料は公表されています。
そのことについて私どもなりに調べたチラシをお配りしております。
よかったら、私どもの配っているチラシも、判断材料の一つにしていただければと思います。

無関心でいることはできますけれども、無関係な人は誰一人としておりません。
残念ながら、原発の問題は私たちの生存権問題にかかわりますんで、誰も無関係ではいられません。
一人一人の社会人が、一人一人が社会人として考えるべき問題になっちゃったっていう、非常に残念ですけど、遊んで暮らしたいのは山々なんですが、残念ながら私たちは政治に無関心でいるということはできなくなりました。
ぜひ皆さん、皆さんがどうするのかというのは、皆さんが決める問題で、誰かが決めていい問題ではありません。
私たち一人一人が、どういうふうな世界にするか、どういう日本にするかっていうのを考える中で、これは決められる問題で、どうか、考える材料の一つにしていただければと思います。

第54回伊方原発再稼働を止めよう!2014年11月22日報告

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▼第54回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141122.pdf

第54回伊方原発再稼働を止めよう!
11月22日(土)15:00~16:00

報告ができ次第アップします

第52回伊方原発再稼働を止めよう! 10月11日報告

10月11日(土)第52回伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

▼第52回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141011.pdf

この回は、「原子力規制委員会の要求に頑強に抵抗する四国電力」というテーマでチラシを作成しました。
サブタイトルは「中央構造線断層帯をめぐるやりとり -疑われる四国電力の安全文化-」。

この時点では原子力規制委員会は四国電力の「震源を特定して策定する基準地震動」にOKを出していませんでしたが、
2014年11月7日の第156回の審査会合では、「震源を特定して策定する基準地震動」については650ガルでおおむね了承するようなことを言っています。
やんわりと厳しい指摘をする島崎委員が不在となって、原子力規制委員会は気のせいか精彩を欠いているように感じられます。
反対に、四国電力の担当者は、9月12日とは打って変わってご機嫌そうです。
しかし、広島市民としては、このままでは四国電力との心中を余儀なくされるのでは?という不安が大きくなるばかりです。

この次の回の11月1日(土)第53回伊方ウォークのチラシのタイトルは、
「伊方原発再稼動は四国電力経営問題 広島市民は四電と心中するわけにはいかないのです」でした。
追ってご報告させていただきたいと思います。

5名が参加。4名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

原田二三子

◆中央構造線地震動をめぐる四電と規制委員会のやりとり

伊方原発は、広島市から南南西にちょうど100キロの所、愛媛県の佐田岬半島の中ほどに建っている、広島市から一番近い原発です。
今、稼働を停止していますけれども、原子力規制委員会で再稼動に向けての審査が行われております。
原発苛酷事故が起これば、周りの広い地域がゴーストタウンになってしまうってことははっきりしています。
伊方原発がもし苛酷事故を起こせば、この広島市はゴーストタウンになってしまいます。
そんなことがわかっている上で再稼動に向けての準備を行っていること自体が、私たちの生存権を侵す行為ですから、原子力規制委員会というのは非常に矛盾した存在だということができます。
原発苛酷事故が起こることを前提として再稼動を行うための機関ですから、その存在そのものが矛盾しているのは確かです。
けれども、今、伊方原発について、原子力規制委員会でどんな議論が行われているのかを見ておくことは必要だと思います。

今、原子力規制委員会で伊方原発についての審査が行われていますけれども、その中で一番大きな問題になっているのは、中央構造線を震源とする地震の評価です。
中央構造線というのは、中部地方のフォッサマグナと言われる大地溝帯から出発して南九州に至る数百キロの大断層帯です。
そして、この中央構造線断層帯というのは、実は、非常に活発な活断層です。

ちょうど400年くらい前、豊臣秀吉の時代に、この中央構造線に沿って、初めに伊予、つまり今の愛媛県、そして次に豊後、大分県、そして次に関西で、相次いで大地震が起こり、そのときには、できたばかりの伏見城も倒壊してたくさんの人たちが下敷きになって亡くなったという記録があります。
伊方原発は、この中央構造線断層帯のほぼ真上に位置しています。
南海トラフ巨大地震がこれから30年以内に起こることは、もうほぼ確実とされていますが、その南海トラフ巨大地震以上に地震学者などが心配しているのが、この中央構造線断層帯による地震です。

この中央構造線断層帯の地震動評価について、四国電力と規制委員会との間でどんなやり取りが行われているのか。

まず、昨年7月に四国電力が原子力規制委員会に伊方原発の再稼動を申請したときの資料では、この中央構造線について、四国電力はその中のほんの一部、伊方原発のすぐ前面にある54キロの断層帯だけを評価して、伊方原発の基準地震動は570ガルだという報告をしています。
ガルというのは、地震の揺れの大きさの単位です。
これに対して、原子力規制委員会は、四国電力に対して、中央構造線の地震動を評価するのであれば、その短い54キロの範囲だけを評価するのではなく、少なくとも国の地震調査研究推進本部が行っているように、奈良県の生駒山地から大分県に至る480キロの中央構造線が連動して動くときの地震動を評価する必要があるということを言いました。

それ以後、四国電力が行ってきたことは、おそらく、いかにしてその480キロの連動を評価しながら基準地震動を低く抑えるか、ということであったのだと思われます。
規制委員会からそのような指摘がなされたのは昨年の7月でしたけれども、四国電力が再度、地震動の評価を示したのは、10ヵ月後の今年の5月でした。
で、その評価の中で、四国電力は、480キロの連動を評価してみたけれども、やっぱり地震動はたいして大きくならない、基準地震動は今のままの570ガルで十分だという資料を提出しました。
それに対して、原子力規制委員会からは、やんわりとではありますけれども、非常に厳しい指摘がされました。
四国電力が行っている評価というのは、いろんな評価のしかたのいいとこだけを取って、非常に甘く地震動を見積もっているのではないか、という指摘が行われました。

そこで、四国電力は、さらにそれを持ち帰って、4ヵ月後の今年9月、再々度、伊方原発の基準地震動を示しました。
ここでようやく、四国電力は伊方原発の基準地震動を570ガルから650ガルに、少し引き上げました。
しかし、原子力規制委員会は、これでも、四国電力に対しOKを出していません。

できるだけ基準地震動を低く見積もろうとする電力会社に対して、原子力規制委員会の委員から、疑問やいろいろな意見が噴出することは当然のことです。
ところが、そのことに業を煮やした電力会社は、そういううるさいことを言う委員を再任用しないようにという圧力をかけるというようなことも行ったりしているようです。

このやり取りから見えてくるのは、どんなことなんでしょうか?
原子力規制委員会というのはそもそも原発の再稼動のために仕事をしている委員会です。
にもかかわらず、この委員会が四国電力に対してなかなかOKを出せないのは、四国電力の地震動の評価が、あまりにもひどい、あまりにもいい加減だ、ということを示していると思います。
四国電力にとって一番重要なことは、本当に安全を確保するためにシビアな評価をすることでも、科学的で客観的な評価をすることでもなく、3・11前と同じ570ガルという基準地震動の枠内に地震動の評価を収めること、その1点なのだと思います。

どうして四国電力がそうしたいのか、その理由はすぐに想像がつきます。
基準地震動が引き上げられれば、それだけ、原発の建屋や設備の耐震性が要求されます。
基準地震動が上がれば上がるほど、それに対応して、原発の建屋や設備は丈夫なものでないといけません。
ところが、それを確保するためには、いろんな補強工事をしなければいけません。
それには膨大なコストがかかってしまいます。
時間もかかってしまいます。
ですから、四国電力はとにかく基準地震動を低く抑えたい。
その様子が、原子力規制委員会での四国電力と規制委員会側とのやり取りからよく見えてきます。

ここからさらに見えてくるのは、いったい何なのだろうか?
それは、四国電力の経営姿勢です。
原発という非常に危険な設備の審査に関わる地震動の評価を行うにあたって、より慎重な評価を行うことよりも、地震の評価をできるだけ低く抑えることに重点を置いている。
非常に単純化して言えば、「人の命よりも、自社のお金のほうが大切」という、とてつもないエゴイズムだと思います。
このような四国電力の経営姿勢というのは、私たち広島市民にとって、伊方原発のリスクの非常に大きな要素になっていると思います。

伊方原発は、ほんとに危険な原発です。
その建っている場所も危険だし、そこに非常に大量の核物質があるということも危険です。
ウランとプルトニウムの混合燃料を使っているということも危険です。
しかし、それに加えて、伊方原発の大きな危険要素をなしているのは、四国電力の経営姿勢です。
安全よりも、人の命よりも、経営上の都合。
耐震工事をしてコストがかかることを避けようとする。
そのために、地震動の評価を、できるだけ低く見積もろうとする。
そういった四国電力の姿勢です。

◆四国電力経営陣の危険な考え方:「お金をかけずに原発再稼動」

まず皆さんに、広島から最も近い原発は四国電力の伊方原発なんだという事実を知っていただきたい、これが、第一番目の目的です。
先日、この本通りでアンケートをやってみると、だいたい4人に1人くらいの方が、広島から最も近い原発は伊方原発であるということをご存知でした。
ただ、広島市民の一般的な常識には、まだなっていない。

なぜこのことを知っていただきたいのか。
伊方原発は、四国電力が運営してますが、今、再稼動のための原発規制基準に適合しているかどうかの審査中で、適合審査にパスすればまた稼働を始めてしまう、このことを、2番目に知っていただきたいからです。

3番目に知っていただきたいことは、この伊方原発は、事故を起こす可能性を持った、非常に危ない原発である、このことを、3番目に知っていただきたい。
事故を起こす可能性というのは、いろんな角度から論じることができますが、今お配りしているチラシあるいはプラカードにもありますように、この四国電力の場所ですね、場所。
中央構造線という巨大な断層帯が、日本をほぼ真横に横切っています。
過去に何度も地震を起こした、地震の巣みたいな断層帯です。
伊方原発は、この断層帯のほぼ真上に乗っかってる。
なんでこんな所に原発作ったんでしょうねえ?
よりによって断層帯の真上に作るっていうのはちょっと信じられないんですが、まあ、これが建設されたほぼ40年前は、たいして重要ではない、たいして危険ではないと思われていたのかもしれません。
こういう観点から、伊方原発は、もし動いたら、福島原発事故並みの事故を起こしそうだという可能性が高い。
このことを、次に皆さんに知っていただきたい。

もう一つ、伊方原発の危険性は、ちょっと意外なところにあります。
それは、伊方原発を経営する四国電力という会社の経営首脳陣のものの考え方、これ非常に私、危険だと思います。
原子力規制委員会でのやり取りを議事録なんかで読んでいますと、どうやってコストをかけないか、お金をかけないか、お金をかけないで原発を再稼動するか、もう、彼らの問題の中心は、ここに集中しています。
お金はかけたくない、だけど、原発は再稼動したい、こういう意図がありありと議事録の中に読み取れます。
だけど、伊方原発からわずか100キロのところに住む私ども広島市民にとって、問題をこういうふうに考えられるのは、大きな迷惑です。
再稼動するにしろ、しないにしろ、あるいは、伊方原発を動かしたいんならば、絶対に安全とは言わないまでも、これ以上はできないというくらいに、お金をかけて、安全を確保して、その安全も「絶対安全」はあり得ませんけれども、規制委員会が「まあ、しょうがないね」と言う程度の安全は確保して、運転してもらいたい。
ところが、千葉さんという人が社長ですけれども、四国電力のものの考え方は、「いかにお金をかけないか。いかにケチって再稼動するか」。
これをやられたんじゃあ、私ども、たまったもんじゃありません。

で、事故が起こる。
福島原発事故の時もそうでした。
事故が起これば、決まり文句ははっきりしています。「想定外でした」。
「想定外」で済まされてはかないません。
いろんな自然災害の事故とは違って、原発事故というのは、放射能を伴います。
元に人が帰れない。
地震や津波による災害は、落ち着けばまた元に戻って、新しい生活を始めることができる。
しかし、放射能災害は、戻れない。
これが大きな特徴です。
ですから、放射能災害には、復興や復旧はあり得ない。
これは、チェルノブイリ事故が、はっきり示している実例です。

そんなものが広島から100キロの所にある。
しかも、それを経営している四国電力の経営陣のものの考え方は、事故を起こさないことよりも、いかにお金をかけないかのほうに集中している。
こういう状態が、今、伊方原発を取り巻いている状態です。
まず、このことを、私たち広島市民がしっかり知っておかなきゃいかんでしょう。
こういうことを知らないで、広島の長期計画であるとか、防災計画であるとか、こんなものを作ってみても、一発事故が起これば、全部吹っ飛ぶ話なんですから、私たち広島市民がこのことをしっかり頭に入れておく必要があると思います。

◆伊方原発事故で広島市民が失う有形・無形の財産

伊方原発で事故が起こったとしましょう。
原子力規制委員会のシミュレーションでは、広島の被曝線量は、1週間に4ミリシーベルト、これは「避難」の対象です。
つまり、私たちは「避難」しなければいけません。
避難して、どこに逃げるかという問題はもちろんあるんですが、先ほども申しましたように、もう帰れない。
例えば、4000万円出して、マンションを買った人も多いと思います。
まだ返済が20年分残っている。
だけど、そのマンションの資産価値はゼロです。
今、福島県で、住宅価値、資産価値というところで調べると、福島原発事故で大きな被害を受けた大熊町や双葉町は、実は、資産価値が表示されていません。
つまり、人が住むことができないので、資産価値ゼロの評価になっています。
同じような事態が、伊方で事故が起こり、申し上げたように、広島が「避難」をしなければならない状況になったとき、福島原発事故で起こっているような資産価値ゼロという状態が、また必ず起こります。
4000万円で20年ということは、最初は金利ばっかり払いますから、3000万円くらい残っているでしょうね、多分。
じゃあ、銀行は、この3000万円のローンを棒引きにしてくれるかというと、資産はゼロになりますが、銀行からのローンは残る。
こういうふうな危険がある中で、私たちがどうやって生活の設計をしていけばいいのか。
これ、不可能ですね。

今、本通りでこうやってお店を開いておられる方々、本通り商店街っていうのは、きわめて長い長い伝統を持ちます。
同じ場所で長いこと商売をやっておられるから、固定客もしっかりついています。名前も知れてる。
つまり、本通りでお店を出しておられる方々は、一軒一軒、無形の資産を、大きな資産を持っておられる。
「のれん店」とか言います。
原発事故が起こる。
そこに人が住めなくなる。
こうした無形の、お金では買えない無形の財産もいっぺんに吹っ飛ぶ。
こういう状況の中では、私たちは安心して暮らせない。
それでなくても心配することはいっぱいあるんですけれども、一番大きな心配事になっていくはずです。

それが、一番大きな心配事になっていないのはなぜか。
単純です。
皆さんの多くが、この事実―広島から最も近い原発があって、それが再稼動申請中で、そしてそこの経営陣がきわめて危ないコスト優先の考え方を持っていて、この原発が中央構造線の真上に乗っている、そしてもし苛酷事故が起これば、広島市内は1週間で約4ミリシーベルトの被曝線量、これはもう避難の対象―こうした一個一個の事実を、ご存知ない。
これを知らないから、皆さん安心しておられる。

しかし、この事実を知れば、安心して暮らすというわけにいきません。
いろんな大きなリスクが、それでなくても心配事の多い私たちの生活の中で、最大の心配事が出てくる。
そうすると、今私たちがここで歩いて主張しているように、伊方原発なんか止めてしまってちょうだいよ、と、こんな危ないもの動かさないでよ、と、単に動かさないだけでなくて、もう廃炉にしてちょうだい、と、こういうふうに主張したくなるのはわかっていただけると思います。
ですから、おせっかいにもこうやって歩いてお話ししているのは、この事実を知っていただきたい。
もしこの事実を皆さんがしっかり知れば、私たちと同じように、伊方原発止めてちょうだい、伊方原発廃炉にしてちょうだい、と、こういう主張になられるものだと信じております。
そういうことを皆さんにお伝えしたくて、こうやって歩いております。

◆原発の「避難計画」を立てるという人命軽視

皆様、8月20日の安佐南区の災害は、ほとんどの人が、あれほどの大雨が降るとは予測していなかったと思います。
それほどの大雨が降って、土砂災害が起きてしまいました。
一方、広島から100キロしか離れていない所に伊方原発というのがありますが、ここでは、南海トラフ大地震というものがこの先何年かのうちに必ず起こるであろう、きわめて高い確率で起きる、というふうに、専門家が予想しています。
この間の大雨は、予測がその前にはありませんでした。
しかし、この南海トラフ地震というのは、はっきりした名前がついて、はっきり起こるというふうに予測されています。

たいていの人は、福島で起こったようなことが広島でも起こる可能性があるとはあんまり考えていないと思います。
原発のことはあんまり考えないで過ごしたい、新聞などで言っているようにアベノミクスで景気がよくなってそれで自分たちの生活が今より少しでもよくなればそれでいい、というふうに思っている人が多いと思います。
「原発の再稼動がされようとされまいとどっちでもいい」
「今のところ、広島は今まだ大丈夫なんだし、大地震が起こるというふうに決まったわけでもない」
「ああいう大きな地震が東北で起こったんだから、またたてつづけに起こるっていうふうにはあまり考えられない」
「自分の生きている間に、起きなければまあいい」とか。

それに、毎日、仕事や生活に忙しい。
「福島の人々のことは気の毒だとは思うが、原発事故のことばかり考えているわけにはいかない」
「それよりも毎日の仕事や生活のほうが大事だ」
そう思っている人が多いと思います。

しかし、実際に原発事故が起きてしまったら、その、大事にしている日々の仕事とか生活とか、それが一気に奪われてしまいます。
そして、不自由な避難生活を強いられます。
私たちが今真っ先にすべきことは、私たちの仕事や生活を奪うかもしれない原発の再稼動をやめさせることです。

この狭い日本で、福島のような事故がまた起きたら、日本に住む所がなくなってしまうかもしれません。
二度と事故を起こしてはならないというのが、誰も異論はないところだと思います。

しかし、国や自治体は、事故が起きたときの「避難計画」というのを策定し、ヨード剤まで配っているところもあります。
すごく用意がいいのです。
用意がいいということは、また事故が起きるかもしれないということを十分視野に入れているということです。
これはかなりおかしいことだと思います。
また事故が起きるかもしれないのであれば、原発は止めなければならないはずです。

今、原発が動いていませんが、火力などの電力で十分にまかなっています。
私は、この「避難計画」という言葉を聞くと、他の自然災害とは違って、ほんとに私たち市民の生命が軽んじられているような感じがします。

土砂災害の後では、危険区域の避難計画とか連絡網とかいうのが回覧で回ってきました。
しかし、広島からわずか100キロの伊方原発で事故が起きるかもしれないということについて、広島市民には何も知らされていません。
広島市が、事故が起きたら、放射能の影響を被るのは目に見えています。
私たちは自分の命を自分で守るしかないということでしょう。

だから、一人でも多くの人に、伊方原発が広島からそう離れてないところにあって、それが再稼動ということになったら、いつなんどき原発事故が起きるかもしれなくって、そうなったら何もかも捨てて避難しなければいけなくなるということを知ってほしいのです。
再稼動を止めないと、常に危険と隣り合わせて暮らさなくちゃいけないということに気が付いてほしいのです。

◆苛酷事故が起きれば「避難」それを認めるか認めないかは一人一人が決めること

原発問題・再稼動に賛成・反対関係なく、伊方原発というのが広島から一番近い原発、島根原発よりも近い原発であるということを、まず皆さん知っておいていただきたいと思います。
それから、この伊方原発で苛酷事故が起こったらどうなるかということがすでに示されていて、そのデータも出された上で、広島が「避難」になるというシミュレーションを出された上で、今、再稼動が進められているという事実を知っていただきたいなと思って歩いております。
まとめたものをチラシにしてお配りしてますんで、よかったらご覧になってください。
賛成の人なんかに多いのは、この原発の問題は経済的に必要だというふうにご主張になられている方が多いんですけど、経済問題だって言うんだったら、もしここで苛酷事故が起こったら、経済基盤も何もひっくり返る、私たちはここで暮らせなくなるということもちゃんと知っておいてから、賛成か反対かというのを決めていただきたいと思います。
また、反対だと言っていらっしゃる方も、いったいどういうふうな進め方で今こうなっているのかというのを、知っておいていただきたいなと思います。

一人一人、今、全く無関係な人はいないと思います。
というのは、私たちここで広島で暮らしていますんで、広島で暮らしてる人間は、社会人として、子どもを守る親としても、考えるべき問題だと思います。
なぜなら、ここでもし苛酷事故が起こったら、広島は「避難」ですよというデータがもう出されています。
それを認めるか、黙っていることで賛成という意思表示をして再稼動させるのか、それとも、私たちは私たちの生活を守るべき権利があると主張して反対するのか、それはもう皆さんのお一人お一人の問題だと思います。

もしよかったら、そういったことを考える材料として、私たちの調べたチラシをご覧になってみてください。
私たちは別に反対とか賛成とかを押し付ける気はありませんし、そういったことはお一人お一人が決める問題だと思いますんで、そういうことを言う気はありません。
ただ、正しい情報をまず皆さんが知ろうとしていただきたい。
知ろうとして、考えていただきたいなと思います。

第51回伊方原発再稼働を止めよう!9月27日

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▼第51回チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140927.pdf

9月27日(土)第51回
広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース 伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

チラシは、こちらです。
 ↓
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140927.pdf

動かなくても危険、動けばもっと危険 伊方原発は118万広島市民の最大のリスクです
・広島市から100km伊方原発の危険
・稼働しなくても危険な伊方原発
・動けば桁違い、苛酷事故のリスク
・稼働すれば事故が起こらなくても拡がる放射能汚染
・伊方原発で苛酷事故が起きたら広島は
・四国電力が伊方原発に固執する理由とその結果

なお、チラシの2ページに「伊方原発は、南海トラフ地震の震源域に建っている」と書いていますが、伊方原発は南海トラフ巨大地震の震源域を示す境界線上にありますので、「伊方原発は、南海トラフ巨大地震震源域ギリギリに位置する」と言うほうが正確です。

5名が参加。3名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

原田

◆自然災害に原発災害が重なるとき

先月の安佐南区・安佐北区を襲った土砂災害で、私たちが実は、沢山の自然災害の危険に囲まれて暮らしているんだということを実感しました。
しかし、その自然災害を引き金として発生する可能性が高いと同時に、その自然災害にさらに比べ物にならない悲惨さを付け加える可能性があるのが、原発災害です。
広島市民にとって最大のリスクというのは、広島市から100キロのところにある四国電力の伊方原子力発電所です。

伊方原発は、愛媛県の佐田岬半島の中ほどに、瀬戸内海に面して、山を背にして建てられている原発です。
大変敷地が狭いというのが特徴で、その一部分は埋立地ですし、後ろの山を削って敷地が造成されています。
そのような狭い敷地に建つ伊方原発には、なんと約800トン(新燃料換算)の放射性物質(核物質)が溜め込まれています。
四国電力のHPを見ると、今、使用済みの核燃料が1422体、貯蔵されているということがわかります。

原子炉内の核燃料や使用済み核燃料として溜め込まれている沢山の核物質が、なんらかの原因で環境中に放出され、それが私たちの被曝の原因になるのが、原発災害です。
使用中の核燃料は非常に高温になっていて、それを絶えず冷却する必要があります。
しかし、例えば地震や津波や人為的なミスによって冷却ができなくなってしまうと、原子炉の中が非常な高温になって爆発が起こり、中にある大量の放射性物質(核物質)が環境中に放出されてしまうことになります。
そのような核物質が、広島市から100キロの伊方原発の狭い敷地の中には、約800トン溜められているということを、知っておいていただきたいと思います。

さらにこの伊方原発は、巨大地震に見舞われる可能性が非常に高いところに建っています。
南海トラフ巨大地震という言葉を聞かれたことは、みなさんおありだと思います。
南海トラフというのは、静岡県から九州にいたる太平洋の底にある深い溝です。
ここを震源として巨大地震が起こることが予想されています。
政府の地震予知連絡会は、これから28年以内にマグニチュード9の南海トラフ地震が起こる確率は60~70%であると予測しています。
つまりもう、ほとんど起こることが確実だと言っていいということです。
その南海トラフ地震の震源域(*震源域ギリギリ)に、この伊方原発が建っています。
そして、愛媛県の予測では、南海トラフ地震が起こったときに、原発が建っている伊方町の最大震度は、震度7になるとされています。

また、中央構造線という長大な活断層がありますけれども、伊方原発は、この中央構造線のほぼ真上に建っている原発でもあります。
ただ、伊方原発は、2011年に稼働停止して、すでに3年くらい経っていますので、その分、中に入っている核燃料も、発熱率が低くなって、それだけリスクは減っています。
もしここでまた稼働を始めると、またこの伊方原発のリスクは、非常に巨大なものになってしまいます。

南海トラフ巨大地震が起こるときに、広島県の想定では、広島市は、最大震度が震度6弱になります。
平地の広い面積で液状化が起こります。
その液状化によって倒壊する建物も沢山あると考えられます。
さらに、最大で3~4mの津波が襲います。
津波が襲うまでには少し時間はありますけれども、倒壊した建物の下で救助を待っている人、そして、津波から逃げ遅れてしまう人も出てしまうことが予測されます。

そのときに伊方原発で原発事故が起こっていたらどうなるのか?
伊方原発から広島市までは、100キロしかありませんから、大量の放射能が南風に乗ってやってきます。
国の原子力規制委員会のシミュレーションでは、伊方原発で福島程度の大事故が起こったときには、1週間で4ミリシーベルトの被曝を広島市は被るということになってます。
これは、1時間あたりに直すと毎時40マイクロシーベルト、今事故を起こした福島原発の敷地の中で観測されるような高い値です。
そのような中に防護服もなく留まるということは、当然、放射線障害を覚悟しなければいけません。
そのような放射性物質が伊方から風に乗ってやってくる。

そのとき、広島市民はどうするのか?
逃げようとする人が、もちろん多くあるでしょう。
だけど、まだ救助されていない家族や友人のことが心配で、広島市に留まろうとする人もいると思います。
けれども、このレベルの放射線になると、国から避難の命令が下ります。
広島市民は、全員避難ということになる。
まだ救助されていない家族や友人がいても、おそらくその人たちを見捨てて、避難しなくてはいけなくなる。
このような状況が、当然のこととして、予測されてくるわけです。

これは考えたくもないことだけれども、考えれば考えるほど、こういうことが起こらざるを得ない、今のままではこういうことが起こらざるを得ないと、私たちは考えています。

◆再稼動反対の意思表示が持つ大きな意味

これからの日本で再稼動される原発は、事故を起こす可能性が十分にあり得ることが前提で再稼動されます。
再稼動のためにつくられた新しい規制基準は、事故が起こることが前提でつくられた基準です。
新しい規制基準に適合していても、決して事故を起こさないわけではありません。
「原発は決して事故を起こしません」と誰も保証してくれてはいません。
原子力規制委員会は、日本全国にある原発が福島第一原発事故並みの苛酷事故を起こした際、放射性物質がどのように拡散されるか、シミュレーションを公開しています。
そのシミュレーション結果によると、広島市内は1週間で4ミリシーベルトの実効線量になります。
避難基準に照らし合わせると、「一時移転」とありますが、とても人が住める線量ではありません。
私たちは、広島市から避難すれば、もう広島市内には帰ってこられなくなります。

それがわかった上で、原発の再稼動に反対の声を上げず、黙って容認するということは、私たちの住む広島市から一番近い伊方原発で事故が起こってもかまいません、伊方原発で事故が起これば、広島市で築き上げてきたものすべてを捨てて避難してもかまいませんと言っていることと同じになってしまいます。

3・11以降、原発を取り巻く環境は、大きく変わりました。
原子力規制委員会は、「地元住民の理解と賛同が得られなければ、その原発の再稼動は認められない」としています。
福島第一原発事故で、原発は事故を起こすものだということが明らかになったからです。

もし伊方原発で福島第一原発事故並みの苛酷事故が起これば、広島市は甚大な放射能被害を受けます。
私たち広島市民は、伊方原発の再稼動に対して発言権があります。
発言権はありますが、再稼動していいですかと、誰も聞きに来てはくれません。
自分から積極的に反対の声を上げなければ、賛成と同じになってしまいます。

去年の9月に、広島市議会に伊方原発再稼動反対の決議を求める請願を提出しました。
広島市民を守るために伊方原発再稼動反対の意思表示をしてくださいという内容の請願です。
共同請願人を募ったところ、約4900人の方がこの請願の共同請願人となってくださいました。
ざっくり数えると100万人都市の広島市民の250人に1人の方が、伊方原発の再稼動反対の政治的意思表示をしたということになります。

この請願は現在、継続審議中となっています。
否決も、可決も、されていません。
継続審議中という立派な名前が付いていますが、ただ棚上げにされている状態です。
現在の広島市議会が解散すれば、この請願も流れてしまいます。

また新たに請願を提出しなければならなくなります。

この請願に拘束力はありませんが、多くの広島市民が伊方原発の再稼動に反対しているという政治的意思表示にはなります。
広島市が原発の再稼動に反対するという意思表示をすることは、大きな影響力があります。
最終的に、原発の再稼動を決めるのは、日本政府ですが、広島市が反対の声を上げているのを無視して原発の再稼動を強行することはできません。
それは明らかな「独裁」になるからです。

◆倒産を避けるため伊方原発を再稼動させたい四国電力

伊方原発をどうしても再稼動させようとしているのが、四国電力という会社です。
じゃあ、四国電力はなんでそんなにまでして、広島市民にとって巨大なリスク以外の何物でもない伊方原発を再稼動させようとしているのか?
これは決して、伊方原発がないと、四国電力管内の電力が足りないというわけでもありません。
四国電力はもともと関西電力に沢山の電力を売っています。
また実は今、日本の電力供給の大きな部分を担っているのは、いわゆる電力会社以外の発電事業者です。
四国電力の管内でも、電力供給の大変大きな部分を、四国電力以外の、発電事業を行っている会社が、実は、担っています。
ですから、供給量は十分です。
また、原発を持っている電力会社の電気料金が高いのは、原発が止まっているせいというより、それらの電力会社の無能経営のせいです。
その証拠に、火力発電と水力発電が主で今のところ原子力発電を行っていない電源開発という会社の電力生産コストは、四国電力や中国電力などのおよそ3分の1にとどまっています。
それと燃料高騰のもう一つの大きな原因は、アベノミクスによる円安です。
それによって、燃料価格が円建てでは大変高くなって、いわゆる「国富の流出」ということが起こっています。
アベノミクスが「国富流出」の最大の原因です。

四国電力が原発再稼動したいのは、原発が再稼動しないと、四国電力は倒産に追い込まれてしまうからです。
なぜかというと、四国電力の純資産のうち、原子力関係の施設や燃料などが占める割合は非常に高いものになっています。
ですから、原発をやめるということになると、これらの資産がすべて資産ではなくなってしまいます。
このことによって、四国電力は債務超過に陥ってしまいます。
普通の企業だったら、もうそれで倒産です。
このことを、四国電力は恐れています。

で、四国電力以外の電力会社はまだしも、効率のいい石炭火力発電所を建設するとかそういったいろいろな企業努力を行って、電力自由化以降も何とかして生き延びようとする道を探っています。
ところが、四国電力は、原発の再稼動しか頭にありません。
そのために、効率のいい火力発電所の建設も怠っています。
しかし、このような四国電力の経営上の都合で、私たち100万の住民の命が危険にさらされる、こんなことは、あってはならないことだと思います。

◆事実を知ることが一番大切

広島から一番近い原発、というのが、みなさんよく「島根じゃない?」って言われるんですけど、島根ではなくて、たった100キロしか離れていない、愛媛県にあります四国電力の伊方原発になります。
島根の場合はここから135キロ、若干ですけれども伊方の方が近い。
それから、広島から伊方原発までは、遮るものがありまあせん。
もしここで事故が起これば、放射能がまともにやってきます。

そして、ここで福島事故並みの苛酷事故が起こったら、どうなるかというシミュレーションが、原子力規制委員会から公表されております。
それよると、広島は避難しなきゃいけなくなるということが、もう数字上で出ております。
出ていますので、これに黙っていると、私たちは、原発苛酷事故が起こった場合、避難してもいいですよ、という意思表示をしたことになります。
みなさんが知っても知らなくても、黙っていれば、それを認めたということになってしまいます。

今現在進められている再稼動は、「リスクゼロは無い」ということは原子力規制委員会が公言していますし、安全性は誰も審査しておりません。
今行っているのは、設備の性能審査であって、規制基準適合性審査というのは安全審査ではありません。

要は、みなさんに今問われているのは、「苛酷事故が起きることを前提として動かします。もし起きたら逃げてください。自分の自己負担でどうぞ逃げてください。それでも原発動かしていいですか?」って訊かれているのが、今の状況です。
ですから、それに黙っていたら賛成になります。

今現在、福島第一原発事故は、まだ収束しておりません。
今まだ、3年前に出た原子力緊急事態宣言は解除されておりません。
新聞やマスコミでは報道しませんけれども、本当だったら原発から出てはいけない核種の放射能は、まだ現在大量に福島原発から出て全国に拡散しています。
そういう状態で原発の再稼動が進められているという側面も、みなさんどうか頭に置いておいてください。

で、今、原発の賛成・反対以前の問題として、まず、何が起こっているのか、どんな資料が発表されているのか、自分たちの立ち位置はいったいどこなのかっていうことを知るために、まず事実を知ることが一番大事だと思います。
放射能の災害は、原発の賛成・反対といった意思に関係なくみなさんに降りかかります。
今一番考えなきゃいけない政治的な大問題だと、私たちは考えています。

◆私たちが支払わされている原発解体費用・電源立地交付金

原発は動いていなくても、電気は足りています。
原発が廃炉になると、電力会社は倒産しますが、私たちが電気が使えなくなるわけではありません。
電力会社が倒産しても、私たちはまったく困りません。
むしろ、原発を持っている電力会社から電気を買わずに済むので、むしろ助かります。
原発は維持するだけでも、お金が莫大にかかります。
そして、使えなくなった後にも、処理するためのお金が莫大にかかります。
処理するためのお金を貯めていますけど、それは建屋を解体するためのお金を貯めているだけです。
原発は、解体しただけでは処理は終わりません。
放射性物質を安全に保管するための資金が必要ですが、その資金はまったく積み立てられていません。
しかも、建屋を解体する資金も積み立て不足となっています。
それが明らかになってきてやっと、どうしようかって議論がされたんですが、原発を解体する費用を、電力コストだから電力料金に上乗せしようということになって、去年の10月から今まで、電気料金に原発解体コストは上乗せされて料金を払っています。
さらに、電気料金の他に、電源立地交付金という、発電所が立地してる自治体に納められるお金を、毎月徴収されています。
それは、電力会社が国に代わって電気消費者から徴収し、発電所が立地している自治体に納められます。
あらかじめ使い道が決められて配分される電源立地交付金もあります。
おそらく、箱物の建設に使われています。
それで儲かるのは建設業者だけです。
そこの住民は特に儲からない場合もあります。
原発が動いていませんけど、電源立地交付金は、毎月、私たちが電気料金と一緒に電力会社から徴収されています。
さらに、原子力発電所が立地している自治体は、原発の固定資産税も入っていきます。
発電所が建つと、その自治体はとても潤います。
そのお金は今いったいどこに行ったんでしょうか?

私たちは毎月電気料金を払っています。
電気料金の中に原発を解体する資金も、積立金も入っています。
そして、発電所が立地している自治体に納められる電源立地交付金も入っています。
電気料金とは別に、毎月徴収されています。
私はそういうことを、最近になるまでまったく知りませんでした。
原発問題について考える際、まず毎月徴収されている電気料金のことから知ることもありだと思います。