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第59回伊方原発再稼働を止めよう!2015年2月14日

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▼第59回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20150214.pdf

<プラカードの説明>
1本目は、定番の地図入りの「広島から一番近い原発 愛媛の四電伊方原発」と
「伊方原発が苛酷事故を起こしたら広島は 7日間で4.32mSvの被曝 空間線量率 約40μSv/h 避難(一時移転)の対象」。
2本目は、「関電高浜原発3・4号機 原子炉設置変更許可 でもまだ審査合格ではありません」と
「8.20 広島土砂災害(死者74名)は人災 人災の視点を持たない広島市の危機管理体制の問題」。

第59回伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。
2月14日(土) の15:00~16:00、広島の元安橋東詰めを出発し、本通り・金座街を往復するコースで行いました。

この日は、久しぶりに5人でのウォークとなりました。

チラシはこちらです。
 ↓
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20150214.pdf

タイトルは「関西電力 高浜原発3・4号機 原子炉設置変更許可取得 でもまだ審査合格ではありません」


前日の2015年2月13日、各新聞が高浜原発についての記事を掲載しました。
その前の日の2月12日、原子力規制委員会が関電高浜原発3・4号機の「原子炉設置変更許可」を出したからです。

朝日新聞は『高浜原発 規制委が許可』という見出しで、他紙の『審査合格』という見出しに比べると、慎重な言い方になっています(正しくは「原子炉設置変更を許可」ですが)。
しかし、この記事の中で、原発再稼働の「地元同意」について、「同意の手続きや対象範囲に定めはない」と書いているのは正確ではありません。
「最低でも原発周囲30キロ圏自治体の同意は法的要件」であるということを住民や自治体に認識させたくない電力会社や経済産業省の意向に沿った、よろしくない宣伝になっていると思います。

高浜原発について原子力規制委員会は
「原子炉設置変更許可」を出しただけで、「工事規制認可」も、「保安規制認可」も、「使用前検査」も、まだ行っていません。
原子力規制委員会はまだ高浜原発の「規制基準適合性審査」を終了していない(「合格」していない)のですから、この時点で高浜原発の「地元同意」手続きに入ることはできません。

福島原発事故後の「原発地元自治体」の概念は、福島原発事故前とはまったく変わっています。
福島原発事故後は、「原発は苛酷事故を起こす可能性がある」ということが前提になっており、
原発災害における最後の防護手段は「住民広域避難」ということになっており、
「原子力災害対策指針」では、最低でも原発の周囲30キロ圏の自治体には、原発災害に対する避難計画の策定が義務付けられているのです。


「原発の周囲30キロ圏」というのは、決して十分な広さではありません。
広島市は伊方原発から100キロ離れていますが、伊方原発で福島原発事故並みの事故が起こった場合には、原子力規制委員会のシミュレーションでは、広島市の空間線量率は「1時間あたり40マイクロシーベルト」になります。
「原子力災害対策指針」では、「原発の周囲30キロ圏」外でも、1時間あたり20マイクロシーベルトを超える空間線量率が観測される場合は、1週間以内の「一時移転」=避難を実施するとしています。
伊方原発から100キロの広島市も避難の対象となることは、ほぼ間違いないでしょう。

「1時間あたり20マイクロシーベルト」を1年に換算すると、だいたい100ミリシーベルトになります。
つまり、
「原子力災害対策指針」は、年間
100ミリシーベルトを超えるか超えないかを避難の基準にしているということになります。
言い換えれば、「年間100ミリシーベルトまでだったら、その地域に留まっていろ」、という指針になっているということです。
「年間100ミリシーベルト」の地域に暮らして、大丈夫でしょうか?


ところで、私たちの住む広島市の当局・市議会は、福島原発事故後の変化にまったく対応できていないようです。
昨年の土砂災害も、大元は、危険だとわかっている場所の宅地開発を認めてきたというお金儲け優先・安全軽視の「人災」でした。
「人災」の元を断つ、という発想が求められます。
原発事故についても同じことが言えます。

福島原発事故後は「原発は苛酷事故を起こす可能性がある」ということが前提になっているということも、
伊方原発で福島原発事故並みの事故が起こった場合には広島市も避難の対象となることはほぼ間違いないだろうということも、
広島市当局の意識には、まったく上っていないようです。

さらに、広島市議会で行った私たちのアンケートの結果を、ぜひチラシの11ページでご覧ください。
伊方原発再稼働反対決議を請願するとともに、私たちは議員の皆さんに、とにかく伊方原発の問題について情報を集め、考えてくれることを求めてきたわけですが、一部の議員さん方を除いて、そうしたことをされた形跡はありません。

しっかりしてほしいと思います。
市民の命・財産を守るためにちゃんと仕事をする自治体・市議会であってほしいと思います。

この回については、チラシに手を伸ばしてくれるのは女性や若い子たち、
手を出さないけどプラカードをよく見ているのはおじさんたち、という傾向を感じました。

第58回伊方原発再稼働を止めよう!2015年1月31日

第57回伊方原発再稼働を止めよう!1月10日

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▽街頭アンケート結果

▽第57回チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20150110.pdf

みなさま

2015年最初の第57回伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。
1月10日(土) の15:00~16:00、広島の元安橋東詰めを出発し、
本通り・金座街を往復するコースで行いました。

昨年も何度か同じようなメールを送らせていただきましたが、
原発再稼働は、原子力規制委員会による「原子炉設置変更許可」と、
原発が建っている自治体の同意だけで可能になるわけではありません。
原発再稼働を進める側は、マスコミを動員して、原子力規制委員会の「原子炉設置変更許可」と、
原発が建っている自治体の同意だけで、原発再稼働ができると、人々に思い込ませようとしています。
私たちは、原発再稼働についての法的なしくみについて、正しい知識を持っておくことが必要です。

チラシ6ページには「原発再稼働許可までの法的手続き フローチャート」が、
3ページには「再稼働地元同意の法的仕組み」の表が掲載してあります。
哲野さんと網野さんが複雑な法体系をできるだけわかりやすくフローチャート化してくださいました。
ぜひご参考になさってみてください。

原子力規制委員会の「規制基準適合性審査」とは、
「原子炉設置変更」が許可できるかどうかの審査だけではなく、
その後に「工事計画」が認可できるかどうかの審査、
その後に「保安規定」が認可できるかどうかの審査、
その後に「使用前検査」が行われ、すべてをクリアして
はじめて「規制基準適合性審査」が終了します。
しかし、もちろん、「規制基準適合性審査」は「安全審査」ではなく、
原子力規制委員会の田中委員長が明言しているとおり、
「規制基準適合性審査」に合格したからといって
安全性が担保されるわけではありません。

「地元同意」についてごくごく単純化して言うと、
現在の原発規制基準は「5層の多重防護」を採用し、
第5層は「住民広域避難」を手段としています。
しかし、原発周辺自治体(原発から最低30キロ圏内)が、
広域避難計画を策定しなければ、あるいは、策定した避難計画を実効性なしと判断すれば、
「5層の多重防護」の第5層は成立せず、「5層の多重防護」は崩壊します。
「5層の多重防護」が崩壊すれば、規制基準は崩壊します。
規制基準崩壊を防ぐ唯一の手段は、その原発の再稼働を認めないことです。
(つまり、広域避難計画を周辺自治体すべてが策定し、
実効性ありと判断しなければ、原発の再稼働はできないということです。
そこで再稼働を強行すれば、規制基準自体が崩壊するということです。)

ちなみに、原発周辺自治体と電力会社との間の
「安全協定」は、ここで言う「地元同意」とは無関係です。


伊方原発の原子炉設置変更許可に向けての審査は山を越し、
再稼働の足音が近づいています。


5名が参加。4名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

原田 二三子

〈原田〉
ご通行中のみなさま、商店街のみなさま、お騒がせいたします。
定例の、伊方原発についてお知らせする本通りウォークです。
このウォークも4年目に入りました。
今年もお騒がせいたします。

広島から100キロのところに四国電力伊方原子力発電所という原子力発電所があります。
広島市から一番近い原発です。
伊方原発は、日本中の他の原発と同じように、
今は稼働を停止していますけれども、再稼働に向けて準備が着々と進められています。

伊方原発は、広島市にとっては、実は、最大のリスクです。
国は、この伊方原発で福島並みの事故が起こった場合は、
広島市の被曝線量は、プラカードにございますように、
1週間で4ミリシーベルトになると予測しています。

その場合は、もはや広島市に住民は住むことができません。
みんな避難しなければなりません。
そして、帰ってくることはおそらくできないでしょう。
そのようなシミュレーションを、実は、国は行っています。
その上で、事故が起こる可能性があるということを前提として、
今、再稼働に向けての準備が行われています。

で、ここでぜひ皆様に知っていただきたいのは、
この今の日本では、原発の再稼働をするためには、いくつかの条件があります。
その条件は何なのか、ということを、ぜひ知っていただきたいと思います。
今、お配りしているチラシに、そのことができるだけわかりやすくまとめてございます。

今の日本では、原発は、そうそうたやすく再稼働することはできません。
福島原発事故で、原発は事故を起こすものだということが、
不幸にも証明されてしまったわけです。
今の日本の原発再稼働についての法体系の中では、
実は、原発再稼働に許可を下すのは、私たち国民一人一人です。

これは、決してスローガンといったものではなくて、
今の日本の法体系はそういうふうになっています。

原発は事故を起こす可能性があるということが前提となっているわけですから、
周辺の住民が同意しているかどうか、
周辺の自治体が同意しているかどうかというのが、
現在の日本では、再稼働のための必要条件になっています。

原発事故で避難しなければならなくなる可能性がある地域の自治体は、
すべて、原発災害に対する防災計画を立てなければいけません。
そして、その防災計画が実効性がある、ほんとうに役に立つものだということを、
自治体自身が責任を持ってはっきりと認めなければいけません。
そうでなければ、原発の再稼働は、今の日本ではできない仕組みになっています。

広島から100キロの伊方原発、これも、
広島市の住民をすべて避難させなければならないような
事態を起こす可能性があることが前提になっています。

ですから、広島市が、「伊方原発再稼働は認められない」と、
はっきりと態度を示せば、伊方原発の再稼働は非常に難しくなります。

周辺自治体の責任というのは、今の日本では非常に大きなものになっています。
自治体が、事故を起こす可能性のある原発の再稼働を
認めるか認めないか、はっきりと責任を持って判断を下すことが求められています。

〈重広〉
お騒がせして申し訳ございません。
月2回土曜日の午後、アーケードを、伊方原発について
皆さんに知っていただきたく、スピーチしながら、チラシを配りながら、歩いております。
少しでも耳を傾けていただけると幸いです。
毎回チラシを作成し、お配りしております。
原発問題について考える際、ぜひ参考にしてみてください。

福島第一原発事故が起きてからの日本では、
原発をとりまく状況が大きく変わりました。
それは、原発は事故を起こすものだということが明白になったからです。
事故が起こるということが明白になったので、簡単に原発の稼働はできなくなりました。
最近のニュースや新聞では、あたかも再稼働が
決まったかのような報道がされていますが、
再稼働が決まった原発は、今のところ、一つもありません。

原発の再稼働が、どのように進められるのか、皆さん、ご存知でしょうか?
原発の再稼働を許可するのは、法的に、電力会社ではありません。
原子力規制委員会でもありません。
内閣でもありません。
その地元の同意が必要です。
地元の同意がなければ、その原発の再稼働は許可されません。
その地元で再稼働に一つでも反対という自治体があれば、その原発の再稼働は認められません。

私たちはなかなか知る機会がありませんが、私たちには、原発の再稼働を止める権能があります。
それを知らないまま、原発の再稼働はもう決まってしまったものだと思い込んで、
反対の声を上げなかったら、それは、原発再稼働の同意とみなされます。
黙っていればイエスと同じです。法的根拠になります。
私たちが反対の声を上げれば、それは原発再稼働反対の法的根拠になります。

自治体が一つでも反対の声を上げれば、その原発の再稼働は、止められます。
私たち市民が、自治体に働きかけ、
原発再稼働反対の政治的意思表示を行うことで、
原発の再稼働は止めることができます。
私たちが都合よく言ってるのではなく、
現在の法体系上、そういう仕組みになっています。

私たちが住む広島市から一番近い原発はどこにある原発か
皆さんご存知でしょうか?
四国の愛媛にある伊方原発が、私たちの住む広島市から一番近い原発です。
その原発で苛酷事故が起これば、広島市内は、とても人が住める線量ではありません。
約100キロしか離れていません。
風の流れも、潮の流れも、広島市に向かっています。

原発再稼働のための条件の一つである規制基準に適合しても、
その原発は決して事故を起こさないわけではありません。
決して事故を起こさないという保証は、誰もしていません。
決して事故を起こさない安全な原発は、そもそも世界中どこにも存在しません。
原発は事故を起こすものだということがわかった上で、
反対の声を上げずに、黙って再稼働を容認するということは、
その原発で事故が起こってもかまわないと言っていることと同じになります。
広島市で言えば、伊方原発の再稼働を容認するということは、
伊方原発で事故が起こって、広島市から避難しても
かまわないと言っていることと同じになります。
事故が起こるとわかった上で、再稼働を許可する人がいるんでしょうか?
福島第一原発事故を繰り返すことになるかもしれません。
同じ過ちを繰り返すことは、被災者の方に対して、
とても申し訳ない気持ちになります。

過ちを繰り返さないために、原発問題についてぜひ皆さん考えてみてください。
原発について、私たちには知らなかったことが多過ぎます。
ぜひチラシを読んで、原発問題について考える際、参考にしてみてください。
私からは以上です。ありがとうございました。

〈哲野〉
土曜日の午後、うるさいことで申し訳ございません。
おそらく、歩いておられる中で、広島から最も近い原発が
四国にある伊方原発だということをご存知の方は、
むしろ少ないんじゃないでしょうか?

広島と伊方原発は、直線距離で100km。
ちょうど広島市役所まで、グーグルマップで測ってみると100キロですね。
100キロっていうと、広島市内から福山が道路距離で100キロです。
今、お配りしているチラシ・プラカードに、その位置関係を示してあります。

これが今、原子力規制委員会に向けて、再稼働の申請をしています。
再稼働の申請をしたのは、2013年の7月8日ですから、もう1年6ヶ月経ってます。
で、私、この伊方原発の再稼働審査のゆくたてについて、
非常に興味がありましたんで、ずーっと原子力規制委員会のホームページをあたってます。
これ、みなさん、読もうと思えば、原子力規制委員会の議事録なんかも出ていますので、読めます。

で、何が問題だったかというと、基準地震動、これがずっと問題だった。
基準地震動というのは、地震が来たときに、設計上、その原発が壊れない、その値を、基準地震動。
ガルとかいう単位で表します。
四国電力は、伊方原発の基準地震動を、長いこと、「570ガルでいい」と。
それに対して原子力規制委員会は、「いやそれじゃ危ないよ」と、
「もうちょっと上げてくれよ」と、こういう議論を、実は1年以上も、延々と長々と続けてきました。
これが、伊方原発再稼働審査の一つの大きな山でした。

去年2014年12月12日の審査会合で、ついに四国電力は、
「650ガルの基準地震動にする」と認めましたんで、大きな山場はこれで越しました。
ということは、この後、おそらく、原子炉設置許可が出て、
その後、工事計画、その後、保安規定、それで、検査、という順番で、
多分これまだ1年くらいかかると思いますけれども、再稼働が進んでます。
つまり、この後は、どうも、時間の問題になってきそうだ、と。

今までは、時間の問題ではなくて、金目(かねめ)の問題でした。
どうも、四国電力は、「この金目の問題はしょうがない」と、
「基準地震動を高くして、追加投資を多くしよう」ということで、
トップが決断したようです。
ですから、金目の問題から、今、時間の問題になってきた。
つまり、伊方原発再稼働の足音が、今、近づいてますよ、と、
このことを皆さんにお伝えしたいということで、歩いております。

広島から最も近い伊方原発、わずかに100kmですよ。
原子力苛酷事故にとって、50キロも100キロも実は、そう大して違いがない。
チェルノブイリ事故とか、1957年、ロシアで起こったマヤック核施設事故とか、
福島原発事故とか、放射能を大量に敷地外に放出するようなこういう苛酷事故から見ると、
50キロ100キロというのは、もう大きな違いではありません。

ですから、私たちは、
「伊方原発の苛酷事故という観点から見れば、もう、すぐそばに暮らしているよ」
と考えたほうがいいと思います。
物理的には、100キロ離れてますが、苛酷事故という点から見れば、
すぐそばで暮らしている、こう考えたほうがいいと思います。

さて、ここで問題は、私たちはこの四国電力伊方原発の
再稼働を認めるかどうか、ここだと思います。

街を歩いておられる皆さんの中には、「いや、私たちにはそんな力はないよ」と、
「そういうことを決めるのは、もっとエライ人だろう」と、
「原子力規制委員会とか、政府とか、県知事さんとか、
広島市長さんだとか、そういうエライ人が決めていくんだろう」と、
「私はそんなことは決められないよ」と思っておられる方、けっこう多いと思います。

とっころがどっこい、今の原子力法体系は、そういうふうになっておりません。

原子力災害が起こって、被害を被るのは、私たちですから、
その私たちが「OK、イエス、再稼働しましょう」と同意しなければ、
再稼働ができないような法的しくみになってます。

これ、おもしろいですね。
非常におもしろいしくみ。
調べていくと、非常にややこしくて、わかりにくいんですが、そういうしくみになっている。
このことを、お配りしているチラシに説明しております。
要するに、伊方原発を再稼働させるかどうか、
これは、私たちの一人一人の判断にかかわっている、と、法的にはこうなってます。

次の問題がある。
本通りを歩いておられる皆さん一人一人が、
原発の再稼働を判断するだけの知識や見識を持っているか。
これが次の問題。

法的な定めやしくみは、確かにそうなっている。
私たちが判断できることになっている。
しかし、判断するためには、判断できる能力を持ってなきゃいけない。
知識を持ってなきゃいけない。
見識を持ってなきゃいけない。
みなさん、どうです?
原発の再稼働を判断できるだけの知識や見識を、今歩いておられる一人一人、お持ちでしょうか?
たとえ今持っていなくても、その知識や見識を身につけようと努力されてるでしょうか?
ここが、次の問題になってきます。

ですから、もし、「伊方原発の再稼働をどう思うか、君はどう考えるか」ときかれたときに、
「私は知りません、そんな難しいことはわかりません」、こう言った途端に、電力会社の思う壺です。
電力会社は、実は、皆さんに、そう言ってほしいわけです。
「そういうむつかしいことはみなさんにはわからんでしょう」と、
「私が専門家として判断しますから私の判断についてきてください」。
これが、電力会社が皆さんに示している態度です。

そして今になって思えば、この態度が、福島原発事故を起こしたわけです。

ですから、2回目の福島原発事故を起こさないためには、
私たちが一人一人判断する、それだけの知識と見識を持っているかどうか。
どうかみなさん、ちょっと勉強してみてください。
私からは以上です。

〈網野〉
お休み中のところをお騒がせして申し訳ございません。
私たちは、伊方原発の危険を皆様にお知らせしたくて歩いております。
実は私たちも、まったくのドシロウトですから、
福島原発事故にびっくりして、原発や被曝のことを調べ始めました。
で、広島から一番近い原発が島根だと思ってたんです。
で、島根じゃない。
実は、広島市から一番近いのは、海を渡った愛媛県の、
四国電力伊方原発であるということを知りました。

で、ここで苛酷事故が起こったら、私たちは避難の対象になるような、
「1週間で4ミリシーベルトになる可能性があるよ」という、
放射性物質拡散シミュレーションが、実は原子力規制委員会から出されてる。

広島の危険を知って、「え、これ、こんなことになってるの? 
ちょっとこれ、テレビでも新聞でも言わないから、知らせなきゃ」と思って、
こうやって月に2回、みなさんにお知らせするために、仲間と一緒に歩いてます。

ですから、まず、みなさんに知っていただきたいなと思うのは、
「伊方原発が広島市から一番近い原発ですよ。島根より近い」、
そういうことを、まずみなさん知っておいていただきたいなと思って、
私たち歩き始めました。
どうかこのことだけでもいいんで、知っておいてください。

今からいろんなニュースが出てきます。
いろんな報道があります。
その際、私たちがやっぱり私たちの生活のことを決めていかなくちゃいけませんから、
いろんな政策に賛成したり反対したり、自分なりにご判断なさるでしょう。
そのときに誤まった判断にならないように、
ぜひ、島根よりも広島市は伊方原発が一番近いんだということを知っておいてください。

で、私たちはこの伊方原発の再稼働に反対しています。
なぜかというと、ここで苛酷事故が起こったら、
私たち、ほんとうに身一つ持って緊急避難しなきゃいけない。
「ここで苛酷事故が起こったら、私たちは避難するようなレベルの放射能に、
もしかしたらなるかもしれませんよ」というシミュレーションが、
原子力規制委員会から出されています。
1週間で、約4ミリシーベルトです。
空間線量率に直すと約40マイクロシーベルト/時、
避難基準が20マイクロシーベルト/時ですから、避難基準の倍に当たります。

放射性物質に汚れるということですから、自然災害とは違います。
戻って来られるかどうかわかりません。
空気のほうはまだ、薄くなってしまえば戻れるかもしれません。
しかし、土の汚染、水の汚染、特に海水。
瀬戸内海は半閉鎖水域です。
海水が汚染されたら、もう、多分、海産物は全滅になりますね。
海水の汚染は、太平洋側にあった福島第一原発とは比べ物になりません。
海水の汚染がすさまじいことになります。
こうしたことを考えると、戻って来れるかどうか、わかりません。

しかも、今の再稼働は、苛酷事故が前提です。
「苛酷事故が万が一でも起きることを認めてくださいよ」と、
「この可能性はぬぐえません。決して安全ではありません。
それでも再稼働していいですか」と、今、問われている状態です。

で、法的にも、「いや、それは困る。私たちはそういうふうな、
私たちのふるさとや生活や経済基盤を捨てるようなことは認められない」と、
「それは反対する」と言えば、再稼動を止めることができる、こういう法体系になっています。
つまり、私たち一人一人は、再稼働に賛成するか、反対するか、
実は、権力と能力を持っている、これが現在の法体系です。

テレビ・新聞では、こういったことをみなさまに認識してほしくない。
まあ、黙っていれば賛成になりますんで。
どうもそういうふうな方向で、電力会社の思惑どおりの記事を書いているようです。

でも、現実に政府の資料、国会での資料、原子力規制委員会の資料、
こういったものを調べてみますと、今現在の法体系では、私たちに、
原発再稼働の許可をするかどうか、決める権力と能力があります。

私たちは、私たちのことを守りたいと思って、歩き始めました。
なんで私たちが逃げなきゃいけないのか?
なんで私たちがこの広島を捨てなきゃいけないのか?
なぜ、そういった可能性があるのに、
たかだか電力会社の経営のために、再稼働を許可しなきゃいけないのか?

こういったいろんな思いもありますけれども、
まず、私たちは、私たちのことを、第一に考えるべきだと思います。

今年は統一地方選挙があります。
みなさん、ぜひ、自分たちの生活を守る、
自分たちのことを考えてくれていると思う方に、投票なさってください。
そのときには一つ、伊方原発の危険―どんなに経済が豊かになろうとも
根こそぎ奪われるようなこの放射能災害に「遭ってもいいよ」と
許可を出すような議員さん、選ばないでください。
どんな党にも、ちゃんといらっしゃいます。
これは、別に共産党とか社民党とかじゃないですよ、
自民の中にもちゃんといらっしゃいます。
「これはやめるべきだ。なんで私たちのふるさとを
こんなふうにしなきゃいけないんだ」って怒ってらっしゃる議員さん、いらっしゃいます。
ちゃんと、よく話をしたり、情報を仕入れたりして、ぜひご判断なさってください。
自分のために一番何がいいのかっていうことをよく考えてください。
ぜひそうしていただきたいんです。
すみません、お騒がせいたしました。ありがとうございました。

第11回総会 報告

12月21日(日)の第11回総会の報告です。

日時:12月21日(日) 13:00~16:00
会場:広島市中央公民館 工芸室
参加者:網野 佐藤 哲野 堀江 原田
司会:堀江さん

次回総会の会場は、同じく中央公民館工芸室を予約しましたが、時間は16:00からしか取れませんでした。

1.請願活動の経過報告(原田)

昨年(2013年)9月17日、広島市議会に広島市在住者1542名の連名で請願を提出した。
紹介議員は、田尾健一さん(安佐南区/市民連合)、山本誠さん(西区/市政改革ネットワーク→地域デザイン)、馬庭恭子さん(中区/市政改革ネットワーク)、清水良三さん(佐伯区/市民連合)、山内正晃さん(安佐北区/市民連合)、月村俊雄さん(西区/市政改革ネットワーク)。さらに、先日、共産党の3名が加わってくださった。
「四国電力伊方原発3号機再稼働に反対する広島市議会決議を求めることについて」(受理番号36)として受理され、経済観光環境委員会に付託された。

2013年9月26日の「経済観光環境委員会」でこの請願の審査が行われた。
請願者が趣旨説明を行い(哲野さん)、馬庭恭子さんが質問を行ってくださったが、この問題については、専門的知識・知見を含めて幅広い視点から論議する必要があるということで、「継続審査」になった。

この「経済観光環境委員会」に先立って、当時の委員長の豊島岩白さんが広島市当局の見解を求めた。
それに対して、広島市の「環境局温暖化対策課」が資料を提出した。
そこに示されていたのは「本市としては、原子力発電の再稼働については、国及び関係当事者において判断されるものと考えています」という当事者意識のまったくない広島市の見解だった。

その後、2013年10月16日の広島市議会決算特別委員会で、田尾健一さんが、原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」を踏まえて、四国電力伊方原発が苛酷事故を起こした場合の広島市への影響について、市当局の認識を質した。
これに対して、市当局(環境局温暖化対策課)は、「広島市は即時避難や一時移転対象区域に含まれていない」という、明らかに重大な誤りを含んだ回答をした。
(原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」では、伊方原発で福島原発事故並みの苛酷事故が起こった場合の100キロ地点の予想被曝線量は、めやすとして、1週間で約4ミリシーベルト、遮蔽効果を計算に入れ1時間あたりの空間線量率に直すと約40マイクロシーベルト/時〉となる。
一方、「原子力災害対策指針」では、空間線量率20マイクロシーベルト/時が1週間継続すれば、「一時移転」〈=避難〉の対象、と定めている。)

2014年3月7日の広島市議会予算特別委員会で、田尾健一さんは、エネルギー基本計画の政府案提示を受けて、「原発ゼロ社会実現に向けて、広島市は国への積極的提言をすべきではないか」と市長の考えを質した。
これに対して、市長に代わって答弁した環境局温暖化対策課長は、「エネルギー政策は国が決定すべきもの。広島市は国の議論を注視したい」と答えた。

2014年6月26日の広島市定例市議会一般質問で、田尾健一さんは、大飯原発運転差止命令判決を受けて、「広島市は、明確に原発再稼働反対の表明をすべきではないか」と市長の見解を質した。
これに対して、市長に代わって答弁した環境局長は、「1.福井地裁判決に関しては、国の対応を見守りたい。2.判決の中の人格権についての記述はしっかりと受け止めていただきながら、国民の暮らしと安全を最優先した、責任あるエネルギー政策の立案・実行を国に求め続ける」と答えた。

この請願に関連したこれまでの市議会でのやり取りで明らかになってきたのは、
国の原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」に照らせば、広島市は「一時移転」の対象区域になっているにもかかわらず、また、政府の「エネルギー基本計画」によれば、原子力災害に対する防災計画の立案・実施は、地方自治体が第一義的に責任を持つべきもの、となっているにもかからわず、広島市が、原子力災害から市民を守るという責務について、当事者意識を完全に欠いているということである。
ただし、私たちが望むのは、広島市による伊方原発3号機苛酷事故に対する防災計画立案ではなく、伊方原発3号機再稼動に対する明確な反対の意思表示である。
一方、当初、広島市在住者1542名の連名で請願を提出したが、現在、この請願への参加者数は、4944名(広島市在住の人の数。重複は除いている)となっている。
来年には広島市議会の解散・議員選挙が予定されており、このまま採決を求めないままでいくと、この請願は結局、市議会解散とともに取り下げを求められることになるので、解散になる前に広島市12月議会でこの請願について採決を行っていただきたいという私たちの意向を紹介議員さんにお伝えした。
これを受けて、12月16日の「経済観光環境委員会」で、紹介議員で経済観光環境委員会所属の月村俊雄さんがこの請願について採決の提案を行ってくださることになった。

経済観光環境委員会に所属している議員は次の方々。(敬称略)

竹田 康律(委員長)(安佐南区/市政改革ネットワーク)
山路 英男(副委員長)(東区/自民党)
宮崎 誠克(佐伯区/自民党)
豊島 岩白(西区/自民党・保守クラブ)
安達 千代美(安佐南区/公明党)
熊本 憲三(安芸区/自民党)
佐々木 壽吉(東区/自民党・保守クラブ)
酒入 忠昭(南区/市民連合)
月村 俊雄(西区/市政改革ネットワーク)

経済観光環境委員会は、12月16日午前10時より、広島市議会議会棟3階の会場で開かれた。

当請願については、追加署名が提出されたことと紹介議員が3名増えたことの報告が議会事務局からあった。

そして、月村俊雄さんが発言を求め、この請願について採決を行うことの提案とその理由を述べられた。

これを受けて、採決を行うかどうかについて決を採ることを、議長(委員長)が告げた。
結果は、委員長(竹田康律さん)・副委員長(山路英男さん)を除いて、採決を行うことについて賛成の挙手をした人が1名(月村俊雄さん)、
反対の挙手をした人が5名(宮崎誠克さん、豊島岩白さん、安達千代美さん、佐々木壽吉さん、酒入忠昭さん)、
挙手をしなかった人が1名(熊本憲三さん)で、採決を行わず、「継続審査」ということになった。

「一事不再理」ということなので、当請願は市議会解散まで「継続審査」になる。

2.市議会議員へのアンケートについて(哲野)

52名の議員一人一人に、封筒に入れて質問票を渡した(各会派控え室の受付に託した)。

回収できたのは、12通。
・市民連合 3(+3の可能性)
・市政改革クラブ 5
・共産党 3
・地域デザイン 1

16日に市議会を訪れた際に、各会派を回った。
その結果、自民党は、今田幹事長から、「会派としては、協力できない。その理由は、原発が日本において必要だから」という答えがあった。
自民党保守クラブは、「まったく協力できない」と、谷口幹事長。
公明党は、「回答するとしても、会派でみんなでまとめて回答する。県本部や中央と相談する必要がある」とのことで、公明党の答えを待って、1月末でまとめて公表してはどうか。

この報告を受けて、
・いくつかの会派は、市民との対話を拒否している。これ自体が問題である。
・一人一人の議員が考えを持たない。広島市議会議員は、中央の下請けなのか?
という感想が出た。

3.改選後の市議会への請願活動をどう進めていくか

・次回までに、再度の請願協力のお願いの言葉を考える。
・経過説明も必要。
・4月18日が選挙なので、5月までに次の請願書を用意する。(今度は、4年間という期間がある)

4.中央公民館合同フェスティバルへの参加について

・「被曝」をテーマとしたパネル展示を行う。
・地図や地震の震源地も示す。
・机に関係書籍を置き、来た人に説明する。

総会終了後、受付に、パネル2枚、フック10個、机2つ、白布2枚、椅子3脚などの貸出しを申請した。
参加費300円納入済み。
2月28日朝(と言いましたっけ?)に設営を行う。

5.規約改正の提案

「特定の政党・政治勢力・宗教団体を支持しない」という趣旨の一文を規約に入れる。(次回、文章にする)

6.次回総会・伊方デモ

〈総会〉
日時:1月25日(日) 16:00~18:00
会場:広島市中央公民館 工芸室

〈1月の伊方デモ〉
日時:1月10日(土)・1月31日(土) 15:00~16:00
コース:元安橋東詰(花時計の前)出発~本通り~金座街 折り返し
*1月10日(土)には、16:30~アンケートも行う。

第56回伊方原発再稼働と止めよう!12月27日

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▽第56回チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20141227.pdf

みなさま

たびたびお騒がせいたします。
2014年最後の第56回 広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース
伊方原発再稼働反対ウォークの報告をさせていただきます。
12月27日(土) の15:00~16:00に行いました。

チラシは、こちらです。
 ↓
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20141227.pdf

第56回のチラシのメインテーマは、「伊方原発再稼働、30km圏内自治体同意が法的要件」。
福島原発事故後の原発再稼働の条件、再稼働までの流れについて、まとめてあります。
2014年11月6日の衆議院原子力問題調査特別委員会における菅直人議員の質疑抜粋も載せています。
現在の日本の法体系の中で、原発再稼働はどういう条件を満たす必要があるのか、
ぜひとも知っておいていただきたいと思います。
ぜひご覧になってみてください。

また、5ページには、愛媛県伊予市議会で2014年6月26日に趣旨採択された
「伊方原発再稼働を認めないよう求める」陳情書を紹介しています。
陳情者は稲森時義さんという方です。その「陳情の趣旨」を、お読みいただければと思います。

5名が参加。3名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

どうぞ、よい年をお迎えください。

原田

★哲野

原発の再稼働がいろいろ言われ、近づいています。
鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の川内原発が再稼働の原子炉の設置変更許可を取ったと、
あるいは、福井県にある関西電力の高浜発電所が原子炉設置変更許可書案が出たと、
再稼動が近いんじゃないかと、こういう報道がされております。
広島から100キロメートル離れたところに原発があります。
四国電力の伊方原発といいます。
この原発の再稼働を申請されてもう1年9ヶ月経ちます。
審査も相当煮詰まってきました。
最大の問題も、一応解決するというか、原子力規制委員会と四国電力の間で話が行われております。

で、今の原子力規制委員会の規制基準は、
「原発というのは、苛酷事故を起こすんだ。そのリスクは常にあるんだ」
ということを前提にして審査が行われております。

福島原発事故前の「日本の原発は絶対に重大事故は起こさない。
核燃料が溶けるような重大な事故は起こさない」という
いわゆる原発安全神話に基づいた規制と、
「いや、どんな原発でも苛酷事故を起こす可能性は持っている」
ということを前提にした今の規制基準では、大幅に規制の内容が違います。

かなりハードルが高くなっている。
しかし、この規制委員会の規制基準に合格した、適合したと言っても、
これは絶対安全を保障するものではありません。
これは、他ならぬ規制委員会の田中委員長が、よく記者会見とか国会の答弁で言っております。
これはまあ事実ですから、間違いない話です。
この広い全世界探してみたところで、「うちの原発は絶対事故を起こしません」
と言い切れる原発は、今のところ存在しません。
いかなる原発でも、チェルノブイリ事故や福島事故のような苛酷事故を起こす可能性を持っている。

ここから先、私はおかしいと思うんですけれども、
「そんな可能性を持ってるんだったら動かすな。動かしちゃ困るよ」というのが、
私なんかの感覚なんですが、どうも日本のエライ人は別のセンスを持っているようです。

「苛酷事故を起こすその可能性を持っている」。
「事故を起こしたときにはできるだけ影響を小さくしましょう」。
「放射能も出しますけれども、福島事故並みに起こすようなことはいたしません」。

「絶対そういうことはないんですか」と訊くと、
「いや、それはわからない。万が一、福島事故並みの事故が起こったら、
ちゃんとした防護措置をとります。みなさんが安全であるような防護措置をとります」
と、まあ、こう言ってくれるわけですけれども、
「じゃあ、そのときの防護措置とはいったい何か」とよくよく訊いてみると、それは、
「避難してください。放射能から身を守るために避難してくださいね」と言うのです。
「防護って、それ、避難のことなんですか。放射能から逃げることが防護なんですか」。

どうも日本のエライ人たちの発想は、私たちの発想とは違うようです。
「避難」が、「防護」になるんだそうです。
こういうふうな格好で、今日本では規制基準の適合性審査が行われております。

今仮に、広島から100キロ離れた伊方原発が不幸にして苛酷事故を起こした場合、
周辺地域はどのくらいの被曝線量を浴びるのか。
これ、規制委員会がシミュレーションを出しました。
そのシミュレーションをよくよく読んでみると、
広島市は4ミリシーベルト、4ミリシーベルトって何の数字かわかりませんが、
まあとにかく1週間以内に避難しなきゃいけない、そういうレベルの被曝線量です。

ここでもう私なんかおかしいと思うんです。
そうやって避難しなきゃいけないんであれば、最初から動かしてくれるなよ、
と思うんですが、どうしても原発を動かしたい人たちがいる。
理由を聞いてみると、「いや電気が足りない」と、「原発なしでは電気が足りない」。
あるいは「原発は安いコストなんで、原発で電気代を安くする」と。
実際には安くなってないんですけども。
つまり、「コストの観点から原発を動かす」と。

私なんか、もし万が一のとき広島を避難しなきゃいけない、
長年暮らしたこの町を離れなきゃいけない、
それと引き換えに手に入れる電気、それと引き換えに手に入れる安いコスト、
「これ、何の意味があるん?」と思います。

私は、この町、大好きです。
まかり間違っても原発事故なんかで広島を離れたくない。
この住み慣れた町を離れたくない。
皆さんも同じじゃないですかね?
原発事故で避難しなきゃいけない。
そしたら、「まあそれはやむを得ないね」と言う人は、
おそらく今ここの本通りを歩いている人で、1%もいないんじゃないでしょうか?

「もしそんな危険があるんならば、原発の再稼働なんかはやめてくれ」と。
しかし、四国電力さんは「何が何でも再稼働するんだ」と、
自民党の安倍晋三首相も、「いや、再稼働させるんだ」と、こうやってがんばっておられる。

そりゃあそれなりの理由があるんでしょうけども、
我々の命とか、健康とか、長年築いてきたこの生活と
引き換えにしなきゃいけない再稼働なら、やっぱりやめてほしい。
これ、率直な話だと思います。

もし皆さんが、原発再稼働の問題についてさほど興味が無い、
私には関係ない、お考えであるならば、
これはみなさんがあまりご存知ないからだと思います。
知れば知るほど、「こりゃ、やばいな」というふうになると思います。
広島から最も近い原発、四国電力の伊方原発、
ここで福島事故並みの苛酷事故が絶対に起こらないと、
原子力規制委員会も保証しておりません。
ということは、起こる可能性がある。
そのときに備えて、避難訓練をしてちょうだいね、と、
避難計画も立ててちょうだいね、と、こういうふうな話が流れている。

今、原子力規制委員会の議論の流れでは、広島も原発事故に備えて、
避難計画を持ちなさいという話になる可能性もあります。
要は、この原発の苛酷事故の可能性が万が一にでもあるのなら、やはり、再稼働はしてはいけない。
このことをみなさんに今日お伝えをしたくて、こうやって歩いております。

☆原田

歳末の楽しい土曜日の午後、お騒がせしておりますけれども、
私たちもできることならばこんなことをせずに
ゆっくりお節の準備でもしていたいところです。
しかし、広島市に住む人たちがどうしても知っておかなければいけないことが、
どうも、マスコミからは伝わっていきませんので、こういうことを続けております。
一昨年の夏からずっと続けております。

私たちがお伝えしたいのは、広島市から100キロのところに伊方原発という原発があること。
伊方原発という名前を、どうか皆様、覚えておいていただきたいと思います。
瀬戸内海の向こうにあります。
四国の愛媛県の佐田岬半島という半島の、中ほどよりちょっと付け根に近いところに、
瀬戸内海に向かって建っています。
広島市に大変大きな災害をもたらす可能性のある原発です。
四国の愛媛県の、四国電力の発電所ですので、
中国地方の広島県では、新聞などでもほとんど報道しません。
だけど広島市民にとってはとっても大きなリスクなので、
ほんとうはそういったところはマスコミはちゃんと目を向けて
報道してくれなくては困るんですけれども、その状況はちょっと変わっておりません。

で、この伊方原発で福島並みの苛酷事故が起こった場合はどうなるかということを、
原子力規制委員会という国の機関がシミュレーションを行っています。
それによると、広島から100キロの伊方原発で福島並みの苛酷事故が起こった場合、
広島市の被曝線量は、1週間で4ミリシーベルトになるということがシミュレーションされています。
だいたい、今の別の法令では、一般の人が1年間に被曝することが、
まあ、許されている許容値というのが、1ミリシーベルトです。
ところが、伊方原発で苛酷事故が起こった場合は、
その4倍の4ミリシーベルトという被曝を、広島市民は1週間でしてしまうということです。
広島市はその時点で全住民が、
―「一時移転」という言葉を原子力規制委員会は使っておりますけれども―
二度と帰って来れない避難をしなければならなくなる。

そのようなシミュレーションが行われています。
もちろんそうなった場合、この広島市はもはや都市としての命は終わってしまいます。
広島市は、500年続いた都市としての生命をそのときに終えるしかありません。
広島市はゴーストタウンとなるしかありません。
このようなことがシミュレーションされながら、今、伊方原発では、
再稼働に向けての規制基準適合性審査が行われています。

で、今、原子力規制委員会で行われている審査は、
「安全審査」だと思っていらっしゃる方はございませんか?
これは、間違いです。
原発の再稼働に向けて、原子力規制委員会が行っている審査は、「安全審査」ではありません。
「この審査に通ったら安全が担保される」というわけでは、まったくありません。
事故の可能性があるにもかかわらず再稼働を進めている、
これはこのこと自体、とってもおかしなことです。

そのこと自体、じゃあ私たちの生存権とか、財産権とか、
そういうものはどこに行ったんですかという話です。

ただ、3・11以降、それでも、原発の規制行政というのは変わっています。
何が変わったかというと、再稼働に向けて、いくつかの条件があります。
必要条件があります。

その中で大切なのは、「地元の同意が必要になっている」ということです。
最低限でも、原発の周辺30キロ圏内の自治体の同意がなければ、原発は再稼働することはできません。
これが、3・11以降の法的な要件になっているということを、
どうかみなさん、知っておいていただければと思います。
このことをどうか、覚えておいていただければと思います。
3・11以降の日本では、原発の再稼働のためには、
最低限、原発の周辺30キロ圏内のすべての自治体の同意が必要です。

原発の再稼働に向けての規制基準適合性審査とはどういうもので、
どういうことをクリアしたら合格ということになるのか、
で再稼働のためには、あと、どのような手続きが必要なのか、
そういうことについて、今お配りしているチラシにまとめてあります。
実は、とても大事なことです。
どうか、お手に取ってご覧になっていただければと思います。

で、この30キロ圏という範囲は、さらに拡大する可能性があります。
それは当然のことです。
原発事故の影響というのは、半径30キロ圏で止まるわけではありません。
伊方原発について、広島市も当然発言権があります。
なぜなら、伊方原発で苛酷事故が起こったときには、この広島市は、
もう都市自体がなくなってしまう、そのようなシミュレーションが行われているからです。
それなのに、この広島市が伊方原発の再稼働について
何にも言えないということは、筋が通らないことです。
当然、広島市は、伊方原発の再稼働について同意するかどうかという権能を持っています。
で、それは、私たちにその力があるということです。
伊方原発が再稼働するかどうか、それは実は、私たちがそれを決める権能を持っています。
実は今、この原発を止める力が、ほんとうは私たちにあるんだということ、
こういうことを、ぜひ知っていただきたいと思います。
伊方原発、広島市から100キロの伊方原発は、
広島市民にとって大きなリスクですが、それを止める力もまた私たちは持っています。
どうかそのことを知っておいていただきたいと思います。

★網野

年末のお忙しいところ、また、お楽しみのお買い物中の皆様、
商店街の皆様、お騒がせいたします。
伊方原発の危険について知っていただきたいと思って歩いております。

伊方原発は、広島から一番近い原発です。
皆さん、広島から一番近い原発と言われて、
どれくらい離れているか、答えることはできますか?
これ、100キロしか離れていません。
広島市からは100キロです。
島根原発は、広島県に一番近い。
これはわずか50キロしか離れていません。
広島県で考えると50キロ。
ただ、島根原発から広島市までは、135キロ離れています。

だから今ここに立っている私たちは、一番近い原発はどこ?って訊かれたら、
実は四国の愛媛の伊方原発が一番近い、というのが正解になります。

で、ここで再稼働が進んでるんですけれども、
私たちが「これは危険だ」と思って歩き始めた原因は、
ここで再稼働が行われてしまうと、苛酷事故を前提ですから、
広島市の住民が避難の対象になるということが
シミュレーションで出ているということがわかったんで、
で、しかもこれ、新聞報道さんなんかは取り上げてくださらない。
ということは、私たち広島市民が私たちのことを考えるのに大事な材料を、
なかなか得ることができないので、しょうがない、
新聞・テレビさんが言ってくれないんで、これ、言って歩こうっていうんで、歩き始めました。

それから、この伊方原発、実は、原発問題全部についてなんですけれども、
私たち国民一人一人、国民って言っても大げさなんですけども、
私たち一人一人は、実は、原発を再稼働するかどうかを決める権能を持ってるんですね。
これ、私もはっきりと認識してなかったんですけども、私たちにその権能があります。
私たち一人一人には、原発を止める、原発の再稼働を止める権力と能力があります。
私たちが反対の意思表示をしたら、原発は止まります。
止めざるを得なくなります。

というのは、原発の苛酷事故は起こることが前提ですから、
「苛酷事故を受け入れますか?」と言われてる状況ですので、
「それは嫌です。やめてください」って言えば、原発は止めることができるんです。

じゃあなぜテレビ・新聞さんはそのことを言ってくれないのか。
私たちにそのことを教えてしまうと、原発推進側に不利になるからでしょうか?
でも、大事なことです。
私たちには、原発を止める力がある。
権力と能力があります。
このことをみなさん、どうか、覚えておいてください。
これはもう、法的なことなので、どうぞ自信を持って、
私たちが「反対」と言えば止まると、覚えておいてください。

ただし、「反対」と言わないと「賛成」になります。
このこともぜひ、覚えておいてください。
「反対」と言わなければ「賛成」です。

新聞は、「30キロ圏の自治体には、法的権限がない」っていうふうに
先日でも書いていましたけれども、これは明らかな誤りです。
国会の審議をしっかり読むと、30キロ圏は「原子力災害重点区域」。
ここは、原子力規制委員会から「広域避難の準備をしなさい」と命令が出てますんで、
ここが反対と言えば、再稼動することはできません。
これは、国会の場で確認されたことで、したがって、法的には、
30キロ圏内の原子力災害重点区域が反対の意思表示をすれば、原発の再稼働はできません。
今、報道は、あまりにも事実を確認されてないんだと思いますけども、
逆のことを言ってますんで、どうかこのことを知っておいてください。
そのことも、チラシに、調べてきちんと書きました。
もしよかったら、ご参考に見てください。

で、実際、国会のどこの場で審議されているのかという資料も、
ちゃんと出典が書いてありますので、ご自身で第一次資料に当たれるようになってます。
どうか自分の目で確認して、何が事実かっていうことを確認した上で、
原発の問題を考えてみてください。
お騒がせしました。
ありがとうございました。

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