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伊方原発の「新規制基準適合審査」 8月15日にも

◆原子力規制委員会による伊方原発の審査が進んでいます。

◆8月15日、第9回目の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」が開かれ、「伊方3号機 設計基準への適合性及び重大事故対策の有効性評価について」が議題となっています。
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130815.html

「伊方発電所3号炉 原子炉冷却材圧力バウンダリ弁に関する設計上の考慮」
「伊方発電所3号炉 共用に関する設計上の考慮」
「伊方発電所3号炉 保安電源設備について」
「伊方発電所3号炉 重大事故対策の有効性評価に係る成立性確認 1.(4)原子炉格納容器の除熱機能喪失」
「伊方発電所3号炉 重大事故対策の有効性評価に係る成立性確認 1.(7)ECCS再循環機能喪失」
「伊方発電所3号炉 重大事故対策の有効性評価に係る成立性確認 1.(8)格納容器バイパス」
「伊方発電所3号炉 重大事故対策の有効性評価に係る成立性確認 補足説明資料」
という資料が配布されています。

「伊方発電所3号炉 重大事故対策の有効性評価に係る成立性確認 1.(8)格納容器バイパス」の中では、「蒸気発生器電熱管破損+破損側蒸気発生器隔離失敗」というケースが取り上げられてはいます。

各資料の表紙には、「本資料のうち、枠囲みの内容は商業機密に属しますので公開できません。」という注意書きがあり、実際に多くの「枠囲み」で空白になっている部分があります。

●「重大事故対策の有効性」ということですが、「重大事故」の対策として設置される装置が、何らかの有効性を持っているのは当たり前です。
ですが、それが実際の事故の場合にちゃんと機能するのかどうか、実際に間に合って使えるのかどうかが問題です。
その保証は、どこにも示されていないようです。

8月16日現在の署名数

8月16日現在、「結・広島」に届いている広島市在住の方の請願書への署名数は、159筆です。

お送りくださった皆様、直接お届けくださった皆様、ほんとうにありがとうございます!

カフェ、映画館、CDレンタル屋さん…いろいろなお店にも署名用紙を置かせていただいています。ありがとうございます!

伊方原発の「新規制基準適合審査」

原子力規制委員会では、伊方原発の「新規制基準適合審査」が急ピッチで進められています。
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/index.html#kaisai

◆7月16日には、第1回目の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」が行われ、四国電力も、伊方原発3号機の再稼働申請の概要について説明しています。
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130716.html

◆その後、7月23日の第2回会合、7月30日の第4回会合、7月31日の第5回会合、8月1日の第6回会合で、伊方原発を扱っています。

○第2回会合(7月23日)
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130723.html

「四国電力(株)伊方発電所3号機の申請内容に係る主要な論点」という、原子力規制庁側作成と思われる資料が配布されています。

この資料と当日の議事録を見ると、「基準地震動」の評価が論点となっています。
四電は、伊方原発敷地前面海域の断層群(中央構造線断層帯の一部)のうち54kmだけが動くケースを「基準地震動」として想定していますが、
原子力規制庁・規制委員は、地震調査研究推進本部が想定しているように、伊方原発敷地前面海域の断層群が360km、あるいは430km連動して動くケースを基本ケースとして検討すべきだと指摘しています。

○第4回会合(7月30日)
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130730.html 

「全交流動力電源喪失(RCPシールLOCAあり)」「原子炉補機冷却機能喪失」「原子炉停止機能喪失」というそれぞれのケースについての、「伊方発電所3号炉 重大事故等対策の有効性評価に係る成立性確認」という、四電側の資料が配布されています。

○第5回会合(7月31日)
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130731.html

四電の、「伊方発電所の地震動評価のための地下構造評価について」「伊方発電所深部地震観測に係る工事・調査結果について(詳細データ集)」という資料が配布されています。

○第6回会合(8月1日)
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http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/20130801.html

「2次冷却系からの除熱機能喪失」「ECCS注水機能喪失」というそれぞれのケースについての、「伊方発電所3号炉 重大事故等対策の有効性評価に係る成立性確認」という、四電側の資料が配布されています。


●そもそも、起こり得る災害や、重大事故対策の有効性について、規制される対象である電力会社自身が調査・評価を行っていること自体に問題があります。

●7月16日四電提出資料「伊方発電所3号機 新規制基準への適合性に係る申請について」を見ると、
「地震動評価に影響を及ぼさないことを確認」「安全性に影響を及ぼさないことを確認」「機能を維持できることを確認」「有効であることを確認」と、コピペをしたような表現が続きます。
結論があらかじめ用意された「作文」であるという印象を受けます。
なぜそう言えるのかという、納得できる根拠が、今後示されるのかどうか、監視していく必要があります。

●現実に事故が起こった場合を考えると、いくら「対策」を講じていても、現実にその対策を実施する人員が確保できるのか、その人々が適切に行動することができるのか、ということが気がかりです。
前記の資料を見ると、「重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力」という項目についての伊方3号機における確認結果は、「重大事故に対応するために必要な体制の準備に関して、必要な体制を整備する方針であることを確認」ーーつまり、必要な体制がいまだ整備されていないことを語っています。

●プルトニウム燃料を使うことによるリスク、蒸気発生器細管破断の危険性、使用済み燃料の荷崩れによる再臨界の危険性等についても、どのように評価され、論議されるのか、あるいはされないのか、引き続き厳しく監視していく必要があります。

本通りでウォークを行いました

昨日(8月10日)、広島の本通りで、伊方原発についての広報と署名の呼びかけを兼ねたウォークを行いました。
午後3時に元安橋東詰を出発、本通り、金座街と歩いて折り返しました。
このHPを見て参加くださったと思われる方を含め、5人で歩きました。

広島市から100キロの四国電力伊方原発3号機が、全国の原発に先駆けて、まもなく再稼働されようとしています。

原子力規制委員会の行ったシミュレーションにもとづくと、伊方原発で福島原発程度の事故が起こった場合、100キロのところにある広島市の被曝線量は1週間で4ミリシーベルト、1時間あたりの空間線量率に直すと、40マイクロシーベルト/時となります。
防護服を着ていても、長くは留まれない放射線レベルです。
広島市は、「一時移転」対象地域となります。

「一時移転」と言いますが、広島市民は、生まれ育った、あるいは、先祖代々住み慣れた地を、永久に後にしなければいけなくなるということです。
一旦、原発過酷事故でこのようなレベルまで汚染されてしまったら、一生涯、いやそれどころか数百年間も、ここは人間の住める土地ではなくなってしまいます。

100万の市民が、どこに逃げるのでしょうか?
広島市がこの放射線レベルになるときは、呉市も、廿日市市も、もっとひどい状態になっています。
中国山地を越えて、島根に逃げるのでしょうか?
東日本に逃げるのでしょうか?

現在、「原発重大事故は起こる」ということが前提となっています。その上で、原発の再稼働を行おうとしています。
それで、原子力規制委員会は、原発の「規制基準」の決定・施行を急ぐのと並行して、6月5日には、「原子力災害対策指針」を決定・施行しました。

不条理ではありませんか?
なぜ、私たちは「重大事故は起こる」ことを前提としている原発とともに暮らさなければいけないのですか?
私たちには、「NO」と言う、権利と義務があります。

原子力規制委員会の「規制基準」は、安全を担保する基準ではありません。
伊方原発3号機は、現実に、非常に危険な原発です。

ウラン用につくられた原子炉で、熱エネルギーが格段に大きく、溶融点が低いプルトニウムを使用します。

使用済み燃料プールには、37万本以上の使用済み核燃料が貯蔵されています。
広島原爆で使用された核物質のおおよそ1万倍の核物質が、伊方原発の敷地内に存在しています。

厚さ1.3ミリの数千本の金属細管の中を放射能を帯びた高温・高圧の水蒸気が駆け巡っている「蒸気発生器」というアキレス腱を持っています。

その原発が、南海地震の震源域、中央構造線断層帯という大活断層の直近に建っています。

このようなことをかわるがわる呼びかけ、あわせて、広島市議会への伊方原発再稼働反対決議請願への参加を呼びかけました。

チラシを差し出すと手を引っ込める方も多かったのですが、特に、中年以上の男性が、多く関心を示しているような印象を受けました。
雰囲気ではなく、現実に、「やばい」ととらえる人は多くなってきているのかもしれません。
福島原発の現状を含め、現実に、日本は非常に危険なところに差し掛かっていると思います。

原田

100キロ空間線量率40μSv/hの目安

ファイル 9-1.jpg

伊方原発がもし苛酷事故を起こしたら、という原子力規制委員会のシミュレーションで100km地点は実効線量4mSv。
空間線量率に換算すると40μSv/hになります。
40μSv/hがどれくらい酷いものか、目安になるのが福島第一原発敷地内の空間線量率です。
当の原子力規制委員会委員すら正門から防護服なしで敷地内に入ることはありません。
ご参考までに。

網野

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