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「地元同意」について鹿児島県知事のフィクション

みなさま

川内原発再稼動について、あたかも薩摩川内市と鹿児島県の首長が「同意」すれば
「地元同意」がとれたことになるかのような言い方が飛び交っていますが、
3・11後の「地元同意」とは、そんなものではありません。

そのことについて私なりにまとめてみましたので、拙文ですがぜひお読みください。

なお、毎日新聞をとりあげているのは、
今私が購読しているのが毎日新聞というだけであって、
同じようなことは多くのマスメディアが言っているのではないかと思います。

広島市 原田二三子


「地元同意」について鹿児島県知事のフィクション

川内原発再稼動「地元同意」報道

2014年10月28日、薩摩川内市市議会は本会議で川内原発再稼動反対の陳情10件を不採択にし、早期再稼動を求める請願1件を採択し、その後全員協議会で岩切秀雄薩摩川内市長が再稼動への同意を表明したとのことです。

また、鹿児島県議会も連休明けに臨時議会を開いて、川内原発再稼動について審議する予定とのことです。

このことを報じた2014年10月29日の毎日新聞の記事は、メインタイトルが「川内再稼動 地元同意」、副タイトルが「薩摩川内市長表明 新基準後で初」となっています。

また、「伊藤祐一郎知事は、九電との安全協定に基づき、再稼動に『同意』が必要な範囲を薩摩川内市と県に限っている。今後の焦点は県議会(49人)と伊藤知事の判断へと移る。」と記事を結んでいます。

毎日新聞のこの記事をそのまま読むと、あたかも、原発再稼動に必要な「地元同意」の「地元」の範囲は、県知事が電力会社との安全協定に基づいて決めることができる、ということであるかのようです。

ここで疑問となるのは、この記事の中で「地元同意」という言葉が指しているのはどういう意味だろうか、そして、それは適切な言葉の使い方だろうか、ということです。

原子力規制委員会の「立地自治体」の定義

では、原発再稼動のための規制基準適合性審査を行う国の機関である原子力規制委員会は、「地元自治体」「立地自治体」をどのように定義しているのでしょうか。

再稼動までの流れを大筋決定した今年(2014年)2月19日の原子力規制委員会の定例会合の資料では、原子力規制委員会は「立地自治体」という言葉を「特に関心の高い立地及びその周辺自治体」と定義しています。

▼原子力規制委員会
平成26年2月19日 第43回会議資料
資料3「原子力発電所の新規制基準適合性審査の今後の進め方について」
https://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h25fy/

また、同日の記者会見で原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「公聴会は周辺自治体で要請があった自治体で開催するということだが、どの範囲が適切だと考えるか」という質問に答えて、
「一つの考え方として、判断基準としてUPZ、30kmということはあるかと思いますけれども、どこの範囲が適当だというのは、今、私が申し上げることではなくて、それぞれの自治体が自分は立地自治体だと。近隣自治体も含めて、そういうふうに思っているところもいろいろ千差万別ですから、余り私からそこを申し上げることではないと思っています。」と答えています。

また、「最終的にはやはり地元の住民も含めた国民の判断に関わってくるのだろうと思いますし、そこでその方たちがやはり信用できないということでだめだったら、なかなか再稼動には到達しないかも知れません。」と述べています。

▼平成26年2月19日委員長記者会見 速記録 8~9ページ
http://www.nsr.go.jp/kaiken/25_kaiken.html

つまり、原子力規制委員会は、原発の立地自治体を「原発が建っている自治体だけでなく、周辺の自治体も含めて、その原発に特に高い関心を持っている自治体」であるとしています。

原子力災害対策指針で原子力災害対策重点区域となっている原発から半径30km圏内という一つの判断基準はあるかもしれないが、それに限らず、「自分は立地自治体だ」と考えている自治体はすべて立地自治体である、という捉え方です。

さらに、原子力規制委員会委員長は、たとえ原子力規制委員会の規制基準適合性審査に合格しても、「地元の住民も含めた国民が信用できないというのなら、再稼動は困難」と述べています。

劇的に変化した3・11後の「地元」の捉え方

また、2014年5月21日の大飯原発運転差止請求訴訟の福井地裁判決は、「大飯原発から250km圏内に居住する原告に対する関係で」大飯原発3号機・4号機の運転差止を命じました。
その根拠となっているのは、福島第一原発事故発生当時の原子力委員長が行った「半径250kmが避難対象になる恐れもある」という試算です。

この判決に従えば、原発の「地元」とは、原発から半径250km圏内にある地域と捉えることができます。

つまり、3・11後、原発「地元」の捉え方は劇的に変化しているということです。原発事故の影響が、原発が建てられている自治体だけではなく、非常に広範に及ぶことが、不幸にも立証されてしまったわけです。

したがって、仮に原発の再稼動を行うなら、その原発が起こす事故によって影響を被るすべての地域住民の同意が得られなければならない、というのが、3・11後の日本の基本的な合意事項です。

薩摩川内市・鹿児島県の「同意」で再稼動の要件は満たせない

このように見てくると、毎日新聞の記事で言っている「地元同意」とは、原発再稼動の要件となる「地元同意」とは全く無関係の何かを示しているということになります。

九電と薩摩川内市・鹿児島県との「安全協定」なるものは、国による再稼動決定の手続きとは全く無関係なものです。

九電とたまたま「安全協定」を結んでいる自治体が議員の多数決で川内原発再稼動に「同意」したとしても、それは、3・11後の日本で原発再稼動の要件となっている「地元同意」が得られたことには、全くなりません。

鹿児島県知事はこのことをご存知ないのでしょうか? 

それとも、鹿児島県知事は、わかっていて、敢えて知らないふりをすることによって、あわよくば、薩摩川内市の19人の市議会議員によるたった1件の川内原発早期再稼動を求める陳情採択と、鹿児島県議会での「再稼動OK」によって、原発再稼動に必要な「地元」同意が得られたとごまかして、川内原発再稼動を進めようとなさっているのでしょうか? 

毎日新聞はそれにまんまとごまかされているのでしょうか? 

ちなみに、薩摩川内市・鹿児島県はともに、「一般社団法人 日本原子力産業協会」という団体に所属していることを、私は「広島2人デモ」のチラシから知りました(「広島2人デモ」第107回チラシ)。

「日本原子力産業協会」というのは「原子力技術が有する平和利用の可能性が最大限に活用されるよう、その開発利用の促進に努め、将来世代にわたる社会の持続的な発展に貢献する」こと、つまり「原発ビジネス推進」を使命とする団体です。

公平・中立であるべき自治体が、特定の、それも国民の間で賛否の分かれている業界団体のメンバーになっていていいのでしょうか?

さらに、「原発ビジネス推進」を使命とする団体のメンバーが「原発再稼動賛成」の意思表示をしたからといって、そこに「やらせ」以上のどういう意味があるのでしょうか?

▼一般社団法人 日本原子力産業協会
http://www.jaif.or.jp/ja/organization/kyokai/
▼第107回広島2人デモチラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140912.pdf

川内原発再稼動の「地元同意」は得られていない

鹿児島県の姶良市市議会は2014年7月17日、鹿児島県知事に対する「川内原発1号機2号機の再稼動に反対し廃炉を求める意見書」を全会一致で採択しています。

鹿児島県のいちき串木野市市議会は2014年6月26日、鹿児島県知事に対する「市民の生命を守る実効性のある避難計画の確立を求める意見書」を全会一致で採択しています。

現在のところ、いちき串木野市の「市民の生命を守る実効性のある避難計画」は確立していませんし、確立する見込みもないでしょう。

9月28日には鹿児島市で7500人が参加する川内原発再稼動反対の市民集会が開かれました。

10月に行われた川内原発審査書説明会では、川内原発の安全性について、疑問の声が噴出したということです。

川内原発が起こす事故によって影響を被るすべての地域住民の同意が得られる、という状況とはほど遠い状況です。

したがって、3・11後の日本の合意事項に照らせば、川内原発再稼動は行うことはできません。

もしこの状況下で川内原発再稼動を閣議決定する内閣があるとすれば、その内閣はもはやまともな民主主義の政権ではありません。

「アメリカ独立宣言」の表現を借りれば、「これを改め、または廃止し、新しい政府を設立する」権利を人々が持つ対象です。

第53回伊方原発再稼働を止めよう!デモ告知

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第53回伊方原発再稼働を止めよう!
11月1日(土曜日)15時~16時
広島平和公園 元安橋東詰め(花時計前)出発
本通り・金座街往復

▽チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141101.pdf

第53回・第54回伊方原発再稼働を止めよう!デモのお知らせ

11月の伊方原発再稼働を止めよう!デモのお知らせです。

第53回 11月1日(土曜日)15時~16時
第54回 11月22日(土曜日)15時~16時

集合場所:広島平和公園元安橋東詰め
     (花時計前)
出発時間:15時

本通り・金座街を往復します。

是非ご参加ください。

そして是非、自分なりに危険だ、と思った理由を
お一人お一人、スピーチください。

家を失いたくない人
商売をしていて、店を失いたくないと思う人
海や川で漁業をしていて、守りたいと思う人
田畑を持っていて先祖代々の土地を守りたいと思う人
土や海や川を汚したくないと思う人
これからも広島で安全に暮らしたいと思う人

それぞれ理由は違います。
でもみんな、広島に住んでいます。
広島そのものの危険は、決して誰も無関係ではありません。

みんなで、まだ伊方原発の危険に気が付いていない
他の広島のみなさんに気が付いて、まず知っていただくことが
今一番大事な事だと思います。

宜しくお願いします。

第51回伊方原発再稼働を止めよう!9月27日

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▼第51回チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140927.pdf

9月27日(土)第51回
広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース 伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

チラシは、こちらです。
 ↓
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140927.pdf

動かなくても危険、動けばもっと危険 伊方原発は118万広島市民の最大のリスクです
・広島市から100km伊方原発の危険
・稼働しなくても危険な伊方原発
・動けば桁違い、苛酷事故のリスク
・稼働すれば事故が起こらなくても拡がる放射能汚染
・伊方原発で苛酷事故が起きたら広島は
・四国電力が伊方原発に固執する理由とその結果

なお、チラシの2ページに「伊方原発は、南海トラフ地震の震源域に建っている」と書いていますが、伊方原発は南海トラフ巨大地震の震源域を示す境界線上にありますので、「伊方原発は、南海トラフ巨大地震震源域ギリギリに位置する」と言うほうが正確です。

5名が参加。3名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

原田

◆自然災害に原発災害が重なるとき

先月の安佐南区・安佐北区を襲った土砂災害で、私たちが実は、沢山の自然災害の危険に囲まれて暮らしているんだということを実感しました。
しかし、その自然災害を引き金として発生する可能性が高いと同時に、その自然災害にさらに比べ物にならない悲惨さを付け加える可能性があるのが、原発災害です。
広島市民にとって最大のリスクというのは、広島市から100キロのところにある四国電力の伊方原子力発電所です。

伊方原発は、愛媛県の佐田岬半島の中ほどに、瀬戸内海に面して、山を背にして建てられている原発です。
大変敷地が狭いというのが特徴で、その一部分は埋立地ですし、後ろの山を削って敷地が造成されています。
そのような狭い敷地に建つ伊方原発には、なんと約800トン(新燃料換算)の放射性物質(核物質)が溜め込まれています。
四国電力のHPを見ると、今、使用済みの核燃料が1422体、貯蔵されているということがわかります。

原子炉内の核燃料や使用済み核燃料として溜め込まれている沢山の核物質が、なんらかの原因で環境中に放出され、それが私たちの被曝の原因になるのが、原発災害です。
使用中の核燃料は非常に高温になっていて、それを絶えず冷却する必要があります。
しかし、例えば地震や津波や人為的なミスによって冷却ができなくなってしまうと、原子炉の中が非常な高温になって爆発が起こり、中にある大量の放射性物質(核物質)が環境中に放出されてしまうことになります。
そのような核物質が、広島市から100キロの伊方原発の狭い敷地の中には、約800トン溜められているということを、知っておいていただきたいと思います。

さらにこの伊方原発は、巨大地震に見舞われる可能性が非常に高いところに建っています。
南海トラフ巨大地震という言葉を聞かれたことは、みなさんおありだと思います。
南海トラフというのは、静岡県から九州にいたる太平洋の底にある深い溝です。
ここを震源として巨大地震が起こることが予想されています。
政府の地震予知連絡会は、これから28年以内にマグニチュード9の南海トラフ地震が起こる確率は60~70%であると予測しています。
つまりもう、ほとんど起こることが確実だと言っていいということです。
その南海トラフ地震の震源域(*震源域ギリギリ)に、この伊方原発が建っています。
そして、愛媛県の予測では、南海トラフ地震が起こったときに、原発が建っている伊方町の最大震度は、震度7になるとされています。

また、中央構造線という長大な活断層がありますけれども、伊方原発は、この中央構造線のほぼ真上に建っている原発でもあります。
ただ、伊方原発は、2011年に稼働停止して、すでに3年くらい経っていますので、その分、中に入っている核燃料も、発熱率が低くなって、それだけリスクは減っています。
もしここでまた稼働を始めると、またこの伊方原発のリスクは、非常に巨大なものになってしまいます。

南海トラフ巨大地震が起こるときに、広島県の想定では、広島市は、最大震度が震度6弱になります。
平地の広い面積で液状化が起こります。
その液状化によって倒壊する建物も沢山あると考えられます。
さらに、最大で3~4mの津波が襲います。
津波が襲うまでには少し時間はありますけれども、倒壊した建物の下で救助を待っている人、そして、津波から逃げ遅れてしまう人も出てしまうことが予測されます。

そのときに伊方原発で原発事故が起こっていたらどうなるのか?
伊方原発から広島市までは、100キロしかありませんから、大量の放射能が南風に乗ってやってきます。
国の原子力規制委員会のシミュレーションでは、伊方原発で福島程度の大事故が起こったときには、1週間で4ミリシーベルトの被曝を広島市は被るということになってます。
これは、1時間あたりに直すと毎時40マイクロシーベルト、今事故を起こした福島原発の敷地の中で観測されるような高い値です。
そのような中に防護服もなく留まるということは、当然、放射線障害を覚悟しなければいけません。
そのような放射性物質が伊方から風に乗ってやってくる。

そのとき、広島市民はどうするのか?
逃げようとする人が、もちろん多くあるでしょう。
だけど、まだ救助されていない家族や友人のことが心配で、広島市に留まろうとする人もいると思います。
けれども、このレベルの放射線になると、国から避難の命令が下ります。
広島市民は、全員避難ということになる。
まだ救助されていない家族や友人がいても、おそらくその人たちを見捨てて、避難しなくてはいけなくなる。
このような状況が、当然のこととして、予測されてくるわけです。

これは考えたくもないことだけれども、考えれば考えるほど、こういうことが起こらざるを得ない、今のままではこういうことが起こらざるを得ないと、私たちは考えています。

◆再稼動反対の意思表示が持つ大きな意味

これからの日本で再稼動される原発は、事故を起こす可能性が十分にあり得ることが前提で再稼動されます。
再稼動のためにつくられた新しい規制基準は、事故が起こることが前提でつくられた基準です。
新しい規制基準に適合していても、決して事故を起こさないわけではありません。
「原発は決して事故を起こしません」と誰も保証してくれてはいません。
原子力規制委員会は、日本全国にある原発が福島第一原発事故並みの苛酷事故を起こした際、放射性物質がどのように拡散されるか、シミュレーションを公開しています。
そのシミュレーション結果によると、広島市内は1週間で4ミリシーベルトの実効線量になります。
避難基準に照らし合わせると、「一時移転」とありますが、とても人が住める線量ではありません。
私たちは、広島市から避難すれば、もう広島市内には帰ってこられなくなります。

それがわかった上で、原発の再稼動に反対の声を上げず、黙って容認するということは、私たちの住む広島市から一番近い伊方原発で事故が起こってもかまいません、伊方原発で事故が起これば、広島市で築き上げてきたものすべてを捨てて避難してもかまいませんと言っていることと同じになってしまいます。

3・11以降、原発を取り巻く環境は、大きく変わりました。
原子力規制委員会は、「地元住民の理解と賛同が得られなければ、その原発の再稼動は認められない」としています。
福島第一原発事故で、原発は事故を起こすものだということが明らかになったからです。

もし伊方原発で福島第一原発事故並みの苛酷事故が起これば、広島市は甚大な放射能被害を受けます。
私たち広島市民は、伊方原発の再稼動に対して発言権があります。
発言権はありますが、再稼動していいですかと、誰も聞きに来てはくれません。
自分から積極的に反対の声を上げなければ、賛成と同じになってしまいます。

去年の9月に、広島市議会に伊方原発再稼動反対の決議を求める請願を提出しました。
広島市民を守るために伊方原発再稼動反対の意思表示をしてくださいという内容の請願です。
共同請願人を募ったところ、約4900人の方がこの請願の共同請願人となってくださいました。
ざっくり数えると100万人都市の広島市民の250人に1人の方が、伊方原発の再稼動反対の政治的意思表示をしたということになります。

この請願は現在、継続審議中となっています。
否決も、可決も、されていません。
継続審議中という立派な名前が付いていますが、ただ棚上げにされている状態です。
現在の広島市議会が解散すれば、この請願も流れてしまいます。

また新たに請願を提出しなければならなくなります。

この請願に拘束力はありませんが、多くの広島市民が伊方原発の再稼動に反対しているという政治的意思表示にはなります。
広島市が原発の再稼動に反対するという意思表示をすることは、大きな影響力があります。
最終的に、原発の再稼動を決めるのは、日本政府ですが、広島市が反対の声を上げているのを無視して原発の再稼動を強行することはできません。
それは明らかな「独裁」になるからです。

◆倒産を避けるため伊方原発を再稼動させたい四国電力

伊方原発をどうしても再稼動させようとしているのが、四国電力という会社です。
じゃあ、四国電力はなんでそんなにまでして、広島市民にとって巨大なリスク以外の何物でもない伊方原発を再稼動させようとしているのか?
これは決して、伊方原発がないと、四国電力管内の電力が足りないというわけでもありません。
四国電力はもともと関西電力に沢山の電力を売っています。
また実は今、日本の電力供給の大きな部分を担っているのは、いわゆる電力会社以外の発電事業者です。
四国電力の管内でも、電力供給の大変大きな部分を、四国電力以外の、発電事業を行っている会社が、実は、担っています。
ですから、供給量は十分です。
また、原発を持っている電力会社の電気料金が高いのは、原発が止まっているせいというより、それらの電力会社の無能経営のせいです。
その証拠に、火力発電と水力発電が主で今のところ原子力発電を行っていない電源開発という会社の電力生産コストは、四国電力や中国電力などのおよそ3分の1にとどまっています。
それと燃料高騰のもう一つの大きな原因は、アベノミクスによる円安です。
それによって、燃料価格が円建てでは大変高くなって、いわゆる「国富の流出」ということが起こっています。
アベノミクスが「国富流出」の最大の原因です。

四国電力が原発再稼動したいのは、原発が再稼動しないと、四国電力は倒産に追い込まれてしまうからです。
なぜかというと、四国電力の純資産のうち、原子力関係の施設や燃料などが占める割合は非常に高いものになっています。
ですから、原発をやめるということになると、これらの資産がすべて資産ではなくなってしまいます。
このことによって、四国電力は債務超過に陥ってしまいます。
普通の企業だったら、もうそれで倒産です。
このことを、四国電力は恐れています。

で、四国電力以外の電力会社はまだしも、効率のいい石炭火力発電所を建設するとかそういったいろいろな企業努力を行って、電力自由化以降も何とかして生き延びようとする道を探っています。
ところが、四国電力は、原発の再稼動しか頭にありません。
そのために、効率のいい火力発電所の建設も怠っています。
しかし、このような四国電力の経営上の都合で、私たち100万の住民の命が危険にさらされる、こんなことは、あってはならないことだと思います。

◆事実を知ることが一番大切

広島から一番近い原発、というのが、みなさんよく「島根じゃない?」って言われるんですけど、島根ではなくて、たった100キロしか離れていない、愛媛県にあります四国電力の伊方原発になります。
島根の場合はここから135キロ、若干ですけれども伊方の方が近い。
それから、広島から伊方原発までは、遮るものがありまあせん。
もしここで事故が起これば、放射能がまともにやってきます。

そして、ここで福島事故並みの苛酷事故が起こったら、どうなるかというシミュレーションが、原子力規制委員会から公表されております。
それよると、広島は避難しなきゃいけなくなるということが、もう数字上で出ております。
出ていますので、これに黙っていると、私たちは、原発苛酷事故が起こった場合、避難してもいいですよ、という意思表示をしたことになります。
みなさんが知っても知らなくても、黙っていれば、それを認めたということになってしまいます。

今現在進められている再稼動は、「リスクゼロは無い」ということは原子力規制委員会が公言していますし、安全性は誰も審査しておりません。
今行っているのは、設備の性能審査であって、規制基準適合性審査というのは安全審査ではありません。

要は、みなさんに今問われているのは、「苛酷事故が起きることを前提として動かします。もし起きたら逃げてください。自分の自己負担でどうぞ逃げてください。それでも原発動かしていいですか?」って訊かれているのが、今の状況です。
ですから、それに黙っていたら賛成になります。

今現在、福島第一原発事故は、まだ収束しておりません。
今まだ、3年前に出た原子力緊急事態宣言は解除されておりません。
新聞やマスコミでは報道しませんけれども、本当だったら原発から出てはいけない核種の放射能は、まだ現在大量に福島原発から出て全国に拡散しています。
そういう状態で原発の再稼動が進められているという側面も、みなさんどうか頭に置いておいてください。

で、今、原発の賛成・反対以前の問題として、まず、何が起こっているのか、どんな資料が発表されているのか、自分たちの立ち位置はいったいどこなのかっていうことを知るために、まず事実を知ることが一番大事だと思います。
放射能の災害は、原発の賛成・反対といった意思に関係なくみなさんに降りかかります。
今一番考えなきゃいけない政治的な大問題だと、私たちは考えています。

◆私たちが支払わされている原発解体費用・電源立地交付金

原発は動いていなくても、電気は足りています。
原発が廃炉になると、電力会社は倒産しますが、私たちが電気が使えなくなるわけではありません。
電力会社が倒産しても、私たちはまったく困りません。
むしろ、原発を持っている電力会社から電気を買わずに済むので、むしろ助かります。
原発は維持するだけでも、お金が莫大にかかります。
そして、使えなくなった後にも、処理するためのお金が莫大にかかります。
処理するためのお金を貯めていますけど、それは建屋を解体するためのお金を貯めているだけです。
原発は、解体しただけでは処理は終わりません。
放射性物質を安全に保管するための資金が必要ですが、その資金はまったく積み立てられていません。
しかも、建屋を解体する資金も積み立て不足となっています。
それが明らかになってきてやっと、どうしようかって議論がされたんですが、原発を解体する費用を、電力コストだから電力料金に上乗せしようということになって、去年の10月から今まで、電気料金に原発解体コストは上乗せされて料金を払っています。
さらに、電気料金の他に、電源立地交付金という、発電所が立地してる自治体に納められるお金を、毎月徴収されています。
それは、電力会社が国に代わって電気消費者から徴収し、発電所が立地している自治体に納められます。
あらかじめ使い道が決められて配分される電源立地交付金もあります。
おそらく、箱物の建設に使われています。
それで儲かるのは建設業者だけです。
そこの住民は特に儲からない場合もあります。
原発が動いていませんけど、電源立地交付金は、毎月、私たちが電気料金と一緒に電力会社から徴収されています。
さらに、原子力発電所が立地している自治体は、原発の固定資産税も入っていきます。
発電所が建つと、その自治体はとても潤います。
そのお金は今いったいどこに行ったんでしょうか?

私たちは毎月電気料金を払っています。
電気料金の中に原発を解体する資金も、積立金も入っています。
そして、発電所が立地している自治体に納められる電源立地交付金も入っています。
電気料金とは別に、毎月徴収されています。
私はそういうことを、最近になるまでまったく知りませんでした。
原発問題について考える際、まず毎月徴収されている電気料金のことから知ることもありだと思います。

第52回伊方原発再稼働を止めよう!10月11日

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第52回伊方原発再稼働を止めよう!
日時:10月11日(土曜日)15時~16時
集合場所:広島平和公園元安橋東詰め(花時計前)
     本通り~金座街往復

宜しければご参加ください。

▼第52回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141011.pdf