記事一覧

第10回総会 報告

11月16日(日)の第10回総会の報告です。

時間:16:00~18:00
会場:広島市中央公民館 研修室3
参加者:網野 佐藤 重広 田尾 哲野 原田
(堀江さんより欠席連絡あり)
司会:網野さん

1.アドバイザーとして1万人委員会にご参加くださった田尾さんの紹介
  紹介議員になってくださり、請願採決に向けてご尽力いただいている田尾健一さんが、お忙しい中総会にご参加くださいました。
  「福島原発事故で明らかになったように、原発問題は『生存権侵害』の問題です。
  伊方原発再稼働問題について、市議会で何度か質問したが、原爆被爆地であるにもかかわらず松井市長の歯切れは悪い。
  あくまでも原発問題を『エネルギー問題』としてとらえようとしている。」とお話しくださいました。

2.12月議会での請願採決に向けての取り組みのしかたについて
  請願が付託されている広島市議会の「経済観光環境委員会」所属議員で紹介議員になってくださっているのは、現在、月村俊雄さんだけ。
  ☆
  田尾さんのお骨折りにより、12月の常任委員会で、月村さんが採決動議を行ってくださることになった。
  委員会は傍聴可能で、採決は挙手による。
  →採決動議が出ても、採決にならない可能性も高いが、これは大きな一歩としてとらえるべき。
  ☆
  月村さんに、理由説明をしていただきたい。 
  →田尾さんを通して、月村さんにお願いしていただく。
  ☆
  経済観光環境委員会委員長の竹田さんにお会いしてご挨拶しておきたい。
  →田尾さんを通して、竹田さんにお願いしていただく。

3.市議会議員へのアンケートについて
  ・この日の討議をもとに、先ほどお送りしたような形にまとめました。(最終チェックをよろしくお願いします。)
  ・11月25日に、市議会の各会派の控え室に各会派所属の議員さんの分を封筒に入れて持って行き、記入をお願いしておく。
  後日、また回収に行く。

4.その他
  ・紹介議員に、共産党の3名の議員さんが新たに加わってくださるとの連絡を受け、手続きのための書類を、網野さん、哲野さんが届けてくださった。紹介議員は9名になる。
  ・「原発・放射線リスク研究会」が、「中央公民館合同フェスティバル」(2月28日~3月1日)に参加する。パネル展示を行う。
  ・12月の「伊方デモ」:12/20(土)、12/27(土)  

次回は、12/21(日) 13:00~
16:00 広島市中央公民館 工芸室 です。

第54回伊方原発再稼働を止めよう!11月22日チラシに重要な誤りがあります

第54回伊方原発再稼働を止めよう!11月22日チラシに重要な誤りがあります。
テーマは深層防護の第5層、広域避難計画の審査権限を誰も持っていない、という箇所です。
先に関係個所を引用いたします。

▼6P左コラム
「避難計画の実効性を規制委は審査しない、審査する権限はない、という話もここから来ています。5層まで規制委員会が担当する法体系をもっている アメリカ とここが大きく違うところです。アメリカの規制委員会は5層すべてに責任を負っていますので、住民避難計画の実効性にも責任を負っています。です からこれ を審査する権限ももっています。ところが、日本の規制委はいいっぱなしで、その実効性を審査する権限をもっていないのです。」

アメリカの原子力災害避難計画の実効性を審査する行政機関は直接にはFEMA(緊急事態管理庁-Federal Emergency Management Agency)であり、アメリカ原子力規制委員会(NRC)ではありません。原子力規制委はFEMAに対して意見具申する権限を持っています(FEMAは NRCに意見を聞かなければならない)が、審査権限はFEMAが持っています。従って、上記の箇所を以下のように訂正します。(訂正箇所赤字)

「避難計画の実効性を規制委は審査しない、審査する権限はない、という話もここから来ています。5層まで規制委員会が担当する法体系をもっている アメリカとここが大きく違うところです。アメリカの規制委員会は5層すべてに責任を負っていますので、住民避難計画の実効性にも責任を負っていま す。ですから、避難計画の実効性を直接審査するFEMA(緊急事態管理庁-Federal Emergency Management Agency)に意見具申する権限ももっています。ところが、日本の 規制委はいいっぱなしで、その実効性を審査する権限をもっていないのです。」

実際に、アメリカの原子力規制行政全体とアメリカの国家危機管理システムの関係は私にもまだよくわかっておらず、現在NRCやFEMAに問い合わ せを出して確実な第一次資料のありかを調べているところです。(日本の報道や原子力規制委員会の説明などが不正確というわけではないのですが、ア メリカのシステムですのでやはり第一次資料に当たって確認する必要があります。)しばらく時間がかかると思いますが、一定程度判明したところでま たご報告いたします。

以上、現時点で明らかな誤りは上記のように訂正いたします。ご迷惑をかけ、申し訳ございません。
なお、PDFは修正済みのものをアップロードしております。

▼結・広島サイト
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141122.pdf
▼広島2人デモサイト
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20141122.pdf

文責者 哲野イサク

第54回伊方原発再稼働を止めよう!2014年11月22日報告

ファイル 44-1.jpgファイル 44-2.jpgファイル 44-3.jpgファイル 44-4.jpgファイル 44-5.jpg

▼第54回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141122.pdf

第54回伊方原発再稼働を止めよう!
11月22日(土)15:00~16:00

報告ができ次第アップします

第9回総会 10月19日 議事録

広島1万人委員会 第9回総会
10月19日 16時~18時 中央公民館

会員出席者:原田、堀江、佐藤、哲野、網野
オブザーバー:一ノ瀬

※10月25日予定していた伊方デモは中止です

◆一ノ瀬氏の退会について

前回一ノ瀬さんが総会で配布した資料から
一ノ瀬さんが青森県六ヶ所村の村長選挙に出馬した関氏を全面的に応援していること
関氏は大麻を違法と知りながら、自分がいいと思うから使用する、という考えを持っており
それを知りつつ支持しているとわかった

原発・放射能被曝そのもの、またそれによる広汎な被害からみても
経済どころか基本的人権まで犯している
伊方原発からの放射能による広島市民の生存権を守ろう
為政者は憲法遵守、法を守り、市民の安全を守るのが第一義であり、
その責任を果たしてもらおう
多くの人に賛同してもらおうと活動する広島1万人委員会の主旨に反しているため

規約に基づき、関氏を応援するのをやめるか、退会するかを尋ねたところ
退会の意思表示があったので退会してもらうこととなった旨、報告があった

◆市議会請願の今後の進め方について

来年5月には市議会が解散になる。
このままでいけば議会解散とともに、請願は取り下げられる可能性が高い事がわかった。

これまでのロビー活動等から、賛成も反対も意思表示したくないという
広島市、多くの市議の姿勢が伺える
原発の話題には極力触れず、うやむやで終わらせたい雰囲気がある

これまでの共同請願人署名は、次の議会に新たに請願を出すにしても、どちらに
してもゼロカウントされる。

よって、請願紹介議員に相談し、採決に持って行ってもらうことが決められた。
※なおこの件に関しては、翌日月曜日、田尾議員のアポイントを取っている旨が原田氏から報告された
※田尾議員との相談結果については原田氏より報告される予定

まず間違いなく否決されるだろうことが全員一致の予想

来年統一地方選挙もあることから、
どの議員が賛成し、反対したかを大々的に広島市民に知らせていくことが決まった

次期議会に出す請願内容、
及び、共同請願人署名の集め方に関しては、今後も検討・議論を重ねていくものとする。

◆市議会議員へのアンケートについて

重広氏、堀江氏より、事前にアンケート項目案が提出された。
質問は簡潔で答えやすい5問に絞ることが決定された。

なお、この総会で採用された質問案は堀江氏がまとめ、後日同報メールにてお知らせする

また質問は11月中に期限を切って、各会派の事務局へ届けることにした

◆11月の伊方デモについて

堀江氏の10月のアンケート実施の感想
これほどビラが受け入れられたのは初めて、とのことだった

また佐藤氏の感想によると街宣よりアンケートのほうが
『アンケート参加』したことにより、伊方原発の存在について、より印象が残り、効果的なのではとの分析があった

網野からは街宣よりアンケートのほうが、商店街の雰囲気も壊さず良いのでは、との感想があった

以上のことから、月に1度、街宣ではなく、アンケートを実施することにした

なお、10月25日に予定していた伊方デモは、主宰の原田氏が動けないので中止となった

11月の伊方デモは11月1日と22日、
アンケートは22日、デモ後に行う

◆次回11月総会について

11月16日・23日、どちらかで行う予定
原田氏が部屋の空き状況を確認し、決定する

以上10月総会の報告です

網野沙羅

第52回伊方原発再稼働を止めよう! 10月11日報告

10月11日(土)第52回伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

▼第52回チラシ
http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20141011.pdf

この回は、「原子力規制委員会の要求に頑強に抵抗する四国電力」というテーマでチラシを作成しました。
サブタイトルは「中央構造線断層帯をめぐるやりとり -疑われる四国電力の安全文化-」。

この時点では原子力規制委員会は四国電力の「震源を特定して策定する基準地震動」にOKを出していませんでしたが、
2014年11月7日の第156回の審査会合では、「震源を特定して策定する基準地震動」については650ガルでおおむね了承するようなことを言っています。
やんわりと厳しい指摘をする島崎委員が不在となって、原子力規制委員会は気のせいか精彩を欠いているように感じられます。
反対に、四国電力の担当者は、9月12日とは打って変わってご機嫌そうです。
しかし、広島市民としては、このままでは四国電力との心中を余儀なくされるのでは?という不安が大きくなるばかりです。

この次の回の11月1日(土)第53回伊方ウォークのチラシのタイトルは、
「伊方原発再稼動は四国電力経営問題 広島市民は四電と心中するわけにはいかないのです」でした。
追ってご報告させていただきたいと思います。

5名が参加。4名がスピーチを行いました。
スピーチの内容を次に貼り付けます。

原田二三子

◆中央構造線地震動をめぐる四電と規制委員会のやりとり

伊方原発は、広島市から南南西にちょうど100キロの所、愛媛県の佐田岬半島の中ほどに建っている、広島市から一番近い原発です。
今、稼働を停止していますけれども、原子力規制委員会で再稼動に向けての審査が行われております。
原発苛酷事故が起これば、周りの広い地域がゴーストタウンになってしまうってことははっきりしています。
伊方原発がもし苛酷事故を起こせば、この広島市はゴーストタウンになってしまいます。
そんなことがわかっている上で再稼動に向けての準備を行っていること自体が、私たちの生存権を侵す行為ですから、原子力規制委員会というのは非常に矛盾した存在だということができます。
原発苛酷事故が起こることを前提として再稼動を行うための機関ですから、その存在そのものが矛盾しているのは確かです。
けれども、今、伊方原発について、原子力規制委員会でどんな議論が行われているのかを見ておくことは必要だと思います。

今、原子力規制委員会で伊方原発についての審査が行われていますけれども、その中で一番大きな問題になっているのは、中央構造線を震源とする地震の評価です。
中央構造線というのは、中部地方のフォッサマグナと言われる大地溝帯から出発して南九州に至る数百キロの大断層帯です。
そして、この中央構造線断層帯というのは、実は、非常に活発な活断層です。

ちょうど400年くらい前、豊臣秀吉の時代に、この中央構造線に沿って、初めに伊予、つまり今の愛媛県、そして次に豊後、大分県、そして次に関西で、相次いで大地震が起こり、そのときには、できたばかりの伏見城も倒壊してたくさんの人たちが下敷きになって亡くなったという記録があります。
伊方原発は、この中央構造線断層帯のほぼ真上に位置しています。
南海トラフ巨大地震がこれから30年以内に起こることは、もうほぼ確実とされていますが、その南海トラフ巨大地震以上に地震学者などが心配しているのが、この中央構造線断層帯による地震です。

この中央構造線断層帯の地震動評価について、四国電力と規制委員会との間でどんなやり取りが行われているのか。

まず、昨年7月に四国電力が原子力規制委員会に伊方原発の再稼動を申請したときの資料では、この中央構造線について、四国電力はその中のほんの一部、伊方原発のすぐ前面にある54キロの断層帯だけを評価して、伊方原発の基準地震動は570ガルだという報告をしています。
ガルというのは、地震の揺れの大きさの単位です。
これに対して、原子力規制委員会は、四国電力に対して、中央構造線の地震動を評価するのであれば、その短い54キロの範囲だけを評価するのではなく、少なくとも国の地震調査研究推進本部が行っているように、奈良県の生駒山地から大分県に至る480キロの中央構造線が連動して動くときの地震動を評価する必要があるということを言いました。

それ以後、四国電力が行ってきたことは、おそらく、いかにしてその480キロの連動を評価しながら基準地震動を低く抑えるか、ということであったのだと思われます。
規制委員会からそのような指摘がなされたのは昨年の7月でしたけれども、四国電力が再度、地震動の評価を示したのは、10ヵ月後の今年の5月でした。
で、その評価の中で、四国電力は、480キロの連動を評価してみたけれども、やっぱり地震動はたいして大きくならない、基準地震動は今のままの570ガルで十分だという資料を提出しました。
それに対して、原子力規制委員会からは、やんわりとではありますけれども、非常に厳しい指摘がされました。
四国電力が行っている評価というのは、いろんな評価のしかたのいいとこだけを取って、非常に甘く地震動を見積もっているのではないか、という指摘が行われました。

そこで、四国電力は、さらにそれを持ち帰って、4ヵ月後の今年9月、再々度、伊方原発の基準地震動を示しました。
ここでようやく、四国電力は伊方原発の基準地震動を570ガルから650ガルに、少し引き上げました。
しかし、原子力規制委員会は、これでも、四国電力に対しOKを出していません。

できるだけ基準地震動を低く見積もろうとする電力会社に対して、原子力規制委員会の委員から、疑問やいろいろな意見が噴出することは当然のことです。
ところが、そのことに業を煮やした電力会社は、そういううるさいことを言う委員を再任用しないようにという圧力をかけるというようなことも行ったりしているようです。

このやり取りから見えてくるのは、どんなことなんでしょうか?
原子力規制委員会というのはそもそも原発の再稼動のために仕事をしている委員会です。
にもかかわらず、この委員会が四国電力に対してなかなかOKを出せないのは、四国電力の地震動の評価が、あまりにもひどい、あまりにもいい加減だ、ということを示していると思います。
四国電力にとって一番重要なことは、本当に安全を確保するためにシビアな評価をすることでも、科学的で客観的な評価をすることでもなく、3・11前と同じ570ガルという基準地震動の枠内に地震動の評価を収めること、その1点なのだと思います。

どうして四国電力がそうしたいのか、その理由はすぐに想像がつきます。
基準地震動が引き上げられれば、それだけ、原発の建屋や設備の耐震性が要求されます。
基準地震動が上がれば上がるほど、それに対応して、原発の建屋や設備は丈夫なものでないといけません。
ところが、それを確保するためには、いろんな補強工事をしなければいけません。
それには膨大なコストがかかってしまいます。
時間もかかってしまいます。
ですから、四国電力はとにかく基準地震動を低く抑えたい。
その様子が、原子力規制委員会での四国電力と規制委員会側とのやり取りからよく見えてきます。

ここからさらに見えてくるのは、いったい何なのだろうか?
それは、四国電力の経営姿勢です。
原発という非常に危険な設備の審査に関わる地震動の評価を行うにあたって、より慎重な評価を行うことよりも、地震の評価をできるだけ低く抑えることに重点を置いている。
非常に単純化して言えば、「人の命よりも、自社のお金のほうが大切」という、とてつもないエゴイズムだと思います。
このような四国電力の経営姿勢というのは、私たち広島市民にとって、伊方原発のリスクの非常に大きな要素になっていると思います。

伊方原発は、ほんとに危険な原発です。
その建っている場所も危険だし、そこに非常に大量の核物質があるということも危険です。
ウランとプルトニウムの混合燃料を使っているということも危険です。
しかし、それに加えて、伊方原発の大きな危険要素をなしているのは、四国電力の経営姿勢です。
安全よりも、人の命よりも、経営上の都合。
耐震工事をしてコストがかかることを避けようとする。
そのために、地震動の評価を、できるだけ低く見積もろうとする。
そういった四国電力の姿勢です。

◆四国電力経営陣の危険な考え方:「お金をかけずに原発再稼動」

まず皆さんに、広島から最も近い原発は四国電力の伊方原発なんだという事実を知っていただきたい、これが、第一番目の目的です。
先日、この本通りでアンケートをやってみると、だいたい4人に1人くらいの方が、広島から最も近い原発は伊方原発であるということをご存知でした。
ただ、広島市民の一般的な常識には、まだなっていない。

なぜこのことを知っていただきたいのか。
伊方原発は、四国電力が運営してますが、今、再稼動のための原発規制基準に適合しているかどうかの審査中で、適合審査にパスすればまた稼働を始めてしまう、このことを、2番目に知っていただきたいからです。

3番目に知っていただきたいことは、この伊方原発は、事故を起こす可能性を持った、非常に危ない原発である、このことを、3番目に知っていただきたい。
事故を起こす可能性というのは、いろんな角度から論じることができますが、今お配りしているチラシあるいはプラカードにもありますように、この四国電力の場所ですね、場所。
中央構造線という巨大な断層帯が、日本をほぼ真横に横切っています。
過去に何度も地震を起こした、地震の巣みたいな断層帯です。
伊方原発は、この断層帯のほぼ真上に乗っかってる。
なんでこんな所に原発作ったんでしょうねえ?
よりによって断層帯の真上に作るっていうのはちょっと信じられないんですが、まあ、これが建設されたほぼ40年前は、たいして重要ではない、たいして危険ではないと思われていたのかもしれません。
こういう観点から、伊方原発は、もし動いたら、福島原発事故並みの事故を起こしそうだという可能性が高い。
このことを、次に皆さんに知っていただきたい。

もう一つ、伊方原発の危険性は、ちょっと意外なところにあります。
それは、伊方原発を経営する四国電力という会社の経営首脳陣のものの考え方、これ非常に私、危険だと思います。
原子力規制委員会でのやり取りを議事録なんかで読んでいますと、どうやってコストをかけないか、お金をかけないか、お金をかけないで原発を再稼動するか、もう、彼らの問題の中心は、ここに集中しています。
お金はかけたくない、だけど、原発は再稼動したい、こういう意図がありありと議事録の中に読み取れます。
だけど、伊方原発からわずか100キロのところに住む私ども広島市民にとって、問題をこういうふうに考えられるのは、大きな迷惑です。
再稼動するにしろ、しないにしろ、あるいは、伊方原発を動かしたいんならば、絶対に安全とは言わないまでも、これ以上はできないというくらいに、お金をかけて、安全を確保して、その安全も「絶対安全」はあり得ませんけれども、規制委員会が「まあ、しょうがないね」と言う程度の安全は確保して、運転してもらいたい。
ところが、千葉さんという人が社長ですけれども、四国電力のものの考え方は、「いかにお金をかけないか。いかにケチって再稼動するか」。
これをやられたんじゃあ、私ども、たまったもんじゃありません。

で、事故が起こる。
福島原発事故の時もそうでした。
事故が起これば、決まり文句ははっきりしています。「想定外でした」。
「想定外」で済まされてはかないません。
いろんな自然災害の事故とは違って、原発事故というのは、放射能を伴います。
元に人が帰れない。
地震や津波による災害は、落ち着けばまた元に戻って、新しい生活を始めることができる。
しかし、放射能災害は、戻れない。
これが大きな特徴です。
ですから、放射能災害には、復興や復旧はあり得ない。
これは、チェルノブイリ事故が、はっきり示している実例です。

そんなものが広島から100キロの所にある。
しかも、それを経営している四国電力の経営陣のものの考え方は、事故を起こさないことよりも、いかにお金をかけないかのほうに集中している。
こういう状態が、今、伊方原発を取り巻いている状態です。
まず、このことを、私たち広島市民がしっかり知っておかなきゃいかんでしょう。
こういうことを知らないで、広島の長期計画であるとか、防災計画であるとか、こんなものを作ってみても、一発事故が起これば、全部吹っ飛ぶ話なんですから、私たち広島市民がこのことをしっかり頭に入れておく必要があると思います。

◆伊方原発事故で広島市民が失う有形・無形の財産

伊方原発で事故が起こったとしましょう。
原子力規制委員会のシミュレーションでは、広島の被曝線量は、1週間に4ミリシーベルト、これは「避難」の対象です。
つまり、私たちは「避難」しなければいけません。
避難して、どこに逃げるかという問題はもちろんあるんですが、先ほども申しましたように、もう帰れない。
例えば、4000万円出して、マンションを買った人も多いと思います。
まだ返済が20年分残っている。
だけど、そのマンションの資産価値はゼロです。
今、福島県で、住宅価値、資産価値というところで調べると、福島原発事故で大きな被害を受けた大熊町や双葉町は、実は、資産価値が表示されていません。
つまり、人が住むことができないので、資産価値ゼロの評価になっています。
同じような事態が、伊方で事故が起こり、申し上げたように、広島が「避難」をしなければならない状況になったとき、福島原発事故で起こっているような資産価値ゼロという状態が、また必ず起こります。
4000万円で20年ということは、最初は金利ばっかり払いますから、3000万円くらい残っているでしょうね、多分。
じゃあ、銀行は、この3000万円のローンを棒引きにしてくれるかというと、資産はゼロになりますが、銀行からのローンは残る。
こういうふうな危険がある中で、私たちがどうやって生活の設計をしていけばいいのか。
これ、不可能ですね。

今、本通りでこうやってお店を開いておられる方々、本通り商店街っていうのは、きわめて長い長い伝統を持ちます。
同じ場所で長いこと商売をやっておられるから、固定客もしっかりついています。名前も知れてる。
つまり、本通りでお店を出しておられる方々は、一軒一軒、無形の資産を、大きな資産を持っておられる。
「のれん店」とか言います。
原発事故が起こる。
そこに人が住めなくなる。
こうした無形の、お金では買えない無形の財産もいっぺんに吹っ飛ぶ。
こういう状況の中では、私たちは安心して暮らせない。
それでなくても心配することはいっぱいあるんですけれども、一番大きな心配事になっていくはずです。

それが、一番大きな心配事になっていないのはなぜか。
単純です。
皆さんの多くが、この事実―広島から最も近い原発があって、それが再稼動申請中で、そしてそこの経営陣がきわめて危ないコスト優先の考え方を持っていて、この原発が中央構造線の真上に乗っている、そしてもし苛酷事故が起これば、広島市内は1週間で約4ミリシーベルトの被曝線量、これはもう避難の対象―こうした一個一個の事実を、ご存知ない。
これを知らないから、皆さん安心しておられる。

しかし、この事実を知れば、安心して暮らすというわけにいきません。
いろんな大きなリスクが、それでなくても心配事の多い私たちの生活の中で、最大の心配事が出てくる。
そうすると、今私たちがここで歩いて主張しているように、伊方原発なんか止めてしまってちょうだいよ、と、こんな危ないもの動かさないでよ、と、単に動かさないだけでなくて、もう廃炉にしてちょうだい、と、こういうふうに主張したくなるのはわかっていただけると思います。
ですから、おせっかいにもこうやって歩いてお話ししているのは、この事実を知っていただきたい。
もしこの事実を皆さんがしっかり知れば、私たちと同じように、伊方原発止めてちょうだい、伊方原発廃炉にしてちょうだい、と、こういう主張になられるものだと信じております。
そういうことを皆さんにお伝えしたくて、こうやって歩いております。

◆原発の「避難計画」を立てるという人命軽視

皆様、8月20日の安佐南区の災害は、ほとんどの人が、あれほどの大雨が降るとは予測していなかったと思います。
それほどの大雨が降って、土砂災害が起きてしまいました。
一方、広島から100キロしか離れていない所に伊方原発というのがありますが、ここでは、南海トラフ大地震というものがこの先何年かのうちに必ず起こるであろう、きわめて高い確率で起きる、というふうに、専門家が予想しています。
この間の大雨は、予測がその前にはありませんでした。
しかし、この南海トラフ地震というのは、はっきりした名前がついて、はっきり起こるというふうに予測されています。

たいていの人は、福島で起こったようなことが広島でも起こる可能性があるとはあんまり考えていないと思います。
原発のことはあんまり考えないで過ごしたい、新聞などで言っているようにアベノミクスで景気がよくなってそれで自分たちの生活が今より少しでもよくなればそれでいい、というふうに思っている人が多いと思います。
「原発の再稼動がされようとされまいとどっちでもいい」
「今のところ、広島は今まだ大丈夫なんだし、大地震が起こるというふうに決まったわけでもない」
「ああいう大きな地震が東北で起こったんだから、またたてつづけに起こるっていうふうにはあまり考えられない」
「自分の生きている間に、起きなければまあいい」とか。

それに、毎日、仕事や生活に忙しい。
「福島の人々のことは気の毒だとは思うが、原発事故のことばかり考えているわけにはいかない」
「それよりも毎日の仕事や生活のほうが大事だ」
そう思っている人が多いと思います。

しかし、実際に原発事故が起きてしまったら、その、大事にしている日々の仕事とか生活とか、それが一気に奪われてしまいます。
そして、不自由な避難生活を強いられます。
私たちが今真っ先にすべきことは、私たちの仕事や生活を奪うかもしれない原発の再稼動をやめさせることです。

この狭い日本で、福島のような事故がまた起きたら、日本に住む所がなくなってしまうかもしれません。
二度と事故を起こしてはならないというのが、誰も異論はないところだと思います。

しかし、国や自治体は、事故が起きたときの「避難計画」というのを策定し、ヨード剤まで配っているところもあります。
すごく用意がいいのです。
用意がいいということは、また事故が起きるかもしれないということを十分視野に入れているということです。
これはかなりおかしいことだと思います。
また事故が起きるかもしれないのであれば、原発は止めなければならないはずです。

今、原発が動いていませんが、火力などの電力で十分にまかなっています。
私は、この「避難計画」という言葉を聞くと、他の自然災害とは違って、ほんとに私たち市民の生命が軽んじられているような感じがします。

土砂災害の後では、危険区域の避難計画とか連絡網とかいうのが回覧で回ってきました。
しかし、広島からわずか100キロの伊方原発で事故が起きるかもしれないということについて、広島市民には何も知らされていません。
広島市が、事故が起きたら、放射能の影響を被るのは目に見えています。
私たちは自分の命を自分で守るしかないということでしょう。

だから、一人でも多くの人に、伊方原発が広島からそう離れてないところにあって、それが再稼動ということになったら、いつなんどき原発事故が起きるかもしれなくって、そうなったら何もかも捨てて避難しなければいけなくなるということを知ってほしいのです。
再稼動を止めないと、常に危険と隣り合わせて暮らさなくちゃいけないということに気が付いてほしいのです。

◆苛酷事故が起きれば「避難」それを認めるか認めないかは一人一人が決めること

原発問題・再稼動に賛成・反対関係なく、伊方原発というのが広島から一番近い原発、島根原発よりも近い原発であるということを、まず皆さん知っておいていただきたいと思います。
それから、この伊方原発で苛酷事故が起こったらどうなるかということがすでに示されていて、そのデータも出された上で、広島が「避難」になるというシミュレーションを出された上で、今、再稼動が進められているという事実を知っていただきたいなと思って歩いております。
まとめたものをチラシにしてお配りしてますんで、よかったらご覧になってください。
賛成の人なんかに多いのは、この原発の問題は経済的に必要だというふうにご主張になられている方が多いんですけど、経済問題だって言うんだったら、もしここで苛酷事故が起こったら、経済基盤も何もひっくり返る、私たちはここで暮らせなくなるということもちゃんと知っておいてから、賛成か反対かというのを決めていただきたいと思います。
また、反対だと言っていらっしゃる方も、いったいどういうふうな進め方で今こうなっているのかというのを、知っておいていただきたいなと思います。

一人一人、今、全く無関係な人はいないと思います。
というのは、私たちここで広島で暮らしていますんで、広島で暮らしてる人間は、社会人として、子どもを守る親としても、考えるべき問題だと思います。
なぜなら、ここでもし苛酷事故が起こったら、広島は「避難」ですよというデータがもう出されています。
それを認めるか、黙っていることで賛成という意思表示をして再稼動させるのか、それとも、私たちは私たちの生活を守るべき権利があると主張して反対するのか、それはもう皆さんのお一人お一人の問題だと思います。

もしよかったら、そういったことを考える材料として、私たちの調べたチラシをご覧になってみてください。
私たちは別に反対とか賛成とかを押し付ける気はありませんし、そういったことはお一人お一人が決める問題だと思いますんで、そういうことを言う気はありません。
ただ、正しい情報をまず皆さんが知ろうとしていただきたい。
知ろうとして、考えていただきたいなと思います。